公認会計士のキャリアパスを見せます。【転職前にリスクを知るべき】

こんにちは、公認会計士のロディです。

2013年に公認会計士試験に合格し、監査法人・コンサルを経て2019年に独立しました。

今回は、公認会計士のキャリアパスをご説明します。
本記事を読むことで、『将来どのようなキャリアを歩めるか』が分かります。

なお、いま監査法人で働いている会計士の人限定です。

 想定読者

  • 転職を見越している、監査法人在籍中の公認会計士
  • 今後のキャリア形成にあたり、失敗したくない人

 

公認会計士のキャリアパスを見せます。【転職前にリスクを知るべき】

公認会計士のキャリアパスは、2つの軸から成ります。

  • 『やりがい』を重視するか、『安定』を重視するか
  • 『チームプレー』を好むか、『個人プレー』を好むか

上図は、2つの軸に基づくキャリアを可視化したものです。

見てわかるとおり、『監査法人』が真ん中に位置しているので、割とどの業種でも手が届きます。

ちなみに、『収入』という軸は設定していません。安定しているからと言って『年収が低い』とは限りませんし、やりがいがあっても『年収が高い』とは限りませんからね。

 

また、今後のキャリアを考える上で、最初の取っ掛かりとしては『やりがい重視か安定重視か』という視点で考えることをオススメします。
こちらの軸の方がイメージがしやすく、自分がどちらを重視したいか分かりやすいからです。

よって、キャリアパスは大きく次のように分けられます。

 安定を望む場合

  • 事業会社(経理)

 やりがいを望む場合

  • コンサル
  • 会計事務所
  • ベンチャー
  • (独立)

以下、1つ1つ解説します。

 

事業会社からのキャリアパス

事業会社(経理)では、次のようなスキルが身に着きます。

  • 税務(消費税、源泉税、住民税、法人税、固定資産税など)
  • 予算編成・予算管理
  • 部門間の調整、コミュニケーション
  • 業種・企業特有の会計処理、実務慣行

かんたんに解説します。

 

 税務スキルの向上

第一に、税務のスキルが身に着きます。

事業会社は営利組織ですから、自社の利益を追求することが目的です。
たとえば、会計処理(申告)を勉強することで、自社の『節税』に成功するケースもあります。

経理部において収益を上げることはできませんが、費用を削減することで自社に貢献できるので、やりがいを持って税務を学習することができます。これは、監査法人では得られないスキル・経験ですね。

 

 予算編成・予算管理

事業会社の経理部では、『予算管理、予算編成』も主たる業務の1つになります。

  • 各部門が予算を達成できたか?
  • なぜ達成できなかったのか?
  • どのように改善する?
  • 新たな予算を編成する。

こんな感じで、差異分析→業務改善へ繋げる役割があります。

監査法人時代にも、分析的手続きとして部門別売上高・営業利益分析をしたと思いますが、ぶっちゃけ適当でしたよね。主目的が『リスク評価』なんで、適当で良いわけで。

事業会社ではこれが利益に直結するので、本気で取り組むことができます。
組織として力を入れるべき部分なので、ここでも営利組織特融のスキルが学べますね。

 

 部門間の調整、コミュニケーション

事業会社(経理)では、各部門で集計された情報を吸い上げる必要があります。
また、予算管理においても、差異の発生原因をヒアリングするなど、コミュニケーションの機会が多いでしょう。

監査法人では他部門との連携はほとんどありませんから、貴重な経験になるでしょう。

 

 その他スキルアップ

本記事ではかんたんな解説で終えますが、もっと細かい情報は、次の記事で公開しています。
>>関連記事:会計士が事業会社(経理)に転職すると、得られるメリット6選

 

事業会社以降のキャリアパス

監査法人では、『会計』『監査』『内部統制』の3つのスキルが得られます。
そして事業会社では、『税務』『予算編成・予算管理』といった、営利組織に求められるスキルが得られます。

事業会社に転職した場合、その後のキャリアとしては次のような選択肢があります。

  • 上場企業の経理部長を目指す
  • ベンチャーのCFOを目指す
  • コンサル、会計事務所に転職

『事業会社で勤め上げ、経理部長のポジションを狙う』というのが最も王道ルートですね。

また、事業会社では経理実務が学べるため、『ベンチャー企業CFOのポジションにつき、ストックオプションを狙う』というルートもかなり多いです。

一方、『やっぱりやりがいのある仕事がしたいな…』と感じた場合には、コンサル・会計事務所に転職するという選択肢もあります。
税務スキルを学べているので、コンサル・会計事務所からのニーズは高いです。

 

なお、年収は下がる傾向にあります。
転職エージェントを利用すると、年収を維持または上げることができるので、便利ですね。
>>関連記事:もう迷わない!会計士におすすめの転職エージェント5選【立証済み】

 

コンサル・会計事務所からのキャリアパス

コンサル・会計事務所では、次のようなスキルが身に着きます。

  • M&Aの会計処理・税務処理
  • M&Aの流れの理解、スキーム理解
  • 税務知識(法人、所得、消費、固定資産、その他多数)

 

コンサル・会計事務所は似た部分が多く、まとめて解説します。

コンサルや中堅会計事務所では、M&Aコンサルを行うことが多いです。(メインとなる場合も多い)

