こんにちは、公認会計士のロディです。

簿記1級に半年で合格できたので、3年後に公認会計士になれました。

  • 「簿記1級って取るのが大変って聞くけど、そもそもどんなメリットがあるんだろう?」
  • 「簿記1級にすこし興味があるけど、勉強を始める前に取得メリットを知っておきたいな」

本記事では、そんな疑問にお答えします。

 

 想定読者

  • これから簿記1級を取得しようか、検討中の方

 

 本記事から得られる内容

  • 筆者が簿記1級を取得して感じた、4つの大きなメリット
  • 短時間で合格するための勉強法(おまけ)

 

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簿記1級を取得したメリットは4つありました。【実体験】

僕が簿記1級を取得して感じた4つのメリットは、次のとおりです。

 

 簿記1級を取得して感じた、4つのメリット

  • 様々な国家資格に活用できる
  • 公認会計士試験への「適性判断」ができる
  • 就活・転職のアピール材料になる
  • 成功体験を作れる

以下、実体験も踏まえてお話します。

 

簿記1級のメリット② 公認会計士試験への「適性」を見極めることが出来た

「日商簿記1級」と「公認会計士試験」は、とても親和性の高い試験です。

公認会計士試験の科目に「会計学」があり、簿記1級の範囲がすべて含まれるためです。

簿記1級と公認会計士の範囲の違い

 

そのため、日商簿記1級は公認会計士試験への登竜門とも言われています。

 

具体的には、簿記1級をマスターすることで、公認会計士試験全体の10%をカバーできると言われています。

この割合は信ぴょう性が高いと感じており、僕が実際に合格に要した時間は、

  • 簿記1級 :720時間
  • 公認会計士:7,350時間

でした。
>>関連記事:会計士試験に4000時間で受かるのは無理です。本当の勉強時間は?

「公認会計士試験の合格までの勉強時間」の約10%の時間で簿記1級に合格したので、わりと正しいと思います。

 

 なぜ簿記1級が公認会計士の「適性判断」になるのか?

公認会計士になるためには、2~3年間、毎日7~8時間ほど勉強しなければなりません。

この勉強期間・勉強時間で必ず合格できるなら良いのですが、僕のは学力にあまり自信がなく、いきなり公認会計士を目指すのにためらいを感じていました。

これだけの労力と時間をかけて、受からなかったら…犠牲が大きすぎますよね。

 

そこで考えたのが、「公認会計士になる前に簿記1級の取得を目指してみて、もし合格出来たら公認会計士を目指してみよう」という作戦です。

「簿記1級も取得できないくらいなら、公認会計士なんて無理だ」と諦めも付きますしね。

そんな感じで、僕は公認会計士になるための「適性判断」として簿記1級の取得を目指しました。

 

ここで、少し細かいお話です。

公認会計士試験は全5科目(700点満点)から構成され、このうち300点分は「会計学」という科目が占めます。

全体の半分近くを「会計学」が占めるため、会計学を制した人が公認会計士試験を制す、とも言われています。

会計学への適性は簿記1級で判断できるので、簿記1級に合格できれば、公認会計士試験に合格できる可能性も高まると言えます。

 

まずは簿記1級の取得を目指して勉強してみて、万が一「やっぱり自分には合わないな…」と気付いたとしても、その時点では「公認会計士試験の10%の勉強時間」だけでの消費で済みますから、撤退のリスクは小さくて済みますよね。

一方で、いきなり公認会計士を目指して7,000時間勉強した結果、「やっぱり自分は会計士に向いてないな」と気付いた場合、、、色々なことが手遅れになりますよね。

この適性判断に最も適しているのが、日商簿記1級です。

「簿記2級・3級でも適性判断にならないか?」という声もありそうですが、簿記2級・3級では判断できないと思います。

というのも、簿記1級と簿記2級・3級では、大きく勉強法・勉強スタイルが異なるからです。(詳細は、簿記1級の勉強法を、公認会計士が徹底解説【落ちないテクニック】の記事でお話しています。)

