こんにちは、公認会計士のロディです。
2010年に簿記1級に合格し、3年後に公認会計士になりました。
簿記1級のテキストって、書店に行くとたくさん置いてありますよね。
そこで本記事では、公認会計士の僕が、オススメの簿記1級テキストをご紹介します。
本記事をぜひ読んでほしい人
- どのテキストなら合格できるのか、知りたい人
- 自分に合うテキストが分からない人
なお、独学で合格するための勉強法は「簿記1級に独学で受かる人の特徴+勉強法【公認会計士が解説】」でご紹介しています。
[ 目次 ]
1.簿記1級のテキスト・問題集を選ぶ際のポイント
2.簿記1級のテキスト・問題集なら、これがオススメ!
① サクッとうかる日商簿記1級シリーズ
② 簿記1級 みんなが欲しかった簿記の教科書シリーズ
③ スッキリわかる日商簿記1級シリーズ
④ その他の簿記1級テキスト
3.簿記1級に合格するためのコツ
4.簿記1級に「短期間で」合格するために必要な事
簿記1級のテキスト・問題集を選ぶ際のポイント
本記事で簿記1級のテキストを選定した際の「ポイント」は、次のとおりです。
ご自身でテキストを探したい場合にも、最低限、次のポイントを意識すると良いですよ。
テキスト選びのポイント
- 複数のテキストを使わない(1つに絞る)
- 解説が丁寧
- 評判が良い、有名である
たまにおられますが、複数種類のテキストを併用される人がいます。
でも、これは絶対NGです。
複数種類のテキストを使ってはいけない理由
複数のテキストを使うことで、次のようなデメリットが生じます。
- 内容が重複するため、むしろ非効率になる
- テキストによって解説がやや異なるため、混乱する原因になる
- 情報が多元化してしまい、復習がしづらい
- 上記の理由から、お金がムダになる
1つのテキストを読んでいて、「このテキスト分かりづらいから、他のも買おう」という方、むしろ非効率なので辞めましょう。
簿記1級の内容は、基本的に「難しい」です。
一度読んでも分からないのは むしろ当然ですので、「分からなくても、とりあえず先に進む」「何度も復習し、理解する」という精神が大切です。
どちらも正解なのですが、知識がない状況では「どちらかが間違っている」と感じます。
テキストを疑い始めると、何を信じれば合格できるのか分からなくなってしまい、勉強効率が大幅に低下します。
長くなりましたが、ご自身が「一番信用できるテキスト」を、最後まで使いましょう。
解説が丁寧なテキスト
独学される場合には特に、解説の丁寧さが重要です。
王道ですが、
- 文章の言い回しが、丁寧で分かりやすい
- 色使いが良く、見やすい
というポイントは、結構重要です。
簿記1級では、「専門用語」が大量に出てきます。
たとえば、「資産除去債務」の説明として、
なんて解説されたら、どう感じるでしょうか。
おそらく、ほとんどの人が「意味が分からない」と思いますよね。
(実際、このような解説をしているテキストがあります。)
これを(初めて読む人が)すぐ分かるように解説しているテキストが、「解説の丁寧なテキスト」です。
また、色使いも重要です。
すべて白黒のテキストもありますが、これは「予備校の授業で用いる」ことを前提としています。(予備校の授業で「アンダーライン」「マーカー」を引くことで、色付けをしていくため。)
独学の場合は特に、初めから色が付いていた方が分かりやすく、モチベーションの維持にも役立ちます。
評判の良い・有名なテキスト
最後に大切なのが、できるだけ有名な(評判の良い)テキストを使うことです。
逆に、評判が良かったり、有名なテキストは、「良いテキストだから」売れているわけですね。
簿記1級のテキスト・問題集なら、これがオススメ!
では、公認会計士がおすすめするテキストをご紹介します。
オススメ順に、3種類+αをご紹介します。
① サクッとうかる日商簿記1級シリーズ
※ 画像は商業簿記・会計学のみですが、工業簿記・原価計算も同シリーズであります。
概要
- テキスト:全6冊
- 問題集:全6冊
一番のおすすめは、『サクッとうかるシリーズ』です。
サクッとうかるシリーズは、簿記2級のテキストとしてもメジャーなテキストです。
簿記1級のテキストで迷ったら、コレを選んでおけば間違いありません。
『サクッとうかる簿記1級』 の良い点
- 最も多くの受験生に使用されている
- 説明が分かりやすい
- 色付きのため、モチベーションが低下しづらい
『サクッとうかる簿記1級』 の悪い点
- 特になし
ネットスクールの市販テキストは、独学の人をターゲットとしているため、非常に分かりやすいのが特長です。
キャラクターが多く出てくるので、初見では「子供っぽい?」という印象を受けましたが、読んでみると非常に分かりやすくビックリしました。
高校や大学など、公教育の授業でもネットスクールのテキストが使用されており、信頼性も非常に高いですね。
僕が独学で簿記1級を目指すなら、間違いなくこちらのテキストを買います。
実際にネット上で読んでから購入できるので、一度見てみると良いですよ。
② 簿記1級 みんなが欲しかった簿記の教科書シリーズ
※ 画像は商業簿記・会計学のみですが、工業簿記・原価計算も同シリーズであります。
概要
- テキスト:全6冊
- 問題集:全6冊
こちらは、「TAC」という大手予備校が出しているテキストです。
公認会計士の予備校としても有名でして、こちらもネットスクールに並ぶ大手予備校ですね。
『簿記1級 みんなが欲しかった簿記の教科書』 の良い点
- イラスト付きで説明がされるため、理解しやすい
- 色付きのため、ストレスなく読める
『簿記1級 みんなが欲しかった簿記の教科書』 の悪い点
- 内容がやや細かく、表現も少し複雑な印象。一人で理解できない部分もある。
