こんにちは、公認会計士のロディです。

「ボキって何…?」という状態から、独学3ヶ月で 簿記2級 を取得できました。

ひょんな事から簿記2級を取り、その約3年後には 公認会計士になれました。 人生って何が起こるか分からない…。

さて、ハッキリ言えるのですが、簿記2級は誰でも独学で合格できます。

スクールなんか通う必要ありません。断言します。

だって偏差値40の大学に通っていた私が、独学で合格できたのですから。

ただし! 独学3ヶ月で合格するには、「戦略的な勉強法」が必要です。

なぜなら、簿記2級は3級に比べて、難易度が高く挫折しやすいからです。

そこで本記事では、私が実践していた「戦略的な勉強法」を公開します。

一部、公認会計士の受験時代にも使っていたテクニックをご紹介しましたので、知っていると得ですよ。

この勉強法は、誰でもマネできます。

高いスクールにお金なんか払う必要はありません。 お金と時間を節約し、手っ取り早く合格しましょう。

 

 本記事の想定読者

  • 簿記2級を独学で目指したい方
  • 簿記3級を持っていないけど、2級から挑戦したい方

※ 本記事は長文です。(文字数:約10,000文字) ぜひ休み休み読んでくださいね。

 

簿記2級の難易度はどのくらい?

そもそも、簿記2級の難易度はどの程度かご存知でしょうか。

簿記2級の合格率から知る「難易度」分析【公認会計士が検証】

 簿記2級の合格率推移

合格率
第143回(2016.6.12)25.80%
第144回(2016.11.20)13.40%
第145回(2017.2.26)25.00%
第146回(2017.6.11)47.50%
第147回(2017.11.19)21.20%
第148回(2018.2.25)29.60%
第149回(2018.6.10)15.60%
第150回(2018.11.18)14.70%
第151回(2019.2.24)12.70%
第152回(2019.6.9)25.40%

簿記2級の合格率は、平均23%です。

おおよそ4人に1人が合格する割合ですね。

簿記3級の合格率は平均46%でしたので、簿記3級に比べて難易度が2倍になると言えるでしょう。

そのため、簿記3級を簡単に合格できた方でも、簿記2級になると「急に難易度が上がった」と感じる方が多いです。

簿記3級と同じ感覚で2級の勉強を始めてしまうと、「難しい…」と感じ、挫折してしまう可能性が出てきます。

簿記2級を始める前に、少しだけ心構えをしておくと良いでしょう。

 簿記2級と簿記3級の難易度まとめ

  • 簿記3級:2人に1人は合格する
  • 簿記2級:4人に1人が合格する(難易度は2倍)

「難易度が高いからこそ、就職や実務で評価される」とも言えますね。

 

簿記2級に独学合格するための勉強時間は?

簿記2級に独学合格するためには、250時間の勉強時間が必要になります。

簿記2級の勉強時間は、何時間必要?【合格までの計測結果を公開】

もちろん個人差はありますが、平均250時間です。(僕も独学で簿記2級に合格した際、約250時間かかりました。)

一方で、簿記3級に合格するための勉強時間は平均100時間必要でしたよね。

つまり簿記2級の勉強時間は、簿記3級の2倍~3倍必要になります。

また、合格するための勉強時間を「1日あたり」で表示すると、次のようになります。

 簿記2級の1日あたり勉強時間

  • 6ヶ月で合格を目指す場合:1時間30分(1日)
  • 3ヶ月で合格を目指す場合:2時間45分(1日)
  • 1ヶ月で合格を目指す場合:8時間15分(1日)

1ヶ月で合格を目指すのは、相当厳しいと言えます。

3ヶ月~6ヶ月で合格を目指すのが、一般的な勉強スケジュールです。

なお予備校を利用すると、更に勉強時間を削減することができます。

 

簿記2級に独学合格するための勉強方法

本記事のメインです。

簿記2級に独学で合格するための勉強法を、詳細解説します。

※ここから 非常に長くなります。できれば少しずつ、休み休み読んでいただくことをオススメします。

 