「簿記2級は1度落ちたけど、簿記1級はストレートで合格できた」という人は結構多いので、簿記2級は簿記1級へのステップとして考えるべきです。

 

 実際に、簿記1級で「適性判断」ができたのか?【後日談】

そんな感じで、僕は公認会計士を目指す前に、まず簿記1級の合格を目指しました。

今振り返ってみても、理にかなっている判断だと思います。

しかし、これはあくまで「勉強前」のロジックでして、「合格後の実感」はどうなの? という点も気になる方が多いのでは。

 

(僕の場合の)簿記1級合格と公認会計士試験合格の流れは、次のとおりです。

  • 2009年12月:日商簿記1級の勉強スタート
  • 2010年5月:公認会計士の勉強スタート
  • 2010年6月:日商簿記1級 合格
  • 2013年8月:公認会計士 合格

という流れです。

簿記1級は半年で合格し、公認会計士試験は3年で合格できました。

公認会計士試験合格者の平均勉強期間が3年ですので、僕もその平均に乗っかってますね。僕の大学時代の偏差値は40と低めでしたので、そのわりに良く出来たほうなのでは…と思います。

結果的に学力の低い僕でも、平均的な勉強期間で公認会計士試験に合格できたので、「適性判断」は正しかったものと思います。

 

公認会計士受験生時代の成績も良く、「会計学」に関しては常に成績上位、全国模試でも毎回A判定を取ることができました。

(簿記1級の下積みがあるため)常に成績上位を維持することができ、最後まで高いモチベーションで勉強を続けられたのも良かったですね。

「会計学」を得意科目にすることで、他の苦手科目をカバーでき、戦略としても成功していました。

というわけで、公認会計士を目指す方には「まず簿記1級を取る」という戦略が非常にオススメです。
>>関連記事:簿記1級の通信講座は1択です。【最短・最安合格を狙おう】

 

なお、よく見ていただくと分かりますが、簿記1級を取得する1ヶ月前に公認会計士の勉強をスタートしています。

この理由は、「全国模試を受けた感触で、これなら簿記1級は合格しそうだな」と感じたためです。

勉強を進めている中でも、さほど簿記1級の学習に苦痛を感じなかったため、「この調子なら、たぶん公認会計士もイケる」と感じ、すぐに予備校の公認会計士講座に申し込みました。

 

簿記1級のメリット② 様々な国家資格に活用できた

簿記1級を取得したことで、他の多くの資格取得に役立ちました。

僕の場合は、簿記1級を取得した後、次のような資格も続けて取得できました。

 

 簿記1級の取得後、実際に合格した国家試験

  • 公認会計士
  • 税理士(簿記論)
  • 中小企業診断士(財務会計)
  • ファイナンシャルプランナー(FP3級)

 

簿記1級は、数多くの資格試験と親和性があり、汎用性が高いです。

例えば税理士(簿記論)は、簿記1級と範囲が非常に被っており、少し勉強するだけで取得できてしまいます。

僕の場合は簿記1級→公認会計士に進みましたが、簿記1級→税理士や、簿記1級→FPという進路も全然アリですよ。

 

なお、税理士(簿記論)は簿記1級合格後100時間程度勉強し、合格できました。

中小企業診断士は、(正確に時間を集計していませんが)100~150時間程度、という印象です。

FP3級は、15時間程度で取れました。

 

ちなみに大学は工学部の建築学科を卒業しており、バックボーンとは関係のない職業に転職できるのも会計(簿記)の魅力ですね。

また、その他に「簿記1級」と親和性のある資格は、次のとおりです。

 

 その他、簿記1級と親和性のある資格

  • 米国公認会計士(USCPA)
  • 社会保険労務士
  • 建設業経理士

一言で「簿記」と言っても、業界や国によって、会計処理は少しずつ変化します。

建設業には建設業の会計処理がありますし、医療法人、学校法人など、業界が変わると会計処理は変化します。

まずは簿記1級で基礎を固めることで、将来の選択肢を増やすことができて便利です。

 

