こんにちは、公認会計士のロディです。
今回は、「公認会計士を諦めた後の進路」についてのお話です。
将来を不安視される方もおられますが、本記事を読んでいただくと、不安は少し収まると思いますよ。
想定読者
- 公認会計士受験生で、受験を諦めようかな…と考えている方
- 受験を検討中の方で、先のことを知っておきたい方
[ 目次 ]
1.公認会計士を諦めた後の選択肢
① 簿記資格を取ってから就職する
② 他資格に転向する
③ 大学院に進む
④ 働きながら、公認会計士を目指す
2.公認会計士を諦めた後の、就職方法
3.公認会計士を諦めることは「挫折」ではない
4.まとめ
公認会計士を諦めた後の選択肢
公認会計士を諦めた後の選択肢は、全部で3つあります。
選択肢は3つ
- 簿記資格を取ってから就職する
- 他資格に転向する
- 大学院に進む
簿記資格を取得してから就職する
公認会計士受験のなかで、力試しとして「簿記1級」を受験される方は多いです。
絶対にとるべきとは言えませんが、次のような理由から、簿記1級を取ってから就職活動をすべきです。
簿記1級を取得すべき理由
- 「公認会計士の勉強」をしていたことを裏付けるため
- 年収を上げるため
1つは、「勉強していたこと」の証拠(裏付け)を残すためです。
無職で勉強をされていた方は、履歴書に空白期間ができますよね。
空白期間のある履歴書をみた面接官は、「この期間で何をしていたのか」をとても気にします。
もちろん、「公認会計士の勉強をしていた」という事実を話す必要がありますが、「本当に?」と疑われてしまう可能性もあるでしょう。
そこで「簿記1級」を取っておけば、公認会計士の勉強をしていた証拠として見せることができます。
そしてもう1つの理由は、「年収を上げるため」です。
こちらの方が重要度は高いです。
詳しくは「簿記1級で年収はどのくらい上がる?実際に調べてみた【データ公開】」で解説していますが、結論としては、簿記1級をとることで年収が約90万円上がります。
これってかなり大きいです。
仮に10年間働いた場合、簿記1級をもっているだけで900万円も得しますからね。
持っていない人は、ぜひ簿記1級は取得しておくべきです。
>>関連記事:簿記1級の通信講座は1択です。【最短・最安合格を狙おう】
他資格に転向する
公認会計士の勉強を通じて学べる「分野」はとても幅広く、次のような資格に転向することができます。
公認会計士から転向できる資格
- 税理士
- 中小企業診断士
- ファイナンシャルプランナー
いずれも、魅力あふれる資格です。(「簿記1級」は取れて当然ですので、除外しています。)
税理士
税理士試験は計5科目から構成されていますが、このうち「簿記論」「財務諸表論」の2科目は、「公認会計士試験」で範囲を網羅できています。
また、「法人税法」は4~5割程度カバーできているため、追加で勉強すべき時間は半分くらいで済みます。
つまり、全科目合格するために、(一般的な受験生の)半分の時間で合格することが可能です。
>>関連記事:税理士に合格するための勉強時間【ネット情報を信用したらダメ】
もちろん、税理士試験も難しい試験です。
しかし、公認会計士試験とは違い、「1科目ずつ合格を目指せる」というメリットがあるため、働きながら取得を目指すことができます。
中小企業診断士
中小企業診断士は、「コンサル系唯一の国家資格」です。
中小企業診断士は、1次試験が計7科目、2次試験が計4科目から構成されています。
1次試験の科目のうち、「財務・会計」は試験範囲をすべて網羅しています。「企業経営理論」「経営法務」は範囲の5~7割程度をカバーしています。
また2次試験では、4科目のうち1科目をカバーできています。
つまり、試験全体の3割ほどをカバーできていることになります。
「経営指南」という業務に興味のある方は、情報を収集してみると良いですよ。
>>クレアールなら、無料で資料請求が可能です。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーの仕事内容は、「投資の指南」です。
公認会計士とおなじく国家資格でして、独立開業することもできます。
ファイナンシャルプランナーには1級から3級まであり、1級を受験するためには「実務経験」が必要だったりと、ややハードルが高まります。
試験範囲としては3割ほどが公認会計士試験でカバーできるため、FPに転向する方も比較的多いようです。

会計関連で1番カンタンに取得できるのが、ファイナンシャルプランナーです。
