こんにちは、公認会計士のロディです。
簿記検定に合格してから 3年後に公認会計士になり、今は会計事務所を運営しています。
本記事では、そんな疑問にお答えします。
監査法人で簿記の研修講師をしておりましたので、その経験から「オススメのテキスト」をご紹介します。
簿記3級は難易度の高くない試験ですので、サクッと一発合格しましょう。
想定読者
- 簿記3級を独学で取得する方
- 専門家がオススメするテキストを知りたい方
「テキストの選び方」からお話しますが、手っ取り早くオススメが知りたいという方は、途中まで読み飛ばしてくださいね。
[ 目次 ]
1.簿記3級のテキストを選ぶ際のポイント
2.簿記3級のおすすめテキスト+問題集
① スッキリわかる日商簿記3級
② みんなが欲しかった簿記の教科書
③ 合格テキスト簿記3級
3.簿記3級のおすすめ過去問
4.簿記3級のおすすめ予想問題集
5.簿記3級に「短期合格」するための勉強法
① スケジュール管理方法
② 仕訳を暗記
③ 問題集を使うタイミング
6.形から入ると、モチベーションが続く
簿記3級のテキストを選ぶ際のポイント
簿記3級のテキスト選びって、意外と難しいですよね。
そもそも「簿記」に触れること自体初めてという方がほとんどですから、「良いテキスト」を判別するための事前知識がないのです。
そこで、簿記3級のテキストの選び方をご紹介します。
簿記3級テキストの選び方ポイント3つ
- 第一印象で「見やすい」と感じる。
- 売れ行きの良いテキストを選ぶ。
- 内容が難しすぎず、かといって簡単すぎない。
テキストの「見やすさ」は非常に重要です。「色使い」や「イラスト・図による解説」は、頭に知識がスッと入ってくるため、インプットの時間が削減できます。
また、売れ行きの良いテキストを使うべきです。売れているということは、多くの人に使用されているということですから、一般的に「分かりやすい」と判断されているテキストになります。
そして最後に、「内容が難しすぎず、簡単すぎないテキスト」を選びましょう。簡単すぎると合格できませんし、難しすぎるとインプットに時間がかかりすぎます。
この点は公認会計士の僕がオススメをご紹介するので、参考にしてもらえば問題ありません。
また大前提として、必ず買ったテキストを最後まで一貫して使い続けましょう。
テキストを途中で(なんとなく分かりにくい、などの理由で)買い足してしまうと、参考文献が増えてしまい、勉強をしている時に混乱するケースが多いです。
そのためにも、きちんと良いテキストを購入しておきましょう。
なお、本記事では良いテキストのみをご紹介しています。
必要な教材は?
簿記3級に独学合格を目指す場合、必要な教材は次のとおりです。
合格に必要な教材は全4種
- テキスト
- 問題集
- 予想問題集
- 過去問
テキスト+問題集は、セットで必須です。
テキストを読む→その後すぐに問題集を解くというルーティンは、マストです。テキストで頭に入れた知識を、すぐに問題集で確認することで、記憶がカチっと定着します。
逆に、これができないと合格が遠のいてしまいます。
あわせて、予想問題集も短期合格したい方には必須です。
予想問題集というのは、大手予備校の講師が予想した本番形式の問題でして、レベルも過去問と同レベル(またはやや難しめ)に作られています。
本番の的中率が(体感で)5~7割程度と非常に高く、これを解いているかいないかの差は大きいです。
意外とこの教材の存在が知られておらず、損をしている受験生が多いな…と感じます。そのくらいオススメです。
過去問は念のため買っておくと良いかな、程度のレベルです。
というのも、簿記3級レベルの試験では俗にいう「過去問研究」をする必要はなく、また予想問題集に必要なエッセンスは全て入っているのです。
時間に余裕のある方や、どうしても不安な方は、過去問を入手しておくと良いと思います。
簿記3級のおすすめテキスト+問題集
テキストと問題集は、必ずセットで揃えましょう。
スッキリわかる日商簿記3級
オススメ度 ★★★★★
良い点
- シンプルかつ色味がよく、視覚的に覚えやすい。
- 図が多く、解説も非常に分かりやすい。
- 小さいため、持ち歩きに便利。
- 確認テストに、無料Web講義が付いている。
- 安い。(¥1,100)
悪い点
- 重要性の低い論点は省略されている。
僕が今から簿記3級の勉強をスタートするなら、このテキストを使います。一押しです。
中身はこんな感じです。

キャラクターのイラストが「やや子供っぽい」と感じる方もいるかもしれませんが、解説は本当に分かりやすいです。
テキストと問題集が1つになってこの値段は、相当安いと思います。
そしてさらに、確認テストのweb講義が無料で閲覧できます。
こちらがその無料講義(例)です。
お得ですね。
なお、同じシリーズで簿記2級verもありますが、こちらも非常に優秀な教材です。
>>関連記事:簿記2級の合格に必要なテキスト・問題集を教えるよ【会計士が解説】
将来的に簿記2級も見据えている方は、スッキリシリーズで揃えておくと良いですよ。
みんなが欲しかった簿記の教科書 簿記3級
オススメ度 ★★★★☆
良い点
- 試験の全範囲を網羅している。
- カラフルで非常に見やすく、読みやすい。
悪い点
- 2分冊になるため、少しだけかさばる。
こちらは、やる気の高い方向けです。
全範囲を網羅しており、表現もやや難しい部分がありますが、「これを完璧にすれば満点が取れる」という安心感があります。
中身はこんな感じです。