また上述のとおり、簿記1級は非常に多くの資格試験と親和性があるため、仮に簿記1級に合格できなかったとしても、他の資格へシフトできるというメリットがあります。

不合格になった場合にも、それまでの勉強が無駄になるわけではない為、失敗した場合のリスクヘッジもしやすいという訳ですね。

簿記1級は難易度の高い試験ではありますが、これほど汎用性の高い資格も珍しいでしょう。
>>関連記事:簿記1級の通信講座は1択です。【最短・最安合格を狙おう】

 

簿記1級のメリット③ 就活・転職のアピール材料になる

簿記1級を取得することで、就活・転職の際に次のメリットを得られます。

  • 書類通過率が高まる
  • 面接時の「志望動機」が書きやすい

 

 書類通過率が高まる

簿記1級が難関資格であることは、一般にもよく知られています。

「難関資格に通過できる知力があること」を証明できるため、当然、就活での書類選考の通過率も高まります。

簿記2級や簿記3級の場合は難易度が比較的易しく、保有者も多いのであまり差別化はできませんよね。

ちなみに、簿記1級を取得すると年収が90万円UPするのは、「簿記1級で年収はどのくらい上がる?実際に調べてみた【データ公開】」で検証済みです。

 

 面接時の「志望動機」が書きやすい

「経理」「会計事務所」の就活では、志望動機が少し書きづらいです。

たとえば「総合商社」の就活では「海外で活躍したい」、「アパレルブランド」の就活では「ブランド価値を世に広めたい」など、志望動機が書きやすいですよね。

一方「経理」「会計事務所」って、改めて「なぜこの組織を志望するのか?」と考えると、うまい志望動機が浮かびにくいです。

こんな時、簿記1級を保有していると志望動機が書きやすくなります。

たとえば、「簿記1級を活かしたいから」という理由も、立派な志望動機になりますよね。

もちろん、「簿記1級をどう活かすのか?」と聞かれるはずですから、こちらも事前にケアが必要です。

 

また、簿記2級は「どう活かすのか?」という質問に対して、合理的な理由を示しづらいです。

というのも、簿記2級レベルでは組織への貢献度合いが低いからです。(ぶっちゃけ、ちょっと努力すれば誰でも取れてしまうので、、、。)

簿記2級で学習するのは「基本的な仕訳処理」でして、手を動かせば誰でもできてしまいます。

簿記1級では「利益率の改善方法」などを学習するため、貢献度は高く、組織にとってもメリットになりますよね。

組織によっては、「簿記1級」を取得することで手当てをくれる企業もありますので、収入面の安心感も得られますね。
>>関連記事:簿記1級の通信講座は1択です。【最短・最安合格を狙おう】

 

簿記1級のメリット④ 成功体験を作ることができる

少しメンタル的な話になります。

「公認会計士を目指そう」と決めた当初、僕には何のバックボーンもありませんでした。(低学歴、簿記の知識ゼロ)

そのため、「何を目指すか」の前に、そもそも何かしらの成績を残し、自分に自信を与えてから前に進む必要がありました。

「自信」は長期学習の推進力になると考えたためです。

その推進力として、簿記1級の取得を目指しました。

 

もちろん、簿記1級が取れたからと言って社会的地位が一気に上がるわけではありませんし、むしろ無職で簿記1級の勉強をするなんてヤバいと思われるかもしれません。

しかし、その期間に周りにどう思われようとも、その行動によって自分の能力を引き出せるのであれば、プラスになるはずと考えました。

 

 結果

この戦略は大成功でした。

簿記1級に合格した後は自信が付き、資格試験に対する独自の勉強法を発見できました。

途中、簿記以外の科目が出てきたことで挫けそうになりましたが、簿記1級に合格した成功体験から得たものが多く、結果公認会計士試験に合格しました。

自分に自信がない人にとっては、簿記1級を取得するメリットは非常に大きいです。

 

