こんにちは、公認会計士のロディです。

大手監査法人で4年間、リクルーターやってました。
『合格後、やるべき事は何かありますか?』という質問を、よく受けます。

そこで本記事では、『公認会計士試験の合格発表後にすべき事』をお話します。

 

 想定読者

  • 公認会計士試験の論文受験生の人

※ 本記事は『論文式試験の合格発表後にすべき事』の記事です。短答受験生の人は、将来の参考にしてもらえればと思います。

 

公認会計士試験の合格発表後にやるべき事

11月の論文式試験後、結果の合否によってやるべき事は異なります。
まずは結果が『合格』だった人がやるべき事を説明します。

 

公認会計士試験に合格していた人

合格していた人がやるべき事は、次の3つです。

1.監査法人の就職活動
2.遊ぶ
3.英語 or エクセルの勉強

 

① 監査法人の就職活動

まず何よりも優先すべき事が、『監査法人の就職活動』です。

また、公認会計士試験の合格発表は 毎年11月2週目~3週目 にありますが、そこからたったの3週間(つまり12月1週目まで)で監査法人の就職活動は終わります。

超短期決戦なので、すぐに始めるべきでしょう。

なお、厳密には『大手監査法人(BIG4)』の就職活動です。中小監査法人は、これよりも前に就活があり、合格発表前に内定を出す法人も多くあります。

大手監査法人では、大体毎年200~300人程度の採用枠を用意しています(内定枠ベースでは500~600人程度)。
公認会計士試験合格者の就職先は数多くありますが、合格者のほとんどがまず大手監査法人に入所します。

世界的に有名なファームに入るチャンスですし、何より『監査の実務経験』を積むことができますからね。

中小監査法人やコンサル、税理士法人に入所する人もいますが、『監査の精度』がやや甘めだったり、『補習所への理解』が浅かったりするのであまりオススメしません。

内定を承諾するか否かは置いておいても、大手監査法人の就活はマストです。
監査法人の就職活動の流れは、次の記事で詳細に解説しています。
>>関連記事:大手監査法人の就活大全 【公認会計士試験受験生向け】

今後の人生のすべてがココで決まると言っても過言ではないので、死ぬ気で就活しましょう。

 

② 遊ぶ

僕がリクルーターをしていた頃、一番多かった質問が『入社までにやるべき事はありますか?』という質問でした。

その時に僕が一貫してきた答えは、『とにかく遊びましょう』という答えです。
もっと言うと、男性なら合コン、女性なら女子会が一番良いです。

理由はシンプル。公認会計士にまず求められるスキルは『コミュニケーション能力』だからです。

受験生の人はあまり想像できないかもしれませんが、監査は人と話す仕事です。
たとえば、次の場面でクライアントとコミュニケーションします。

① 監査計画を説明する
② 監査資料を提供してもらう
③ 分からない部分を『質問』する
④ 要修正点を修正依頼する
⑤ クライアントからのクレーム対応
⑥ 監査の結果説明

何をするにしても、コミュニケーションが要求されますね。

ちなみに、クライアントは公認会計士ではないですが、その会社に関する知識は貴方よりも100倍上です。
年齢もほとんどが年上の人でしょう。

そんな人たちに対して、会社に対する知識がゼロの状態の新人会計士が、どうやって質問するのか?

知識を補えばいいじゃん、という意見もあるかもですが、わりと限界があります。監査調書から読み取れる部分はかなり限定的ですからね。

コミュ力があれば、知識不足のJ1でも(会社と仲良くなれるので)ある程度上手くやれます。
コミュ力が無いと、クライアントから叱られたりします。(余談ですが、繁忙期にJ1がクライアントに叱られる姿はわりと目にします。)

一度クライアントと険悪になると、そこから巻き返すのは結構キツいですよ。

そうならない為にも、入社前にコミュ力を高めるべく、たくさん遊びましょう。

この点、合コンは『初対面』の人に『自分を上手くアピール』する場であり、かつ『空気を読む』ことも必要とされます。
これって仕事で求められる能力ですよね。 ついでに彼氏彼女ができれば一石二鳥かと。