こちらも、情報を網羅的に集めたい場合は、予備校のパンフレットを取り寄せるのがオススメです。
>>クレアールなら、無料で資料請求が可能です。
大学院に進む
最後に、「大学院に進学する」という選択肢です。
やや「逃げ」に近いイメージもありそうですが、メリットが2つあります。
大学院に進むメリット
- 公認会計士(短答式)の科目を免除できる
- 就職時、初任給が上がる
それぞれ、目的がすこし異なります。
1つ目は「公認会計士の科目免除ができる」メリットです。これは、「会計専門職大学院」に進学した場合に限ります。
公認会計士試験で、最も高いハードルと言えるのが「短答式試験」ですよね。

短答さえ合格してしまえば、何とかなるのが公認会計士試験です。
短答4科目のうち「企業法以外の科目」を免除できるので、ほぼ短答はパスできると考えて良いでしょう。
ただし、免除のためには「2年間」という時間と「学費」が余計にかかります。
「公認会計士の合格」を目標にするのであれば、個人的にはあまりオススメしません。
>>関連記事:【公認会計士試験】短答科目の免除をすべきか? 結論は…
2つ目は、就職時の初任給を上げるために大学院に進学するパターンです。
ケースとしては、さほど多くありません。
大学を卒業し、無職で勉強をしていたような場合、経歴に穴ができてしまうことになります。
この欠点を補うために財力があれば大学院に進学されるのもアリです。
ただし、こちらも「2年間」という時間を消費してしまうため、個人的にはあまりオススメできません。
働きながら、公認会計士を目指す
最後に、やや難易度高めですが「働きながら」という選択肢もあります。
会計系の業種でアルバイト・正社員として勤務しながら、公認会計士を目指すという選択肢です。
実は近年、社会人合格者の割合が増加しており、働きながら公認会計士になる方が増えています。
ただし注意点。
通常の大手予備校では、カリキュラムが多すぎるので、全てこなすのは難しいかと。
社会人向けの予備校がありますので、そちらの受講を検討してみると良いでしょう。
>>関連記事:クレアール公認会計士講座の評判と口コミ【会計士が解説】
公認会計士を諦めた後の、就職方法
公認会計士を「諦めた後」の就職先は、次のとおりです。
主な就職先
- 会計事務所
- 税理士法人
- 一般事業会社(経理・財務ポジション)
- 特殊法人(経理・財務ポジション)
特殊法人というのは、「学校」や「医療機関」などです。
いずれも、勉強した会計・税務の知識を活用することができるので、オーソドックスな就職先です。
また就職活動の方法ですが、エージェント(就活のサポーター)を利用するのがオーソドックスです。
会計・税務で就職活動をする場合は、次のどちらかのエージェントを利用することになります。
会計・税務のエージェントは2つ
いずれも「会計・税務」に特化した大手エージェントですので、よっぽどの事がない限り、どちらかを利用することになります。
求人の紹介から、内定のための面接練習まで、すべて請け負ってくれるのでオススメです。
いますぐに就職を考えていない方も、登録だけは済ませておきましょう。
求人はとても流動的ですので、魅力的な求人から、どんどん減っています。
公認会計士を諦めることは「挫折」ではない
少しだけ、筆者の体験談です。
僕も公認会計士ですが、今は独立し、講師やWebマーケティングなどの仕事をしています。
ほとんど「公認会計士らしい仕事」はしていないのです。
何が言いたいのかというと、「資格」は「手段」に過ぎないという事です。
資格を取ったとしても、結局は「自分がやりたい仕事」をやることになります。
公認会計士になると「監査法人」に入所しますが、その95%以上の人は、監査法人を辞め、一般企業やコンサルに転職しています。
つまり、結局は「資格をフル活用する仕事」ではなく、「やりたい仕事」に移っていくのです。
公認会計士を諦めたとしても、それは「挫折」ではなく、「本当にやりたい事を考えるきっかけ」と捉えることができます。
まとめ:前に進むことが一番大切
まとめです。
公認会計士を諦めた後の話まとめ
- 選択肢は「就職」「他資格へ転向」「大学院」
- 就職の場合は、先にエージェントに登録しておくべき
以上です。
最も大切なのは「前に進むこと」です。
先述したように、公認会計士を諦めることは「挫折」ではありません。
ただし、前に進むことを辞めてしまうと、それは「挫折」になってしまいます。
まずは一歩前に進む行動として、エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。