独学合格勉強法1 試験日から逆算したスケジューリング方法

予備校に通う場合、授業のカリキュラムを予備校が作ってくれるため、特に勉強スケジュールを考える必要はありません。

しかし独学の場合、試験日までの勉強スケジュールを、自分自身で作る必要があります。

スケジュールを組み立てる際は、まず勉強期間を2つに区分しましょう。

 勉強期間の区分け

  • 通常期
  • 直前期(追い込み)

通常期は、テキスト+問題集+過去問(余力があれば)。

直前期は、上記に加えて「予想問題集」を解きましょう。

 

※ 予想問題集については 後述します。

流れとしては、通常期に基礎的な学習を全て終わらせ、直前期に本番レベルの問題を解けるようにする、というイメージです。

また、直前期としては試験前2~3週間の期間を確保しましょう。

つまり、試験の2~3週間前までに、基礎的な学習(テキストベースの学習)を全て終わらせる必要があります。

また、通常期の勉強スケジュールは、次のように組み立てることをオススメします。

テキストのページ数合計 ÷ 通常期の日数 = 1日に進めるべきページ数

たとえば、現時点から本試験までの日数が、120日あったとします。

このうち20日を直前期に充てるとすると、通常期の日数は100日になります。

ここで、テキストのページ数が400ページの場合、1日あたりに進めるべきページ数は、

400ページ ÷ 100日 = 4ページ(1日)

となります。

つまり、1日あたり4ページを進めていけば、直前期までにテキストを全て網羅できる計算になります。

なお、このような厳密なスケジューリングは、独学受験生には特に重要になります。

なぜなら、独学受験生はモチベーションが低下しやすく、ゴールを見失いやすいからです。

このように1日ごとのノルマを知っておくと、サボりづらくなるため、自己管理もしやすくなりますよね。

スケジューリングをしないで勉強を進めた場合、終盤になっても勉強が終わらない可能性が出てしまう為、そのようなリスク回避にもなります。

非常に重要なところなので、スケジューリングは必須ですよ。

 

独学合格勉強法2 「予想問題集」は必須

予備校では、直前期に「答練」というものが実施されます。

答練とは、本試験レベルを想定した「予想模試」をいいます。

しかし独学受験生の場合、予備校の答練を受験することができません。

そこで「答練」に代替するものが、「予想問題集」になります。

 予想問題集を使うメリット

  • 実力を本番レベルまで引き上げる
  • 的中率が高く、効率的な学習ができる

「テキスト&問題集」と「本試験」とでは、わりとレベルに格差があります。

簿記3級をクリアした方であれば、なんとなく想像がつきますよね。

そこで、本番レベルの難易度である「予想問題集」を解く必要があります。

しかし、それよりも「的中率の高さ」が凄いのです。

テキストと普通の問題集だけ解いていても、合格点の70%にはギリギリ届きません。

予想問題集を解くことで、90%まで点数を持ち上げることが可能です。

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全3~4回分ついているので、大体7~8時間で全部解けます。

コストパフォーマンスが最強の教材です。

絶対に、繰り返し解いて完璧にすべきでしょう。

 

独学合格勉強法3 【具体的】科目別の勉強方法

ここでは、商業簿記・工業簿記の科目別に、それぞれ具体的な勉強法をご紹介します。

① 商業簿記

商業簿記は、簿記3級の試験科目でもありましたね。

簿記3級を突破した方であれば(ある程度の)勉強方法は分かっているかと思います。

簿記2級においても、「仕訳を書けるようになる事」が一番重要です。

なぜなら簿記2級の商業簿記の問題は、すべて(下書きも含めて)仕訳を書く必要があるためです。

理解する → 仕訳を書く というルーティンは王道です。

また商業簿記は、簿記2級全体の6割を占めます。

以下、大問ごとの攻略法も、簡単にご紹介しておきます。

 第1問(仕訳)