スッキリシリーズよりも更に色味が多く、視覚的にも分かりやすいですね。
本試験に近い文言でテキストが構成されているため、その後「過去問」や「予想問題集」を解いた時、あまり難しさを感じないというメリットもあります。
ただし、スッキリシリーズに比べると難易度が高いため、序盤のモチベーションを下げる可能性があります。(そのため、やる気のある方向けです。)
合格テキスト・トレーニング 簿記3級
オススメ度 ★★★☆☆
良い点
- 全範囲をカバーしている。
- 本試験に近い文言で解説されている。
悪い点
- 重要性の低い論点もカバーしているため、難易度が高い。
- 解説がやや不親切。
こちらは、学力に自信のある方向けのテキストです。
内容は非常に詳細で、出題頻度の低い論点も含めて、すべて詳細に解説しています。
こちらを完成させれば間違いなく合格できると思いますが、解説が難解なので、「誰でも理解できる」とは言えません。
中身はこんな感じです。

色味が少なく、文字の分量が多いため、モチベーション低下の原因になり得ますね。
学力の高い方や、モチベーションの高い方には良書ですが、万人にオススメできるテキストではありません。
簿記3級のおすすめ過去問
簿記3級の過去問は、次の2択です。
過去問は、「解説の分かりやすさ」で差があります。
分かりやすいのは圧倒的に「スッキリ」の方ですが、収録回数は「合格シリーズ」の方が多いですね。
僕ならスッキリシリーズを使いますが、合格シリーズのテキストを使用される方は、過去問も合格シリーズで揃えた方が良いかと思います。(解説がテキストと連動していますので。)
簿記3級のおすすめ予想問題集
最後に、簿記3級の「予想問題集」をご紹介します。
こちらは毎回本試験の1ヶ月~1ヶ月半前くらいになると、各予備校から出版されます。
こちらも2択です。
本番での的中率が非常に高いため、短期合格のためにはマストの教材です。
どちらも全4回分収録されており、無料解説動画付きです。
「仕訳カード」というのが付いており、これが非常に重宝するためです。
電車での通勤・通学中に勉強することができ、スキマ時間を効率的に使うことができました。
簿記3級に「短期合格」するための勉強法(コツ)
以上、簿記3級に合格するためのテキスト・問題集でした。
ここからは、短期合格のための勉強法をご紹介します。
特に、勉強からしばらく離れていた人や、時間があまりない人向けです。
ポイントは3つあります。
①スケジュール管理は一番重要
一番重要なのは、スケジュール管理です。
簿記3級の試験は、誰でも勉強すれば受かる試験でして、難易度は低いです。
しかし合格率は平均46%でして、2人に1人以上が落ちます。
難易度が低いため、なんとなく勉強をスタートしてしまう人が多く、そんな人たちが途中で挫折していきます。
そうならないためにも、スケジュール管理は最も重要といえます。
僕が一番オススメするスケジュール管理方法は、「ページ数」で管理する方法です。
たとえば、試験まで残り100日だったとします。
テキストのページ数が全部で400ページとすると、1日あたり4ページ進めれば、試験までに全ページを終わらせることができます。(もちろん、実際にはもう少し早めに終わらせるべきですが、ここでは説明をシンプルにしています。)
このように、1日にどのくらい勉強すれば良いかを明確にすることが大切です。
1ヶ月後・3ヶ月後など、目標が遠すぎる場合には、1日のノルマを明確にしてください。
②仕訳を暗記する
簿記3級で点を取るコツは?と聞かれたら、迷わず「仕訳を全て暗記してください」と答えます。
(ちなみに、簿記2級、簿記1級、そして公認会計士試験でも同様ですよ。)
文章を読んで仕訳が浮かべばOKです。
ここでポイントなのは、100%理解していなくても良いということです。
重要なのは「理解」ではなく、「暗記」です。
やや誤解もされてしまいそうなので補足しておくと、「理解」が不要というわけではありません。「理解」は「暗記」をサポートするので、ある程度の理解は必要です。しかし、100%理解することに時間を割いてしまうと、本番の点数に直結しない勉強をしてしまうことになり、効率が下がります。
外人が文法を理解せずに英語を話せるのと同じように、別に100%理解しなくとも簿記3級は合格できます。
文章を読んだらすぐに仕訳が浮かぶようになる、という形がゴールです。
③テキストを読んだら、その後必ず問題を解く
「覚えろ」と言われても、「どう覚えれば良いの?」という質問もありそうですね。
簿記の記憶法としてオススメなのが、テキストを読む→問題を解くというルーティンです。
時間の無い方に多いのですが、「テキストを読む」だけで満足してしまい、その日のうちに問題を解かない方が多いです。
テキストを読んだ後に寝て1日経過してしまうと、記憶が薄れてしまい、問題を解けなくなります。
問題を解くためにまたテキストを読み直すというムダな時間が生じるため、これでは合格が遠のきます。
時間がない方は、テキストを少し読んだらすぐに問題集を解き、少しずつ前進する方が効率的です。
その他、勉強法の詳細は次の記事でご紹介しています。
今の時点で理解するのは難しいかもしれないので、少し勉強が進んだら読み返していただければと思います。
形から入ると、モチベーションが続く
僕が初めて「よし、公認会計士を目指そう!」と決めた時、まず質の高い電卓を購入しました。
勉強効率が上がるのはもちろんですが、何よりも「投資した事実」によりモチベーションがグッと上がるからです。
モチベーションを下げずにゴールまで突っ走りたい方や、簿記3級の次のステップとして2級1級、会計士・税理士を目指している方は、自己投資の効果が長期的に得らえますよ。