こんにちは、公認会計士のロディです。
近年、「監査トレーニー制度」を採用する監査法人が増えています。
かくいう僕も、大手監査法人・中小監査法人時代、監査トレーニーの方と一緒に仕事をしていました。
そこで今回は、「監査トレーニー制度」に関する情報をまとめましたので、ご紹介したいと思います。
想定読者
- 公認会計士受験生の方
- 実務を学びながら、受験勉強を続けたい方
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[ 目次 ]
1.監査トレーニー制度とは?
① 監査実務が、受験勉強に役立つ
② お金を稼ぎながら、受験勉強ができる
③ 「予備校代」の学費補助が出る
④ 「無職期間」を作らずに、合格を目指せる
⑤ 合格後の就職が約束される
2.監査トレーニーの仕事内容は?
3.監査トレーニーの倍率は?
4.監査トレーニーの年収は?
5.監査トレーニーは新卒限定なの?
6.USCPAの受験生も募集している?
7.監査トレーニーと働いてみた感想
8.監査トレーニーを目指す際の志望動機
9.監査トレーニーの求人をご紹介
監査トレーニー制度とは?
監査トレーニー制度とは、「監査法人で仕事をしながら、受験勉強ができる制度」をいいます。
通常、監査法人で働くためには「公認会計士試験(論文式試験)」に合格しなければなりません。
しかし、監査トレーニー制度を採用している監査法人では、論文式試験の受験生を採用しています。
監査トレーニー制度により、合格前から監査法人で働くことができるため、次のメリットが得られます。
監査トレーニーのメリット
- 監査実務での学びが、そのまま受験勉強に役立つ
- お金を稼ぎながら、受験勉強ができる
- 「予備校代」の学費補助が出る
- 「無職期間」を作らずに、合格を目指せる
- 合格後の就職が約束される
① 監査実務での学びが、そのまま受験勉強に役立つ
監査トレーニー制度で、最も大きなメリットなのが「監査実務を体験できること」です。
監査実務に携わることで、公認会計士試験科目である「監査論」「財務会計論」への理解を高めることができます。
しかし ほとんどの受験生が監査実務を知りませんから、実務をイメージすることは難しく、監査論を苦手とする方がとても多いです。
監査トレーニー制度を利用することで、自ら監査業務を体験しますから、他の受験生よりも「監査論」でアドバンテージを得ることができます。
しかし、実務を経験した後の「修了考査」では、監査論がとても得意になっていました。
② お金を稼ぎながら、勉強ができる
様々な事情により、「働きながら受験勉強がしたい」という方も多いです。
どうせ働くのであれば、会計・監査に近い仕事をした方が、効率が良いでしょう。
監査トレーニーの雇用形態は、監査法人によって「正社員」「非常勤」の2パターンがあります。
いずれの場合も お金を稼ぎながら、かつ会計・監査の勉強にもなりますから、一石二鳥ですよね。
「正社員」よりも勉強時間を多く確保できますからね。
③ 「予備校代」の学費補助が出る
監査トレーニーを採用する監査法人では、「予備校代」の補助が出るケースが多いです。
たとえば大手予備校の場合、予備校代は60~80万円ほどになります。
その半額を学費補助された場合、30~40万円が浮きます。
受験生にとってはかなり大きいですよね。
④ 「無職期間」を作らずに、合格を目指せる
大学卒業を控えている受験生にとって、「無職期間ができてしまう」というのは、受験生活における不安要素になります。
監査トレーニーとして採用されることで、万が一 試験から撤退することとなった場合でも、無職の期間を作らずに「転職」という形をとることができます。
⑤ 合格後の就職が約束される
公認会計士受験生にとって、「合格後の就職問題」は大きな不安要素の1つです。
将来、公認会計士試験に合格したとしても、監査法人に就職できなければ「公認会計士登録ができない可能性」が生じます。
監査トレーニーとして採用されると、合格後もそのまま監査法人で働くことができますから、就職問題に悩む必要はありません。
監査トレーニーの仕事内容は?
監査トレーニーとして働くこととなった場合、仕事内容はJ1(会計士1年目)に近いです。
分担される担当は「現預金」「借入金」「有価証券」など、J1が担当するような科目を割り当てられるケースが多いです。
「専門家としての判断」が必要な作業は割り当てられませんが、きちんと理解しながら監査調書を作成しますので、J1に近い仕事内容になります。
初めは覚えることが多くて大変かもしれませんが、覚えたことがそのまま「監査論」の勉強に役立ちます。
監査トレーニーの倍率は?
倍率については、監査法人によります。
- 大手監査法人:倍率は非常に高い(10倍程度)
- 中小監査法人:倍率が低いので狙い目
大手監査法人(BIG4)は、ネームバリューも大きく、ホームページ上で大々的に監査トレーニーを募集しているため、応募者が非常に多いです。
そのため、大手監査法人では「かなり採用を絞っている」のが現状です。
僕自身も大手監査法人で多くのトレーニーを見てきましたが、非常に優秀な方が多かったです。
一方 中小監査法人はネームバリューが小さく、ホームページ上で募集をかけても人目に触れづらいので、応募者が非常に少ないです。
そのため、中小監査法人であれば倍率が低く、採用されやすい傾向にあります。
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監査トレーニーの年収は?