僕と同じように、簿記1級の先にステップアップを見据えている方は、成功体験によって自信をつけるメリットがあります。
>>関連記事:簿記1級の通信講座は1択です。【最短・最安合格を狙おう】

 

簿記1級を取得して得た、その他のメリット

こちらはあまり一般的ではありませんが、簿記1級を取得したことで副次的に得たメリットをご紹介します。

  • 独立時、会計処理を自分でできる
  • 独立時、予算編成の方法が分かる

 

僕は公認会計士として独立しています。

会計士なので当然自分で会計処理・税務処理できますが、簿記1級を取得することで、他業種で独立された方も自分で(ある程度の)会計処理・税務処理ができるようになります。

また、簿記1級の学習範囲には「予算編成」というものがあります。

予算編成とは、「将来の予想売上から、コスト、税金などを逆算していく方法」をいいます。

「今いくら必要なのか」といった、経営にわりと必須な知識が学習でき、これも独立時に(今も)大きく役立っています。

 

こんなメリットはありません。【嘘情報に注意】

「簿記1級のメリット」でGoogle検索をしてみると、

  • 経済新聞・ニュースが分かるようになる
  • 投資や資産形成ができるようになる

といった情報が出てきますが、、、これ全部嘘ですからね。。ご注意ください。

 

「経済新聞が読めるようになる」は嘘

残念ながら、、、簿記1級を取得しても、経済新聞・ニュースは分かるようになりません。

というのも、簿記1級はそもそも「経済」に関する資格ではないからです。(簿記1級はあくまで「会計」の資格です。)

たしかに、「減価償却」や「キャッシュフロー」という会計用語は、経済新聞・ニュースでよく目にします。

でも、これらの用語は簿記2級でも学習できますし、簿記1級で学ぶような「専門的な会計知識」は、そもそも経済新聞では目にしません。

そのため、「経済新聞が読めるようになるよ」という触れ込みは、誇大広告にしか思えません…。

実際、僕も簿記1級を取得したあとに経済新聞を読んでみましたが、、、ぜんぜん読めませんでした。(自慢できることではありませんが。)

 

「投資ができるようになる」は嘘

簿記1級を取得しても、投資ができるようにはなりません。

株式投資におけるファンダメンタルズ分析(決算書を読み解くこと)で使える…なんて話もありますが、簿記1級程度では無理です。というのも、簿記1級では「分析」を学ぶことはないからです。

公認会計士試験では財務分析を学習するため、投資がしたければFPや公認会計士の資格を取得すべきでしょう。

簿記1級は難しい試験なので、「なんとなく投資もできそう…」と思われがちですが、残念ながらこれは誇大広告です。ご注意ください…。

 

簿記1級は、思った以上にメリットが多かった。

まとめです。

 簿記1級を取得するメリット

  • 「公認会計士試験」への適性判断ができる
  • 他の国家資格にも転向できる。
  • 就活・転職のアピール材料になり、年収も上がる
  • 成功体験を作れる

以上です。

簿記1級の取得には半年ほどかかりますが、得られたリターンはかなり大きかったです。

特に、今こうして公認会計士として楽しく働けているのは、簿記1級を目指したおかげだと思います。

大きな挑戦も、まずは小さな一歩から、ですね。

 

もし最短での合格を狙うのであれば、予備校の講座を受講すべきです。独学の合格は、、、正直厳しいですからね。
>>関連記事:簿記1級の通信講座は1択です。【最短合格・最安合格を狙おう】

 

簿記1級が「最終ゴール」の人は、いないと思います。

簿記1級の先には、「公認会計士試験の合格」や「就職」など、次の目標があるはずです。

今は通過点のはずですから、時間をかけるのは勿体ないですよね。

そのためにも、簿記1級を手軽に取得し、早めに次の目標へ走り出しましょう。時間は有限のはずです。