公認会計士に将来性なし? 【多面的に分析】

こんにちは、公認会計士のロディです。

公認会計士の将来性について、気になる方が多いようですね。

そこで本記事では、会計士のこれからの将来性について、事実に基づき検証します。

また、現役の会計士自身がどう考えているのかについても、お話したいと思います。

 

公認会計士に将来性なし? 【多面的に分析】

まず結論ですが、公認会計士の地位が価値を失うことは(少なくともこの先20~30年は)有り得ません。

よく「会計士はなくなる」とか言われますが、まぁそれは有り得ないかと。

その理由を、5つの視点から述べます。

 

AIに消されるよ問題

一番に危惧されるのが、AIの台頭によって会計士がいなくなるのでは、という事。

たしかに僕も、AIによって「公認会計士が不要になる」みたいな話、よく聞きます。

ではそもそも、なぜそのような事が叫ばれているのでしょうか?

 

これは、2014年にオクスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が発表した論文内に、次のような記述がされていたためです。

The table below ranks occupations according to their probability of computerisation (from least- to most-computerisable). Those occupations used as training
data are labelled as either ‘0’ (not computerisable) or ‘1’ (computerisable), respectively.
Probability:0.94 [1] Accountants and Auditors

引用:https://www.oxfordmartin.ox.ac.uk/downloads/academic/The_Future_of_Employment.pdf

翻訳してまとめると、「公認会計士および監査役は、94%の確率でコンピュータ化される」です。

また、ここでは長くなるので記載しませんが、前段で「10年後に消える」とも記述されています。

2014年の段階での10年後なので、2019年現在からすると5年後ですね。

現在、大手監査法人ではAIによる監査を業務に取り込もうとしていますが、今のところ業務への適用はまだまだかな…という印象です。

 

なお、AIについてなくなるか否か?については、以前記事でご紹介済みです。

公認会計士の仕事がなくなる?回答:絶対なくなりません。理由は…

2019/04/04

 

ここでは結論だけを記載します。

公認会計士は「保証」をする仕事ですので、誰かが最終的に責任を負います。

その責任を負うのは、コンピュータではなく人なので、会計士は絶対にいなくなりません。

また、やや個人的な感想ですが。
「AIに消される」と考えるか、「AIを理解し、AIを自らの能力としてインプットする」と考えるか、によって消える・消えないが変わります。
前者で考える人は消えるし、後者で考える人は生き延びるでしょう。

 

社会的ニーズ(需要)

公認会計士の仕事は、監査・コンサルといった「サービス業」です。

公認会計士のサービスに対する社会のニーズがなくなると、仕事がなくなる事になりますね。

 

 「監査」というニーズ

「第三者の専門家に情報を見てもらうことで、お墨付きが欲しい」

このようなニーズは、会計業界に限らず、どのような業界にもあるでしょう。

公認会計士が専門家として登場する舞台は、「株式市場」という非常に大きな市場です。

(影響が大きいからこそ、公認会計士による監査制度ができたわけですが。)

そのため、株式市場がなくなった場合、または第三者が会計情報を作成するようになった場合は、監査が不要になります。

前者はまず有り得ません。

上場企業数は、年々増加しており、市場が消えることはないためです。

一方、後者は理屈としては有り得ます。

たとえば国家機関が全ての企業の財務諸表を何らかの形で作成できるようになれば、(かなり大雑把ですが)監査は不要になりますよね。

ただし、現実的にはまだ無理があるでしょう。(少なくとも20~30年はそうならない。)

セキュリティの問題や、フォーマット統一、導入コストなど、障壁が高すぎますからね。

 

 「コンサル・経理」というニーズ

監査以外の業務は、はっきり言ってしまうと「別に公認会計士じゃなくてもできる仕事」です。

監査が「有資格者でないと関与できない」のに対して、それ以外の仕事はその縛りがないためです。

つまりこのような仕事は、「誰でもできるけど、公認会計士にお願いしたい」というニーズの下に成り立ちます。

これも会計士に限りませんが、「やっぱり専門家にやってもらった方が、安心だよね」というニーズがあるのです。

このニーズは会計業界に限定されませんから、なくなる事もあまり想定されません。

 

公認会計士の数が増大する可能性(供給)

需給バランスが崩れると、公認会計士の地位が危うくなります。

需要は上述のとおりで、ここでは供給側、すなわち公認会計士の数です。

結論としては、需給バランスを崩すほどに大きく増加することは、有り得ません。

理由は、金融庁が全体バランスを見て各年度の「公認会計士試験合格者の数」を調整しているためです。

例えば2006年からJ-SOXというものが導入され、会計士の数が急遽必要になりました。
その年から約5年間に渡って、通常の3倍の会計士試験合格者を出しました。
しかしその後は業務が落ち着いたため、通常の合格者数に戻っています。

よって、需給バランスが崩れる事もないでしょう。

 

現場の声(主観)

以上が、客観的事実に基づく検討です。

ここでは主観論になります。

僕自身も会計士として働いていますが、周囲の会計士から将来性についてマイナスな話を聞くことは、ほとんどありません。

AI問題が叫ばれた当時も、当の会計士たちは殆ど気にしていませんでしたからね。

 

僕自身も上述の理由により、「公認会計士が将来的に安泰である」という実情が今後20~30年は続くと感じます。

また、上記ではややマイナス面からのアプローチとなりましたので、プラスの理由も述べておきます。

僕が将来的に安泰であると考える理由は、「キャリアプランが非常に豊富だから」です。

公認会計士は監査だけでなく、会計税務のコンサルティング分野においても必要とされますし、もちろん企業の経理部員としても活躍します。

公認会計士という士業自体が、職業選択のリスクを分散できているので、まず心配ないと言えます。

 

公認会計士に限らず、コモディティ化は避けられない。

「常に新たな付加価値を身につける」という考え方は、どの業界でも絶対に必要です。

例えば、多くの会計士はまず監査法人でキャリアを積みます。

しかし監査だけをしていても、会計士としての付加価値には限界が来ます。

監査法人内においても、監査だけでなくその他のスキル(例えばIPO、コンサル、税務、国際など)がなければ、上位職階に昇格できません。

また転職する際においても、監査以外の経験があると大きく年収を上げる事ができます。

会計士になった後は「まず監査」というのが基本ですが、その後のキャリアについても必ず考えるべきと言えるでしょう。

 

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