「仕訳が書ける事」は、絶対、一番重要です。なぜなら、全ての問題の基本が「仕訳」だからです。
第1問は毎年15~20分程度かかる問題が出題され、難易度は低~普です。毎年同様の形式で出題されるので、最も対策がかんたんです。(勉強法は上述のとおりです。)

 第2問(個別論点)

1つのテーマについて、深く問われます。ここでも重要なのは、「仕訳」が頭に浮かぶことです。一方で、年度によって難易度が大きく変動するのが、この第2問です。出題の「形式」が年度によって様々なので、多くの問題を解いて「対応力」を身につけるべきです。しかし、練習通りの問題が出題されないことも多くあります。そのため、最も重要なのは「見た事のない形式が出る可能性がある」と構えておく事です。見た事もない問題が出た場合、まずは後回しにしてとくべき。これは鉄則です。

 第3問(総合問題)

総合問題は、実は対策しやすい部分でして、コツさえ分かっていれば得点しやすい部分です。「総合問題が苦手」という方がわりと多いですが、そういう方は圧倒的に「アウトプット」が足りていません。総合問題の対策は、総合問題の「解き方」をパターンごとに覚えておく事です。

 

② 工業簿記

工業簿記は、簿記2級で初めて試験科目に加わる科目です。

商業簿記と異なり、工業簿記は「図を書くこと」が非常に重要になります。

仕訳はほぼ必要ありません。(仕訳の考え方は必要ですが。)

問題を読み → 図を書き → 回答欄を埋める というルーティンが必要になります。

工業簿記の勉強法は、次の記事で詳細解説しています。
>>関連記事:簿記2級の工業簿記は、コツを知ると満点が取れる【公認会計士が解説】

ここでは、本試験の攻略法を少しだけご紹介しておきます。

 第4問、第5問(工業簿記)

工業簿記は簿記2級から追加された科目なので、なんとなく苦手意識をもっている方も多いです。工業簿記の勉強法は、「図を書けるようにする事」です。書くべき図のパターンを全て覚え、問題文の数字を「覚えた図」に当てはめていく事で、簡単に正解する事ができます。これを知らない受験生が非常に多く、(もったいないことに)工業簿記が苦手だと思ってしまうのです。

 

独学合格勉強法4 モチベーションを維持するための手法

勉強スケジュールを立て、毎日勉強をすることは重要ですが、そのためのモチベーション維持も重要です。

簿記2級は、簿記3級に比べて勉強期間が長くなるため、モチベーションが低下しやすいです。

どんなに最初やる気があっても、必ずバテる時が来ます。

そのため、日ごろからモチベーションが下がらないよう工夫しておく必要があります。

モチベーションの上げ方ついては、公認会計士受験生用の記事ですが、こちらで詳細解説しています。
>>関連記事:【公認会計士】受験勉強のモチベーションを上げる方法【ガチの人向け】

 

こんな勉強方法は失敗します。

独学で勉強をしていると、指導者がいないため、気付かぬうちに「間違った勉強法」をしている可能性が出てきます。

次のような勉強方法は間違った勉強法なので、注意してください。

 

独学NG勉強法1 ノートを作るのは(人によっては)非効率

簿記2級の範囲は3級に比べて広いため、覚えた知識を忘れないようにまとめノートを作る方が多いように感じます。

しかし このまとめノートは、多くの場合に意味を成しません。

というのも、多くの場合この「まとめノート」を読み直す機会は無いからです。

確かに「簿記」は理解の難しいポイントが出てきたりするのですが、そのようなケースでは、「分かりやすい図」が必ずテキストに記載されています。

わざわざ自分で「イメージ図」や「文章」を書くまでもなく、テキストに付箋や目印などを付けておけば事足りるはずです。

僕も簿記2級・簿記1級の受験生だった頃、幾度となく「まとめノート」を作りました。しかし、読み返した事はほとんどありませんでした…。

簿記2級試験は、ただでさえ勉強時間が3級からグンと増えます。

余計な時間はできる限り削減すべきです。

※ なお、「書いて覚える」という趣旨でノートを作るのはOKです。

 

