こんにちは、公認会計士のロディです。
簿記2級を独学で取得し、その後公認会計士になりました。
今回は、簿記2級の内容についてご紹介です。
想定読者
- これから簿記2級を勉強しようか、検討中の方
- 簿記2級について、情報収集中の方
簿記2級は、簿記3級よりも難易度がグッと上がるので、内容を知った上でチャレンジするのが効率的ですね。
[ 目次 ]
1.簿記2級とは
2.簿記2級の内容
① 簿記3級との違い
② 簿記1級の範囲の一部が、簿記2級に下りてくる?
3.簿記2級の試験日
4.簿記2級の合格率と難易度
5.簿記2級の合格に必要な勉強時間
6.簿記2級は独学可能? 勉強方法を紹介
簿記2級とは
簿記2級(日商簿記検定2級)とは、日本商工会議所の主催する「簿記検定」の2級試験をいいます。
簿記3級が「初歩的なレベルの簿記」であったのに対して、簿記2級は「就職・転職に有利なレベルの簿記」を学ぶことになります。
そのため、簿記2級は非常にコストパフォーマンスの高い資格として有名です。
また、上位資格である「簿記1級」「公認会計士」「税理士」などの資格も視野に入るレベルであり、将来性の高い資格であるとも言えますね。
僕自身も簿記2級を取得し、公認会計士になりました。
簿記2級の内容
簿記2級試験の科目構成は、次のとおりです。
簿記2級の科目構成
- 商業簿記
- 工業簿記
新たに工業簿記という科目が加わります。
簿記2級の試験要綱は、次のとおりです。
試験科目 | 試験時間 | 合格基準 |
---|---|---|
商業簿記 工業簿記 | 120分 | 70%以上 |
100点満点中、70点取れば合格です。
ただし、100点の内訳は次のようになります。
- 商業簿記 60点
- 工業簿記 40点
また、いわゆる「足切り」と呼ばれる制度は、ありません。
色々と戦略の立て方がありそうですね。
簿記3級との違い
簿記2級と簿記3級では、「範囲」が異なります。
以下はイメージ図です。

このような感じで、簿記3級で必要となる知識のほとんど(95%)が、簿記2級においても必要とされます。
たまに、簿記3級をショートカットして簿記2級からチャレンジされる方もいますが、いずれにせよ簿記3級の範囲も学習することになります。
新たに増える学習内容としては、大きく2つあります。
簿記2級で増える学習内容
- 商業簿記における新たな論点(連結会計など)
- 工業簿記という科目
「商業簿記」は、簿記3級から引き続き含まれる試験科目です。
追加される内容は多くありますが、最も大きいのが「連結会計」です。
連結会計に関する知識は、主に上場企業で必要とされますので、上場企業や大企業の経理としてスキルアップが望めます。
また、「工業簿記」は簿記2級から新たに追加される科目です。
工業簿記とは、主に工場での会計スキルをいいます。
こちらも商業簿記とは性質が異なり、「仕訳を書く」という解法よりも、「図を書く」という解法が必要になります。
やや面食らう受験生も多いようですが、難易度は低いです。
簿記1級の範囲の一部が、簿記2級に下りてくる?
過去からの傾向として、たびたび簿記1級の試験範囲の一部が、簿記2級に下りてくる(含まれる)ことがあります。
すなわち、簿記2級の範囲が広くなることを意味します。
これは、簿記の基礎となる「会計基準」が改訂され、覚えるべき知識が増えるためです。
そのため、取得が遅れると、勉強すべき内容も増加してしまいます。
できるだけ早い段階で簿記2級に合格しておくことが効率的といえるでしょう。
簿記2級の試験日
簿記2級試験は、年に3回実施されます。
簿記2級の試験日スケジュール
- 2月:4周目の日曜日
- 6月:2週目の日曜日
- 11月:3週目の日曜日
いずれも同日に簿記3級試験も実施されることから、簿記2級と併願して受験することが可能です。(午前中に簿記3級、午後に簿記2級というスケジュールです。)
詳しい簿記2級試験スケジュールは、次の記事で詳細に説明されています。
>>関連記事:簿記検定の試験日(日程)はいつ?【2020年度(令和2年度)版】
申し込みは、試験の1ヶ月前までであれば間に合います。
できるだけ早めに申し込んでおきましょう。
>>商工会議所HP
簿記2級の合格率と難易度
簿記3級の合格率は、平均して46%程度(2人に1人が受かるくらい)の割合でしたね。
一方で、簿記2級の合格率は約23%程度(4人に1人が受かるくらい)の割合であり、難易度は2倍になります。
>>関連記事:簿記2級の合格率から知る「難易度」分析【公認会計士が検証】
そのため、簿記2級では本腰を入れた勉強が必要になるでしょう。
具体的な難易度が気になる場合は、次のテキストを立ち読みしてみると良いでしょう。
Amazonのページから、無料で中身を読むことができます。
(Amazonページに飛び、画像の右上に「試し読み」マークがある書籍は、中身を読めてしまうのです。)

簿記3級に合格されている方でも、意外と難しいと感じるかと思います。
簿記2級の合格に必要な勉強時間
簿記2級の合格に必要な勉強時間は、平均250時間です。
>>関連記事:簿記2級の勉強時間は、何時間必要?【合格までの計測結果を公開】
簿記3級の勉強時間は平均100時間程度ですので、約2~3倍の勉強時間が必要ということになりますね。
1日に勉強すべき時間が増えるため、モチベーションも低下しやすくなります。
スキマ時間を利用する勉強スタイルから、「きちんと勉強時間を確保する」というスタイルへの移行が必要になるでしょう。
また、合格までの勉強期間としては、3ヶ月間勉強される方が多いようです。
おおまかな勉強のスケジュール感
3ヶ月間の勉強を前提として、オススメの勉強スケジュールは次のとおりです。
オススメ勉強スケジュール
- 1~2週目:商業簿記
- 3~4週目:工業簿記
- 5~6週目:商業簿記
- 7~8週目:工業簿記
- ラスト1ヶ月:総復習+予想問題集
2週間ごとに勉強科目を変えるのがオススメです。
こまめに勉強科目を変えることで、知識の忘却を防ぐことができます。
簿記2級は難易度が高く勉強時間もかかるため、このような工夫が重要になります。
なお、上述の勉強時間は独学の場合です。
予備校を利用する場合は、50~100時間ほど削減できるようです。
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簿記2級は独学可能? 勉強方法を紹介
簿記2級は、独学が可能な試験です。(僕自身が独学で合格していますので。)
僕のケースでは、
- 勉強期間:3ヶ月間
- 総勉強時間:247時間
で合格することができました。
当時はまだ学生でしたので、1日2時間半~3時間を勉強に費やすことができました。
ただし、合格してみて実感したのですが、わりと「戦略」は必要でした。
簿記3級までは闇雲な学習でも大丈夫だと思いますが、簿記2級は難易度が上がるため、戦略が重要です。
特に、社会人の方や時間のない方は、短時間で合格したいですよね。
効率的に合格したい方向けに、公認会計士流の独学勉強法をご紹介しておきます。
>>関連記事:簿記2級を独学で取得する「勉強方法」とは?【公認会計士が解説】
コストパフォーマンスの高い「簿記2級」だからこそ、さっさと一発で取得したいですよね。
勉強方法を予め知っておくことで、最短合格しましょう。