長期間勉強をしていると、自分が思っている以上にコミュ力が低下しているはずです。
きちんと社会人として喋れるようにしておきましょう。

 

③ 英語、またはエクセルの勉強

とはいえ、遊びだけでは飽きるし、モチベの高い今だからこそやるべき勉強もあります。

1つが英語。
理由は2つ。

  • 仕事力に直結する
  • 今しかできない

英語力の有無は、仕事のデキに直結するので、費用対効果はかなり高いです。
当たり前ですが、将来転職をする時にも、英語力があるとかなり年収アップします。

クライアントから提出された資料が『英文』だった時、対応できますか?
チームに『通訳』なんていないので、自分で解読しなきゃですよ。

また、仕事が本格スタートすると、まず英語の勉強なんてできません。

当たり前の話ですが、能力として重視されるのは『会計・監査のスキル』です。
時には平日の仕事終わりや、休日に勉強をしなければなりません。

そんな日の合間を縫って英語の勉強をするのは、相当ハードです。
『絶対に英語に関わらない』という意思のある人を除いて、英語を勉強するチャンスは今だけですね。

もう1つは、エクセルです。
エクセルは、就職したら最初にぶつかる壁です。

基本、監査調書は『エクセル』で作ります。
僕のいた大手監査法人でも、紙調書はすべて廃止し、エクセルだけで長所を作っています。

Sumif関数、vlook関数、ピボットテーブルは使えますか? かなり基本的なエクセルスキルです。
ちょっとググってみて『何これ、まったく意味が分からない…』と感じたら、黄色信号です。

勉強の仕方としては、マイクロソフトオフィス検定(MOS)を受けてみると良いですよ。
エクセルに関する資格試験なので、モチベの維持もできるはず。

監査法人によっては入社前に取得させる法人もあるので、これも一石二鳥ですね。

 

公認会計士試験の結果が残念だった人

結果が残念ながら不合格だった人は、『勉強再開』の1択です。

論文式試験って、ぶっちゃけ勉強テクニックはあまり必要なくて、ゴリ押し・パワープレーのようにとにかく勉強すれば合格するので。
短答式試験とは対照的ですね。

勉強を開始するタイミングとしては、12月からでも遅くないと思います。
ポイントは、モチベーションを上手く使えるタイミングでスタートする事です。

11月の合格発表直後、ややショックを受けた人は、少しくらい休んでも問題ないかと。
やる気が下がった状態で勉強しても、疲れが溜まる上に効率が悪いので、ほとんど頭に入らないんですよね。

だったら2週間くらい思いっきり遊んだほうがマシだし、短答に合格しているのですから8ヶ月間ガチで勉強すれば、十分間に合います。
>>関連記事:会計士試験に4000時間で受かるのは無理です。本当の勉強時間は?

 

勉強も仕事も、重要なのはコスパです。
無駄が生じるとモチベが下がり、悪影響。 効率的に合格しましょう。
>>関連記事:【公認会計士】受験勉強のモチベーションを上げる方法【ガチの人向け】

 

公認会計士試験の合格発表は、『行動』のタイミング。

合格発表は、人生を左右する大イベントです。
合格にしても不合格にしても、強い衝撃を受けるイベントになるでしょう。

また、どちらにも共通して言えるのは、『前を向いて走るべき』という事です。

合格発表という強い衝撃に対して『鈍感』な人は、何をしても中途半端になりますね。

合格したらそのままの勢いで思いっきり走るべきだし、不合格だったら今まで以上に本気で走るべき。
走るためのモチベーションUPのために、将来貰える『年収』を知る、という方法があります。
>>関連記事:公認会計士とは、どんな仕事?年収は?【会計士が解説】

僕の場合、転職を利用して5年で年収900万まで上げています。
今年あなたが合格したら、5年後に900万達成してます。

あとは動くだけですよね。