独学NG勉強法2 複数種類のテキスト・問題集を使うのはNG

次に、「複数種類のテキスト」をテキストや問題集を使うのは、絶対に避けましょう。

よく、

  • テキストのこの部分の意味が分からないから、他のテキストも買って読もう…
  • この問題集だけでは不安だから、他の問題集も買って解こう…

なんて方がおられます。

しかし、これは非常に非効率です。

テキストによって表現に若干の違いがあり、混乱を招く可能性がありまし、1つの問題集で論点は網羅していますから、複数の問題集を使う必要もありません。

なお、下記でご紹介するテキスト・問題集であれば、合格まで継続して使えますし、それ以外のテキスト・問題集は不要です。

せっかく独学でお金を節約できるのですから、無駄な出費は避けましょう。

 

独学NG勉強法3 「土日にまとめて勉強」は基本NG

<画像①>

社会人の方に多い傾向にありますが、「土日にまとめて勉強」はできれば避けましょう。

すなわち、基本的には毎日勉強すべきです。

「エビングハウスの忘却曲線」というのを、ご存知でしょうか。

エビングハウスの忘却曲線とは、ドイツの心理学者へルマン・エビングハウス(Hermann Ebbinghaus)が、記憶が時間経過と共に忘れられていく過程を計測して、忘却曲線という形で表したものです。

ドイツの心理学者:エビングハウス博士の実験によれば、人は1日で7割の物事を忘れてしまうことが立証されています。

仮に土日だけ勉強していた場合、次の土日になると9割の知識を忘れてしまう、というわけです。

簿記3級をクリアした方なら実感されていると思いますが、「簿記」って少し時間が経過すると、すぐに記憶が飛んでしまいますよね。

そこで、忘却曲線を意識した復習が重要になります。

「どんなタイミングで復習すれば良いか分からない」という方には、次の復習ペースを提案します。

 オススメの復習ペース

  • 1回目:翌日
  • 2回目:3日後
  • 3回目:1週間後
  • 4回目:1ヶ月後

人によって忘却のタイミングは異なりますが、おおよそ上記のタイミングで復習されることで、効率的な復習ができます。

僕自身も簿記受験生・公認会計士受験生時代に、上記のタイミングを常に守った復習を徹底していました。

上記は「復習」のタイミングの話ですので、当然これとは別に「新たな論点の学習」も必要になります。

つまり、新たな論点の学習と復習を繰り返す必要があり、基本的に毎日勉強することが望ましいです。

初めは「毎日勉強する」という習慣がないため、ストレスを感じる方も多いでしょう。

しかし、(目安としては)3週間継続することで、ストレスがなくなり習慣化されます。

予備校を使うことでインプットの時間は削減できますが、いずれにしても毎日勉強というルールだけは、絶対に守るべきです。

 

独学NG勉強法4 一定期間、同じ科目だけを勉強するのはNG

こんな勉強スタイルは危険なので、辞めましょう。

  • 1ヶ月目:商業簿記を勉強する
  • 2ヶ月目:工業簿記を勉強する
  • 3ヶ月目:過去問/予想問題をやる

 

このような勉強方法は、非常に非効率です。

理由は、(上記の例では)3ヶ月目になると商業簿記の知識を忘れてしまうからです。

忘却曲線のところでも触れたとおり、少し復習しなくなると、人はどんどん記憶を忘却してしまいます。

科目ごとに一気に勉強を進めたい気持ちも分かりますが、別の科目の学習期間においても、もう一方の科目の復習はしておくべきです。

せっかく学習した知識を忘れてしまうのは、非常にもったいない事ですからね。

 