監査法人では『専門家の利用』として間接的に関与・理解する機会はあったと思いますが、コンサル・会計事務所では直接自分が実行することになります。

公認会計士に求められるM&Aのスキルは、ここで培うことができます。

また、監査法人時代に関与できなかった、より消費者に近い税務(消費税や所得税など)にも触れることができます。

数多くのクライアントにサービスを提供するため、非常に幅広いスキルを身に着けることができるのが魅力です。
>>関連記事:会計士がコンサルに転職する前に、少し考えた方が良いこと【実体験】

 

コンサル・会計事務所以降のキャリアパス

コンサル・会計事務所以降のキャリアパスは、次のとおりです。

  • 事業会社(メガベンチャーや、M&Aに特化した部門)
  • 事業会社(通常の経理)
  • 独立

 

コンサル・会計事務所に転職をすると、その後のキャリアが少しだけ狭まります。

『やりがい』は得られるものの、いつまでも働き続ける必要があり、安定からは離れる傾向にあるからです。

そのため、特に40代以降の公認会計士は『コンサル・会計事務所』よりも初めから『事業会社』を選ぶ人が多いです。(その方が、早く昇進できますからね。)

コンサル・会計事務所以降のキャリアパスとしては、『M&A』『税務』を活用したルートがメインになります。

認知度は低いですが、一部のメガベンチャーやM&Aを活発に行っている上場企業では、M&A専門の部署があったりします。
このような組織からは、『M&Aの経験がある公認会計士』は非常に重宝されます。

また、コンサル・会計事務所は監査法人に比べるとかなり規模が小さくなり、『会計士としてのお金の稼ぎ方』を身近に体験することができます。
そのため、『独立』の足掛かりとしても有用です。

筆者も『独立』のために『コンサル』を足掛かりとして選び、実際に独立してます。

 

ベンチャーからのキャリアパス

ベンチャー企業では、次のようなスキルが身に着きます。

  • 管理会計
  • 資金繰り
  • IR、上場準備

なお、メガベンチャーは除きます。

以下かんたんに解説します。

 

 管理会計

ベンチャーは、事業会社に比べて『経営に近いポジション』として関与することができます。

自ら各部門の予算管理資料を作成し、それに基づいた投資意思決定に関与できるため、非常にやりがいを感じることができます。

『独立』というキャリアを除くと、経営にここまで深く関与できるのは、ベンチャーだけでしょう。

 

 資金繰り

大企業では、『経理』と『財務』を分けていたりしますが、ベンチャーでは同じ部門で行うケースがほとんどです。

そのため、資金繰り面でも関与する事になります。

業務内容としては、『最適な金額・最適なタイミングでの資金調達を行う』『債権債務の受け払いタイミングの調整』などがメインです。

一歩間違えると倒産にも繋がるので、プレッシャーは非常に強いです。

管理会計との親和性も高く、『お金に関することは全て関与できる』と思っても良いでしょう。(営業を除く)

 

ベンチャー以降のキャリアパス

ベンチャー以降のキャリアパスは、次のとおりです。

  • ベンチャーCFO
  • 事業会社(経理部長)
  • コンサル
  • 独立

 

ベンチャーは、『事業会社』と『コンサル・会計事務所』への足掛かりとして、ステップアップが可能です。

コンサルのクライアントは『ベンチャー企業』であることが多いですから、そのベンチャーで働いていた経験は重宝されます。

また、経営に近いポジションでの経験は、上場企業の経理部長候補としてのキャリアも見えてきます。

監査法人からの転職先としては、最もキャリアの広がっている業種なので、個人的におすすめです。

 

独立というキャリアパス

最後に、ここまであまり触れなかった『独立』という選択について。

筆者自身も独立していますが、その決め手は、自分が『個人プレー向き』だと判断できたからです。(かなりシンプル)

僕の場合、『 監査法人(4年)→コンサル(1年)→独立 』というキャリアパスを歩みました。(会計士歴5年で独立)

最初に示した図だと、徐々に『個人プレー』に向かっていますよね。

『監査法人→コンサル』の時は、やりがいを重視して転職しました。
『コンサル→独立』の時は、個人プレーに向かうため独立しました。

ちなみに独立した感想としては、毎日最高に幸せです。
>>関連記事:公認会計士として独立した、僕の1日の働き方【フリーダム】

独立が向いていないと感じた場合、また再就職することになると思いますが、その場合はやや就職難易度が上がるため注意です。

採用企業としては、一度独立した人を雇うことは『またすぐ辞めるんじゃない?』という不安要素になるからです。

なので、独立を考える場合はそこだけ注意。それ以外にデメリットは無いです。

 

結局、企業によって条件は違う。

以上、公認会計士のキャリアパスでした。

最後に注意ですが、ここまでの情報はあくまで『傾向』に過ぎません。

結局、組織の中でできることは各企業によって異なるので、最初の取っ掛かりとして覚えておきましょう。

 

キャリアパスの大まかな情報が分かったら、まずは転職活動に動き出すことをオススメします。

なぜなら最善のキャリアパスが実現できるかどうかは、それぞれの求人を見てみないことには分からないからです。

会計士向けの求人は非常に魅力的な求人が多いのですが、ゆえに早い者勝ちでして、優良な求人からどんどんなくなります。

転職エージェントに登録しておくことで、自分の条件に合った優良求人を毎日メールで送ってもらえるので、キープしておくべきでしょう。

優良な求人が最も多く紹介してもらえるのは、マイナビ会計士です。
筆者も利用しており、非常に信頼できるエージェントでした。
>>関連記事:『マイナビ会計士』の評判と口コミを一挙ご紹介【実体験もあり】

 

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