大手監査法人(BIG4)の監査トレーニーの年収リサーチ結果をご紹介します。
月収 | 年収(賞与込み) | |
---|---|---|
DTトーマツ | 非公開 | 非公開 |
KPMGあずさ | 不明 | 不明 |
EY新日本 | 238,000円 | 300万円弱 |
PwCあらた | 非公開 | 非公開 |
非公開・不明が多くて申し訳ありません…。
しかし 知人会計士等の話を聞く限り、大手監査法人(BIG4)での監査トレーニーの年収に、さほど大きな違いはないようです。
一方、中小監査法人での監査トレーニーについては、法人ごとに年収が大きく異なります。
「正社員」として雇用される場合には、大手監査法人に近い年収水準となることが考えられます。
しかし、「非常勤」(つまりアルバイト)として採用される場合には、勤務日数が少なくなりますので、当然年収も低くなります。
ただし! 個人的には「非常勤」採用の方がお得だと思います。
スキマ時間でも受かる自信のある方は、大手監査法人を選ぶと良いでしょう。
しかし、合格を第一に考えたい方には、中小監査法人がオススメです。
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監査トレーニーになるには、新卒でなければダメ?
結論としては、新卒でなくても、既卒(中途)でも監査トレーニーになれます。
そのため、「新卒じゃない自分は、監査トレーニーになれないのでは…」と不安視される必要はありません。
ただし、監査法人によっては「新卒のみ」としている法人もありますので、この点はしっかりと要綱を確認しましょう。
また、監査トレーニーとして採用される方の「年齢」は、20代~30代の方がメインです。
USCPAの受験生も募集している?
「監査トレーニーになりたい」という方の中には、USCPA(米国公認会計士)の受験生の方もおられるでしょう。
監査法人によって、「USCPAの受験生を受け入れるか否か」の方針は異なりますが、大まかな傾向は次のとおりです。
大まかな傾向
- 大手監査法人:USCPA受験生も受け入れている
- 中小監査法人:USCPA受験生は受け入れていない
※ あくまで傾向です。
大手監査法人では、海外のクライアントを多く抱えていることから、「英語ができる人」「USCPAの知識がある人」に対するニーズが大きいです。
一方、中小監査法人ではそもそも「海外のクライアントを有してしない」ケースもあり、そのような法人では当然ながら英語力・海外の会計知識は必要とされません。
監査トレーニーと一緒に働いてみた感想
大手監査法人の職員時代、同じチームに監査トレーニーの方がいました。
コアメンバーとして一緒に働いていたので、勉強法を教えてあげたりと、色々交流がありました。
間近でトレーニーの方を見ていて、「あぁ、メリットばかりでは無いんだな」と感じたこともあります。
大変そうだな…と思ったこと
- 朝2時間勉強、定時後も夜まで勉強
- 休日も勉強(仕事の疲れが溜まりそう…。)
公認会計士の受験勉強は、「毎日」が鉄則です。
そのため、朝の出勤前に2時間ほど勉強し、仕事が終わった後も3~4時間ほど勉強が必要でしょう。
そして、平日フルで勉強できなかった分を休日に詰め込む必要がありますから、土日の勉強量は多くなります。
正社員として監査トレーニーになった場合、「いかに勉強時間を捻出するか」がカギになると言えるでしょう。
一方で、中小監査法人で一緒に働いていた監査トレーニーの方は、かなり働きやすそうでした。
非常勤で契約していたため勉強時間を多く確保でき、3人中2人が論文一発合格していました。
実際に僕が働いていた監査法人の求人は、監査トレーニーの求人をご紹介の部分でご紹介しています。
監査トレーニーを目指す際の「志望動機」について
いざ、監査トレーニーの採用に応募し、面接を受けることとなった場合。
「志望動機」で悩む方も多いかもしれません。
ありきたりな「志望動機」の例
- 勉強をしながら実務が学べるので――
- 生活費を稼がなければならないので――
もちろん志望動機としてはアリですが、ありきたりな志望動機ではライバルとの戦いに勝てません。
志望動機を考える際は、「具体性」と「論理性」を意識しましょう。
良い志望動機の例
- 監査論を克服するため、監査実務を学びたい
- 会計士登録を〇〇年までに済ませたいため、先に実務要件を満たしたい
志望動機を考える際は、「なぜ?」と自問自答しましょう。
「なぜ?」という問いに対する答えが出たら、更に「なぜ?」と自問自答し深みを出します。
これを続けることで、志望動機に「具体性」「論理性」が付加されます。
監査トレーニーの求人をご紹介
最後に、監査法人での監査トレーニー求人をご紹介します。
大手監査法人の監査トレーニー求人
※ KPMGあずさ監査法人は、公に採用していないようです。
大手監査法人での監査トレーニーは倍率が高く、正社員になるので勉強時間が取れない…というデメリットがあります。
また、「中小監査法人」の監査トレーニーは非常にオススメですが、公に募集している法人が少ないです。
監査トレーニーは、実務を学びながら勉強のできる とても良い機会です。
しかし 仕事に時間を取られ、勉強時間を確保できなくなってしまっては、、、本末転倒です。
ぜひ 自分に合った法人を探してみてくださいね。