こんにちは、公認会計士のロディです。

工業簿記が大得意でして、本試験の問題は20分あれば全問正解できます。(商業簿記も合わせると45分~50分くらい。)

でも、工業簿記に苦手意識をもっている人、結構いますよね。

そこで本記事では、工業簿記を勉強する際のコツをご紹介します。

ちなみに僕の学生時代の偏差値は40でしたので、一般の人よりも地頭は悪いです。

ただ、戦略を立てる能力は高いと思います。
逆に言えば、簿記はコツさえ知っていればどうにかなりますよ。

 

 本記事の想定読者

  • 簿記2級の勉強をスタートして間もない人
  • 工業簿記に苦手意識をもっている人

 

スポンサーリンク

簿記2級の工業簿記は、コツを知ると満点が取れる【公認会計士が解説】

本記事の構成は、

  • 基本的な勉強法
  • 実践テクニック

の2つから構成されています。

多分どのサイトでも紹介されていない、超詳細な内容です。

簿記2級をさっさと取得したければ、ぜひご参考ください。

 

【簿記2級】工業簿記の基本的な勉強法(目指すべきゴール)

基本的に、勉強法は商業簿記と同じです。

1.講義を聞く(テキストを読む)
2.問題を解く
3.ある程度進んだら、過去問を解く

これは鉄板です。
ただし、過去問から急に難易度が上がります。

理由は2つです。

  • 時間が足りない
  • 解き方が分かっていない

勉強がある程度進んだ段階で、時間を測らずに、過去問を解いてみてください。

時間をかければ、ある程度は得点できるはずです。
ミスしたところも、解説を読めば納得できることが多いでしょう。

しかし、本番では時間が圧倒的に足らず、これが最大の敵になります。

また、解き方(アプローチ)を分かっていない人がとっっっっても多いです。

解き方を知れば時間もショートカットできるので、以下論点ごとに解き方(アプローチ)を紹介します。

 

① 個別原価計算

個別原価計算の問題を解く際は、次の図を埋められるようにしましょう。

個別原価計算

もちろん、理解は必要です。
ただ『テクニック』としてはこれを埋められるようになればOKです。

これを覚えるとどうなるか?は、後述の『実践テクニック』で解説します。

 

② 総合原価計算

総合原価計算の問題を解く際は、次の図を埋められるようにしましょう。

総合原価計算

いわゆる、『ボックス図』と呼ばれる図です。

もちろん仕訳との関連も重要ですが、最終的にはこれが埋められるようになればOKです。

なお、ボックス図のパターンはいくつかあります。

  • 先入先出法なのか、平均法なのか?
  • 仕損はあるのか?
  • 仕損の処理方法は、度外視法なのか、非度外視法なのか?

等です。

これらは、場合分けしたものをそれぞれ暗記しておきましょう。
これ、超重要なのでマストですよ。

理由は後述します。

 

③ 直接原価計算

直接原価計算は、次の図を埋められるようにしましょう。

直接原価計算

なお、直接原価計算はやや難易度が下がります。

費用を変動費・固定費に分けることさえできれば、商業簿記と似た形式で回答できますからね。

 

④ 基本的な勉強法は、ゴールとなる図を完成できるようにすること

さて、ここまでで基本的な勉強法は終わりです。

一旦まとめると、ゴールとなる図を知り、それらを解けるようにしましょうという事です。

これだけ?と思われるかもしれませんが、ご安心ください。
ここまでで全体の2割くらい。ここからが本番ですよ。

以上の基本が、次の実践テクニックに繋がります。

 

【簿記2級】工業簿記の実践テクニック

ここからは、『過去問』や『予想問題集』を用いた、実践テクニックになります。

 

① 時間配分

簿記2級の試験時間は、120分(2時間)です。
配点は、商業簿記60点、工業簿記40点です。

これを念頭に、時間配分は次のとおりです。

  • 商業簿記:70分
  • 工業簿記:40分
  • 見直し :10分

 

② 工業簿記の見直しは、『しない』と決めるべき。

見直しに10分確保していますが、この見直しは『商業簿記』に充てましょう。

理由はかんたんで、工業簿記の見直しには相当な時間がかかるためです。

工業簿記って、最初の方で計算をミスると、雪崩式に後ろの方の問題も間違えます。
小問ごとの関連性が強いのです。

つまり、解いている時は正確に解き進めるべきでして、後戻りはNGです。(かなり時間とられます。)

 

③ 解く時は、まず『何の問題なのか』を明確化する。

試験が始まると、すぐに問題を1から読み始める人がかなり多いです。
でも、これをやるとミスが増えます。

工業簿記の回答プロセスは、次のとおりです。

1.問題を眺め、何の問題なのかを明確化する
2.回答パターンの図を思い出す
3.図に数字を当てはめていく
4.回答用紙を埋める

言葉ではよく分からないと思うので、実際に問題・図を使ってご説明します。

まず、こちらの問題をざっと眺めてください。(5秒程度で良いです。)

解く時は、まず『何の問題なのか』を明確化する。

さて、質問です。
この問題は、1.何の問題でしょうか?

こたえは、『個別原価計算の問題』です。

これは問題文をしっかり読まなくても、(眺めれば)分かりますよね。
なぜなら、問題文注に『#101』とか『#102』といった、個別原価計算特有の表現が出てくるからです。

特徴的な記号なので、すぐに分かりますよね。

さて、次に2.回答パターンの図についてです。
これは図を先にお見せします。

回答パターンの図

実際に個別原価計算の問題を解く際は、上記の図を思い出すようにしましょう!!!
(超重要なので大文字にしました。)

これが出来ない人が、たぶん9割以上です。
出来なくてもゴリ押しで合格できますが、受験回数は多くなるかと。

 

工業簿記を苦手とされる人によくあるのが、『どうやって解き始めたら良いのか、とっかかりが分からない』というケースです。

上記の完成図を覚えていないと、こうなります。
とっかかりが分からないため時間を浪費し、不安なまま進めるのでミスも増えます。

そして、3.図を埋めていきます。
この作業は、図が浮かんでいれば簡単に進めることができます。

最後に、埋めた図をもとに回答欄を埋めます。

簡単な問題であれば完成図がそのまま回答欄になっていますが、回答欄がヒントになってしまうため、通常は異なる形式での回答が要求されます。

 

今回は個別原価計算ですが、これは総合原価計算、直接原価計算等でも同じです。

必ず基本となる図を暗記しておき、これを思い出す、という訓練をしておきましょう。

余談ですが、公認会計士試験でもこれは同じです。範囲は簿記2級の10倍以上なので、10倍以上の図を暗記しました。

 

簿記2級工業簿記の勉強のコツまとめ

まとめます。

1.ゴールとなる図を論点ごとに暗記する。
2.時間配分は、工業簿記に40分。
3.解く時は、まず『何の問題なのか』を明確化する。
4.次に、ゴールとなる図を思い出す。
5.図を思い出したら、それを埋める。
6.埋めた図を、回答欄の形式に合わせて回答。

これは、一朝一夕では身に着きません。
特に『図を思い出す』という工程は、かなり苦痛を伴います。

でも、1度この苦痛を経験すると、その後は結構ラクです。

工業簿記が苦手な人は、一度で良いので試してください。
苦手だった工業簿記が、一瞬で解けますよ。

また、もっと早く合格したい人は、予備校という選択肢も考えると良いですね。
>>クレアールなら、無料で資料請求が可能です。

パンフレットを見るだけでもモチベーションが上がりますので、気分転換に眺めてみると良いですよ。

「良い発見」もあるかもしれませんからね。