簿記2級の独学用テキスト&問題集

簿記2級のテキスト・問題集は、少し大きめの書店に行くと5種類~7種類ほど置いています。

これから簿記2級を勉強しようという方にとって、どのテキストが良いのか、判断が難しいと思います。

独学用のテキスト・問題集を選ぶ際は、次の点に注意しましょう。

 独学教材を選ぶ際の注意点

  • 易しすぎる教材はNG
  • 難しすぎる教材はNG
  • テキスト・問題集は同種類で揃える

内容が平易すぎると合格レベルに達しません。

また、「予備校の授業で使う目的」で作られた教材は、難しすぎるため独学に不向きです。

ちょうど良いボリュームで、色付きで解説が分かりやすいものを選ぶと良いでしょう。

また基本的な話ですが、テキスト・問題集は同じ種類のもので揃えましょう。

なお、僕が一番オススメできる教材はこちらです。

全論点を概ねカバーできており、テキストの説明も非常に分かりやすいため、オススメです。

テキスト&問題集がセットになっており、商業簿記+工業簿記を合わせて3,000円と超リーズナブル。

特にこだわりがない方は、こちらだけを使っておけば十分です。

 

一方で、(個人的に)あまりオススメできないテキストはこちらです。

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細かな論点も全てカバーしている点で安心感はあるのですが、表現が会計基準のままであったりと、少し独学には不向きです。(理解力の高い方には、良いのかもしれませんね。)

その他、簿記2級の独学テキストについては、次の記事で比較紹介しています。

簿記2級の合格に必要なテキスト・問題集はコレ!【会計士が解説】

 

【裏ワザ】必要に応じて、市販のDVDを使う

独学で勉強を進めていると、どうしても「理解できない論点」が出てくる可能性があります。

簿記2級は範囲が広いため、理解の伴う暗記が必要です。

理解ができないと中々勉強が進まず、点数が伸びなくなってしまいます。

そんな時は、市販のDVD教材を使うという最終手段があります。

具体的には、次のDVD教材が市販されています。

上記でご紹介したテキストと連携したDVDなので、上記のテキストを使われる方にはオススメです。

最初から買う必要はありませんが、予備校を利用するよりも安上がりなので、行き詰ってしまった時の最終手段として使うと良いでしょう。

 

【実践】公認会計士はなぜ、簿記2級を半分の時間で解けるのか?

最後に、僕たち公認会計士がとのように解いているのかをご紹介します。

僕も含めて、公認会計士であれば簿記2級・簿記1級の問題を半分の時間で解くことができます。

このレベルに到達しなくても合格はできますが、もしその先(簿記1級・税理士・公認会計士など)を見据えている方は、知っておくと良いかもしれませんね。

なお、難易度はグッと上がります。

 

 僕が実際に問題を解く時の、頭の中の流れ

  • 問題を見る(1~2秒)
  • 何に関する問題なのか判断する(2~3秒)
  • 問われている内容について、知っている知識をすべて思い出す(2~3秒)
  • 問題を読む(15秒~20秒)
  • 仕訳を書く(20秒~30秒)

この5段階のステップで進みます。

 

簿記2級を最速で解く1 問題を見る

まず初めに、問題を見ます。

読むのではなく、あくまで『見る』『眺める』という表現が正しいです。

ここでのポイントは、キーワードとなる単語を見つけ出すことです。

 

さて、次の問題をご覧ください。

 例題

福岡株式会社は、新株600株(1株の払込金額¥30,000)を発行し、払込期日までに申込証拠金の全額が払い込まれ、別段預金に預け入れていたが、本日が払込期日となるため、別段預金を当座預金に預け替えた。なお、資本金には会社法規定の最低限を組み入れることとする。

 

どうでしょうか、1~2秒でキーワードを見つけられましたか?

 

見つけるべきキーワードは、『申込証拠金』または『会社法規定の最低限』というワードです。
このキーワードが、次のステップで活きます。

『何がキーワードなのか分からない』という人は、演習不足です。問題演習を繰り返すことで、何がキーワードなのか分かるようになります。

 

簿記2級を最速で解く2 何に関する問題なのか判断する

さて、ステップ1で見つけたキーワードから、何に関する問題なのかを判断しましょう。

2~3秒で判断できましたか?

