こんにちは、公認会計士のロディです。

簿記3級を勉強中の方へ。

仕訳や勘定科目の暗記法に、苦戦していませんか?

本記事では、意外にも誰も教えてくれない、「仕訳・勘定科目の暗記法」をお教えします。

 もくじ

ちなみに、私は公認会計士のロディと申します。
これからご紹介する暗記法は、会計士になっても無意識に行っている暗記法です。
予備校では簿記の理論や計算方法については教えてくれますが、意外とこうした基礎的な事は教えてくれません。
勉強していて、膨大な仕訳・勘定科目に頭を悩ませている方の一助になればと思います。

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1.仕訳・勘定科目の暗記法

以下で、4つの暗記法を紹介いたします。

割と具体的な暗記法ですが、全ての勘定科目・仕訳の暗記に使えます。

なお、内容は簿記3級・2級の受験生の方を対象としていますが、公認会計士受験生や簿記1級受験生になっても、これらの暗記法は使えます。(厳密には、無意識に使えるようになっています。)

2.五大要素を意識して暗記

一番重要なので、初めに書きました。

簿記の五大要素とは、
・資産
・負債
・純資産
・費用
・収益
という簿記における5つの大きな要素をいいます。

すべての勘定科目は、この5つのいずれかに該当します。

どれにも属さない科目はありませんし、
逆に2つ以上に重複して属する科目もありません。

そして新しい勘定科目を暗記する際は、必ずこの5つのどれに属するのかも併せて暗記しましょう。

これには理由があります。

簿記の試験は、この勘定科目が大量に出てきます。
問題文を読んだとき、5大要素を暗記していないと、文章が全く頭に入ってきません。

まだ分からないと思うので、料理に例えます。

あなたが今、料理レシピ本を読んでいるとします。
その料理は、初めて作る料理です。
レシピ本の手順を追うごとに、たくさんの具材が登場します。
カレーなら、タマネギ人参じゃがいもリンゴカレールー、チョコレート、等です。
あなたは、この具材たちの味を、それぞれどんな味がするのか、知っていますよね。
だからこそ、出来上がる料理の味も、なんとなくイメージ出来るはずです。(ここ超重要)

逆に、登場する具材が全く未知の食材だったら、どうでしょうか?
きっと、レシピ本を最後まで読んでも、どんな味なのか想像できないはずです。

簿記もこれと全く同じです。

私は会計士ですが、もし問題文に全く知らない勘定科目が大量に出てきたら、おそらく問題を解けません。
でも、ヒントで5大要素を与えられていたら、なんとなくこうだろうなと理解することができます。

つまり、たくさん登場する勘定科目にそれぞれ5大要素という色を付けてあげることで、テキストや問題文を理解するスピードが一気に上昇します。

また、勘定科目と5大要素をセットで暗記することで、似た名称の勘定科目が出てきた場合、関連付けて覚えることができ、非常に効率的です。

3.仕訳を丸ごと暗記

上記の2と同じくらい重要なのが、こちらです。

仕訳を丸ごと暗記というのは、読んで字のごとく、本当にすべての仕訳を丸暗記することです。
(一部、マイナーな仕訳は暗記不要です。)

例えば、売掛金500円が貸し倒れ、引当金を取り崩した場合の仕訳。

貸倒引当金 500 / 売掛金 500

この借方と貸方の科目名をセットとして、仕訳を暗記しましょう。
(当たり前ですが、金額は覚えなくて大丈夫です。)

なぜ、仕訳を丸ごと暗記する必要があるか。
それは、テキストや問題文を読むスピードを高めるためです。

よく、試験時間が足りないという悩みの声を聞きますが、ほとんどの方がこの暗記をできていません。

上記ではシンプルな仕訳を例にしましたが、下記のような場合も同様です。

建物を350で売却した。(すべて現金で受取)
取得原価は1000
前期末までの償却累計額は500
売却時までの償却費は100

償却累計額 500 / 建物1000
減価償却費 100 /
現金 350 /
建物売却損 50 /

※テクニックとして、たとえば固定資産売却のような、仕訳パターンが多いものについては、一番複雑な仕訳パターンを1個暗記してしまうという方法が効率的です。

また、よくある否定的な意見として、「簿記の本質を理解していれば仕訳をセットで覚える必要なんてない」という意見がありますが、これは間違っています。

時間が無限にある状況であれば、本質論に戻って考えてみても良いでしょう。しかし、簿記という試験には時間制限があります。
いちいち本質論で考えていたら、絶対に時間は足りません。

またこの仕訳がパッと出ないようでは、テキストを読むスピードや問題を解くスピードも遅くなり、結果的に勉強時間が多くなります。

このように、遠回りに見えて実は一番の近道なのが、仕訳を丸暗記することです。

ちなみに、公認会計士試験(特に短答式)では、この暗記がマストでしょう。
私は公認会計士試験の科目のうち、簿記が一番の得意科目でした。
理由は、この仕訳丸暗記を淡々とこなしていたからであり、短答式試験の本番では168点という高得点を叩き出しました。

4.書いて暗記

「書く」という作業が、簿記の暗記に直結すると感じています。

上記3でもお話ししましたが、仕訳を丸ごと暗記する必要性があります。

借方に貸倒引当金と書いたら、その流れで貸方に売掛金と書く。
このフロー自体が、仕訳を覚えるフローになります。

覚えたら書く必要はありませんが、覚えるまでは書く作業が必要です。

なお、こちらは問題を解く際に書く、という趣旨で記載しています。

基本的に問題を解くとき以外は、あえて仕訳を書いて覚えたりする必要はありません。

5.毎日復習(5分でも良い)

最後に、暗記の作業として一番重要な部分です。

できるだけ毎日、復習の時間を取りましょう。

新たな暗記の時間ではなく、過去に記憶した勘定科目・仕訳を、思い出す時間です。

受験界では常識と思いますが、

思い出した回数 = 記憶の定着率

です。(絶対数と率なので、式として突っ込みどころはありますが・・・。)

簿記は、どんなに記憶力の良い人でも、すぐに忘れます。
簿記が得意だった私でも、本当にすぐに忘れます。
新たに学習した論点を1週間放っておくと、大体忘れている自信があります。

なぜそんなにすぐ忘れるかというと、私生活で絶対に使わない知識だからです。

英会話を学ぶときに最も効果的なのが「留学」であるように、簿記も毎日触れていないと簡単に忘れます。

仕訳を書いたりせず、頭の中で仕訳を思い浮かべるだけでも良いので、できる限り毎日思い出すようにしましょう。

週末に60分かけて思い出すよりも、1日5分×7日=35分かけて思い出したほうが、記憶の定着は良いはずです。
総勉強時間も少なく済むので、絶対にこちらの方がコスパが良いです。

6.まとめ

まとめです。

①勘定科目に5大要素という色を付けてあげることで、全体効率UP
②仕訳を丸ごと覚えることで、全体効率UP
③書くことで仕訳を暗記
④毎日思い出す

暗記から逃げることはできませんが、効率よく暗記することはできます。

受験生全員が、勘定科目や仕訳の多さに苦戦していますが、逆にそれらを克服すれば、他の受験生に勝てますよね。