簿記1級の採点方法を知らないと、永遠に落ち続けます。【相対評価】

こんにちは、公認会計士のロディです。

簿記1級の受験生の方は、簿記1級試験=相対評価の試験であるという事、ご存知ですか?

もしご存知でなかったら、危険です。
永遠に落ち続けてしまうかもしれません。

本記事では、簿記1級における相対評価が何なのか、そしてその対応策をご提供します。

 

簿記1級の採点方法を知らないと、永遠に落ち続けます。【相対評価】

簿記3級・簿記2級までは、絶対評価の採点でした。

しかし、実は簿記1級では採点方法が異なり、「相対評価」での採点方法になります。

勉強をしている時にこれを意識しておかないと、勉強期間が非常に長期になってしまいます。

 

そもそも、相対評価とは?

少しややこしいので、学校の成績表でご説明いたします。

1~5までの5段階評価のケースです。

今の学校の評価は相対評価なので、例えば成績の分布が予め次のように決まっています。

  • 5:10%
  • 4:20%
  • 3:40%
  • 2:20%
  • 1:10%

つまり、100人の生徒がいたら、「5」を貰える生徒は10人いるというわけです。(100人×10%=10人)

一方で、絶対評価の場合には、例えば次のように決まっています。

  • 5:テストで95点以上
  • 4:テストで80点以上
  • 3:テストで60点以上
  • 2:テストで40点以上
  • 1:テストで40点未満

テスト自体はその時々によって難易度が変わりますから、難しいテストだった時は「5」を貰う生徒が一人もいない、という事態も起こり得ますし、逆にやさしいテストだった時は大勢が「5」を貰えたりする事もあるでしょう。

 

簿記1級の場合の相対評価について

以上を踏まえて、簿記1級の採点(配点)がどのようになされているのか、ご説明します。

日商簿記検定1級は、合格基準を70%と定められています。

なお、4科目ごとに配点は25点ずつ与えられ、合計で100点満点となっています。(ここは変わらない。)

そして、毎回の簿記1級試験の合格率は、約10%となっています。
商工会議所は「10%にする」と明言していませんが、過去の推移から分かります。

ちなみに

10%から大幅にズレることは考えづらいです。
理由としては、作問者や商工会議所が非難の対象となる可能性があるためです。
その回によって難易度が変わってしまっては、そもそも資格の有用性が損なわれます。

よって、合格率10%という水準は、予め定められた水準になります。(受験者のレベルが急激に変化しない限り。)

しかし、毎回毎回、試験の難易度をちょうど10%になるように問題を作成するのは、非常に困難でしょう。

よって、受験者の答案をすべてチェックした後に、問題ごとの配点を操作することで、合格率を10%に調整しています。

例えば、「商業簿記」という科目は合計で25点の配点がありますが、その問題に対する回答欄は次のとおりであったとします。

  • 問1・・・回答欄2個
  • 問2・・・回答欄15個
  • 問3・・・回答欄8個
    (合計:回答欄25個)

一見すると、「回答欄が25個なので1個正解するごとに1点もらえる」と思いそうです。
しかし実際は違います。

実際は、たとえば次のような配点になります。

  • 問1・・・1個に配点3点
  • 問2・・・4個にそれぞれ配点1点、3個にそれぞれ配点2点
  • 問3・・・6個にそれぞれ配点2点
    (合計:25点)

このような採点により、次のことが分かります。

  • 配点のこない箇所がある
  • それぞれ、回答欄によって配点が異なる

つまり、誰も解くことのでいない超難問には配点をゼロにすることで平均点を平準化し、正答率の高い問題には配点を与えることで平均点を平準化する操作をしています。

これによって、基準点70%を超えた受験者が10%以上になるように調整されることとなります。

 

相対評価試験への対策

ここまでは、相対評価という評価方法の内容について解説いたしました。

次に、それが分かった上で何が変わるのか、という話に移ります。

まず、相対評価であることを意識せずに受験した場合、次のような行動になります。

  1. 1番上から順番に問題を解く
  2. 途中で難しい問題にぶち当たる
  3. 頑張って悩んで、なんとか回答する
  4. 時間が少なくなってくる
  5. 最後は駆け足で回答し、なんとか全問回答した。

一見、結果オーライに見えますが、これだと落ちる可能性が高いです。

簿記1級は相対評価なので、先述したとおり、「誰も解けない難問」には点数が来ません。
逆に、「みんなが解ける問題」には大きな配点が来ます。

これらを意識して受験をすると、次のような行動になります。

  1. まず全ての問題に目を通す
  2. 最もかんたんそうな問題から手を付ける
  3. 最も難しい問題を一番最後に回す
  4. 最後は時間がなくなり、最も難しい問題を回答できなかった。

こちらの方が、合格可能性が高いです。

重要なのは、①全ての問題に目を通し→②かんたんな問題から手を付ける、というプロセスです。

かんたんな問題から解くことによって、配点が来る可能性の高い問題をしっかりと解ききることが可能になります。

なお、配点が来る可能性の低い問題を「解かない」という選択も可能になります。

どうせ得点が来ないのであれば、時間をかけて解くのはむしろマイナスですからね。

そして、そのためには「どれが簡単な問題なのか」を判断できるようになる必要があります。

やり方が一応ありますが、ここでは本記事の趣旨とややズレるので、割愛いたします。

 

とりあえず、「知らない問題は後回し」という選択

簿記1級は勉強すべき範囲が広いですが、それでも知らない問題は必ず出題されます。

なので、簿記1級が相対評価である特性を利用するには、「知らない問題は後回し」という作戦が1番手っ取り早く、効果的です。

そして、その後回しにした問題は、最悪手を付けなくても大丈夫です。
何かしら数字を埋めた方が良いのは確かですが、あまり時間をかけると、逆に配点の高い問題にかける時間が減ってしまいますからね。

 

勉強中も相対評価を意識すべき

試験の本番だけでなく、勉強をしている最中も、相対評価であることを意識して勉強しましょう。

これを意識しないと、次のような勉強方法になります。

  • 難問を解けるようになるまで頑張る
  • 色々な予備校の教材に手を出す

些末な知識を身につけても、配点は来ないのでNGです。

逆に、相対評価であることを意識した場合、次のような勉強方法になります。

  • 難問は捨てて勉強する
  • 周りの正答率が高い問題は、確実に正解できるまで勉強する

「周りの正答率が高い問題」を頑張ることが大切です。

ちなみに、「どの論点が周りの正答率が高いか」は、予備校で受ける答練の成績分布を参考にしましょう。(予備校によっては分布が出ないかもしれませんが)

とにかく、手あたり次第まんべんなく勉強するのは、非効率です。
緩急を付けて勉強しましょう。

 

簿記1級は相対評価なので、テクニック次第で得点が伸びます。

以上、相対評価の性質とその対策法でした。

ちなみに余談ですが、会計士・税理士試験も相対評価ですので、簿記1級の後に目指す方は、その後も意識して勉強すると良いですよ。
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