答えです。

『申込証拠金』や『会社法規定の最低限』というキーワードは、資本金の払い込みに関する論点で出てきます。

教材によっては、『純資産』とかそんな感じの章で解説されているでしょうね。

すぐに思い浮かばない人は、テキストをあまり読んでいない証拠。
問題を解いた後に、テキストを読むクセをつけましょう。

 

ここまでで、キーワードを見つけ出し → 何が問われているのかが分かりました。

次のステップです。

 

簿記2級を最速で解く3 知っている知識をすべて思い出す

ここが一番重要です。
そして一番難易度が高いです。

もう一度、さきほどの例題を確認しますね。

 

 例題

福岡株式会社は、新株600株(1株の払込金額¥30,000)を発行し、払込期日までに申込証拠金の全額が払い込まれ、別段預金に預け入れていたが、本日が払込期日となるため、別段預金を当座預金に預け替えた。なお、資本金には会社法規定の最低限を組み入れることとする。

 

キーワードを見つけ、関連する論点が判別できているので、あとはその論点の知識を思い出すだけです。

もっと具体的に言うと、仕訳そのものを思い浮かべましょう。

ものすっっっっごく重要なので、もう一度言います。

仕訳そのものを思い浮かべましょう。

 

ただし、まだ問題をきちんと読んでいないので、いくつかの仕訳が思い浮かびます。

『申込証拠金』というキーワードを選んでいた場合、

預金 xxx / 新株申込証拠金 xxx

こんな仕訳が浮かびます。

『会社法規定の最低限』というキーワードを選んでいた場合、

預金 xxx / 資本金 xxx
/ 資本準備金 xxx

こんな仕訳が浮かびます。

今回は易しい問題なので浮かぶ仕訳も1つずつですが、難しい問題の場合は2~3個浮かぶこともあります。

仕訳をすぐに思い浮かべるのは、訓練しないと出来ません。
仕訳の『型』を記憶し、解く時に『思い出す』。

これを繰り返すことで、瞬時に仕訳を思い浮かべることができるようになります。

 

このステップは超重要です。

というのも、『簿記』って『知っているか知らないか』の世界なので。

瞬時に仕訳が浮かばないなら、『知らない』ってことです。
そして『知らない』ってことは、『ほぼ解けない』ってことです。

『知らない問題をなくすのが簿記の学習法である』と言っても過言ではないです。

 

簿記2級を最速で解く4 問題を読む

さて、ここで初めて一番最初から問題文を読みます。

ステップ1ではただ問題文を眺めただけなので、細部の文章をきちんと読む必要があるからです。

読むスピードは人それぞれだと思いますが、第1問の仕訳問題レベルであれば、会計士は10~15秒で必ず読み終わります。(上記の問題なら7~8秒で読み終わります。)

 

簿記2級を最速で解く5 仕訳を書く

読み終わったら、あとは仕訳を書くだけ。

ちなみに答えは、

新株申込証拠金 18,000,000 / 資本金 9,000,000
/ 資本準備金 9,000,000
当座預金 18,000,000 / 別段預金 18,000,000

となります。

ステップ3で思い浮かべた仕訳の型と似てますね。
同じではないにしろ、基本の型を思い浮かべてあるので、答えの仕訳もすぐ書けます。

 

簿記2級の独学合格は可能

以上、簿記2級に独学で合格する勉強方法でした。

簿記3級に比べて難易度は上がりますが、上述の勉強方法を実践することで、短期合格が可能です。

くどいですが、一番重要なのは「毎日勉強すること」です。

毎日の継続は大変ですが、だからこそ難易度が高く、挫折する受験生が多いのです。

簿記2級はコストパフォーマンスの高い資格ですから、「正しい勉強法」で一発合格を目指しましょう!

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