こちらもAmazonのページで、中身を読めてしまいます。
色味が『サクッとわかるシリーズ』と似ており、読みやすいですね。
ただし、1点だけ注意です。
みんなが欲しかった簿記の教科書シリーズは、少しだけ表現が複雑です。
専門用語をそのまま使用している箇所がありますので、勉強をしていて詰まってしまうような状況が出てくるでしょう。
理解力に自信のある方は、こちらを選んでも良いのかもしれませんね。
③ スッキリわかる日商簿記1級シリーズ
※ 画像は商業簿記・会計学のみですが、工業簿記・原価計算も同シリーズであります。
概要
- テキスト&問題集:全8冊
最初にご紹介したテキストと名前が似ていますが、「サクッと」ではなく、「スッキリ」シリーズです。
こちらもTAC出版です。
特長としては、テキストと問題集でセットになっている点です。
合計冊数も少なく収まるため、他よりも合計で4,000円~5,000円程度、安く抑えることができます。
『スッキリわかる簿記1級』 の良い点
- イラストが多く、説明も分かりやすい
- 分量が少なく、価格も安い
『スッキリわかる簿記1級』 の悪い点
- 内容が易しすぎるため、本試験合格レベルに到達しづらい
こちらも、Amazonのページに飛ぶことで、中身をすべて読むことができます。
見ていただくと分かりますが、キャラクターのイラスト付きで説明されており、とても分かりやすいです。
ただし、内容が易しすぎるため、このテキストだけで合格することは難しいと感じます。
過去問とのレベルに差がありすぎるので、「理解力」が求められることになります。
受験に慣れている方や、ある程度の基礎学力のある方向けのテキストですね。
④ その他の簿記1級テキスト
簿記1級のテキストを選ぶ際は、上記の3種から選ぶと良いでしょう。(僕のオススメは、サクッとシリーズです)
番外編として、その他のテキストも一応ご紹介しておきます。
万人にオススメできるものではないので、「こういったテキストもあるんだな」という程度に見てくださいね。
- 簿記1級合格テキスト(TAC)
- スラスラできる簿記1級テキスト(大原)
いずれも大手予備校の出版している、簿記1級のテキストです。大きな書店だと、置いているところが多いですね。
合格テキスト日商簿記1級(TAC)
なぜか多くの書店で目にするのですが、内容はかなり難しく、独学用のテキストとしてはあまり使えないと思います。
内容は非常に詳細で、ほぼ全論点が収録されているのですが、解説が難解で、かつ重要性が低い論点も解説されています。そのため、独学には不向きです。
ただし! 独学する際の参考書(予備テキスト)として使うならアリです。
「過去問にはあるけど、メインのテキストに解き方が載っていない…」という場合にも、合格テキストなら確実に掲載されているので、辞書的な使い方が可能です。
細かいところまで気になる方は、サブの参考書として、検討してみると良いかもしれませんね。「細かいところが気になって、勉強に手が付かない」というのは、逆効果なので。
スラスラできる簿記1級テキスト(大原)
こちらも、大原の簿記講座で実際に使用されているテキストでして、大きな書店では見かけることが多いです。
僕も中身を読んでみましたが、、、かなり分かりづらいです。
おそらくですが、大手予備校として一応(広告的な意味合いで)テキストを市販しているのだと思います。
もし大原のテキストをすでに買ってしまった人は、上記でご紹介したテキストを使った方が良いですよ。結果的に早く受かります。
簿記1級に合格するためのコツ
簿記1級のテキスト選びは、以上です。
テキストを選んだら、次は効率的な勉強法を知る必要があります。
具体的には、
- 学習のタイミング
- 復習のタイミング
- モチベーションの維持
が非常に重要です。
簿記1級は合格までに700時間ほどかかります。
>>関連記事:簿記1級の合格に必要な勉強時間は?【実績公開】
毎日これだけの勉強時間を捻出するのは、大変だと思います。
具体的な勉強法は、次の記事で詳細に解説しています。
>>関連記事:簿記1級の勉強法を、公認会計士が徹底解説【落ちないテクニック】
僕自身は簿記1級に半年で合格できたので、その時の勉強法を、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
簿記1級に「短期間で」合格するために必要な事
簿記1級の合格に必要な勉強時間は700時間なのですが、これはスクールに通った場合の話です。
独学で合格を目指す場合には、1,200時間~1,500時間程度の勉強時間が必要、と言われています。
独学での平均勉強期間は、1年半~3年と言われていますね。
これほどの期間、勉強をし続けるのは本当に大変です。
一方、スクールに通うことで半分の期間で合格することが可能になります。
もちろん、10~15万円ほどの出費は必要になります。
人によって時間の価値はそれぞれですが、僕は「1~2年」の時間を10万円で買いました。
なお、簿記1級の通信講座は、次の記事で比較解説しています。
>>関連記事:簿記1級の通信講座は1択です。【最短合格・最安合格を狙おう】
結論としては、ネットスクールという予備校の1択になります。
大手・最安・分かりやすい という3冠を持っているので、わりと悩む必要はないかと。
簿記1級を「最終ゴール」としている人は少ないのでは、と思います。
つまり、簿記1級は通過点のはずです。
通過点に時間がかかりすぎると、目標を見失いやすいです。
個人的には、簿記1級はさっさと取得してしまい、最終ゴールに早く向かった方が良いと思います。
そのためにも、スクールを利用して最短合格されることを強くオススメします。