公認会計士試験の勉強内容とは|向き不向きは?【会計士が解説】

こんにちは、公認会計士のロディです。



「会計士資格に興味があるけど、勉強の内容はどんな感じだろう?」
「自分に向いているかな?」

こんな疑問にお答えします。

本記事のテーマ

公認会計士試験の勉強内容とは|向き不向きは?【会計士が解説します】

1.科目

公認会計士試験は、1次試験と2次試験で構成されます。
まず、それぞれ科目を列挙します。

1次試験(短答式試験)

1次試験は、全4科目で構成されます。

① 財務会計論(200点満点)

② 管理会計論(100点満点)

③ 監査論(100点満点)

④ 企業法(100点満点)

次に、2次試験です。

2次試験(論文式試験)

2次試験は、全5科目で構成されます。

① 会計学(300点満点)

② 監査論(100点満点)

③ 企業法(100点満点)

④ 租税法(100点満点)

⑤ 選択科目(100点満点)
  ※次の中から1科目を選択
  ・経営学
  ・経済学
  ・統計学
  ・民法

①の会計学は、1次試験の「財務会計論」と「管理会計論」をまとめた科目です。実質的には6科目とも言えますね。
また、④の租税法と⑤の選択科目は、2次試験だけの科目です。

2.科目ごとの勉強内容

ここからは、各科目ごとの勉強内容を見ていきましょう。

①  財務会計論

要求される能力
  • 記憶力   ★★★★★
  • 数学的思考 ★☆☆☆☆

財務会計論は、「計算」と「理論」に分けられます。

勉強する内容が財務会計であるという点では共通しますが、「計算」と「理論」とでは、勉強方法が異なります。

「計算」は、いわゆる簿記と呼ばれます。
計算の手順などを覚え、電卓を用いて実際に計算することで、答えを出します。手を動かし、体で覚えるという勉強になります。

「理論」は、なぜこのような計算をするのか?という理屈の勉強です。
理解力よりも、定義を丸ごと暗記する等、記憶力が要求されます。

僕は「計算」という言葉のイメージで、理系に有利なものと思っていました。
しかし実際に学習を終えると、圧倒的に「記憶力」の試験であったと感じます。
計算に数学的センスは不要で、計算手順を「記憶」する量が膨大な試験でした。

②  管理会計論

要求される能力
  • 記憶力   ★★★★☆
  • 数学的思考 ★★★☆☆

管理会計論も、「計算」と「理論」に分けられます。

こちらも勉強する内容が管理会計であるという点では共通しますが、「計算」と「理論」とで、勉強方法が異なります。

管理会計論の「計算」は、財務会計論の計算よりも数学的思考が要求されます。
計算手順を体で覚えるという点は同様ですが、より深さを要求されるので、ロジカルな思考力が要求されます。

管理会計論の「理論」は、財務会計論の理論とほぼ同様で、計算手順の理屈などを覚える記憶力が要求されます。

③  監査論

要求される能力
  • 記憶力   ★★★★☆
  • 数学的思考 ★☆☆☆☆
  • 地頭    ★★★★★

「監査」という公認会計士の仕事内容を学習します。

問いに対する答えが1つとは限らない、という点が1番の特徴です。

一般的なルールはあるものの、仕事をする上で「判断」が要求される場面も多く、試験ではこのような点にも言及されます。
そのため、いかに監査の本質を理解し記憶しているか、という能力が問われます。

受験生にとって、最も勉強しづらいのがこの科目です。
うまく表現できませんが、「地頭」の良し悪しが点数に影響します。
僕は地頭が悪いので、合格した時も点数は良くありませんでした。

④  企業法

要求される能力
  • 記憶力   ★★★★★
  • 数学的思考 ★☆☆☆☆

法律科目です。
主に「会社法」という法律を学習します。

勉強方法は1次試験と2次試験で大きく異なります。
1次試験では小粒の知識を幅広く記憶、2次試験では2~3行の定義をひたすら記憶します。

⑤  租税法

要求される能力
  • 記憶力   ★★★★★
  • 数学的思考 ★☆☆☆☆

こちらも法律科目ですが、税金に関する法律です。
そして税金という性質上、「計算」が主体です。

財務会計論・管理会計論と同様に、ひたすら体で覚える勉強が必要です。
数学的センスは必要ありません。
とにかく計算方法を「暗記」しなければなりません。

なお「理論」も多少出題されますが、分量はとても少ないです。

⑥  選択科目

選択する科目によって、勉強内容は異なります。

・経営学

要求される能力
  • 記憶力   ★★★☆☆
  • 数学的思考 ★★☆☆☆

経営の理論を勉強します。
計算・理論ともに勉強することになりますが、やはり「暗記」の試験です。
なお、選択科目の中で最も範囲が狭いため、ほとんどの受験生は経営学を選択します。

ここから下の選択科目は、ほぼ選択されないので読み飛ばしても良いです。

・経済学

経済性の計算を勉強します。
こちらは計算がメインです。
会計士試験の科目には珍しく、数学的センスがあるとアドバンテージとなります。(具体的には、微積分の知識を使います。)
勉強時間は経営学の2倍程度のため、選択する受験生は非常に少ないです。

・統計学

統計技術を勉強します。
こちらも計算がメインです。
経済学同様に、数学的センスがあるとアドバンテージになります。
勉強時間は経営学とほぼ同時間ですが、少しミスが起きると雪崩式に全滅という可能性がある科目のため、選択する受験生は非常に少ないです。

・民法

民法について勉強します。
こちらは全て理論です。
勉強方法は「企業法」とほぼ同様です。
勉強範囲が非常に広く、勉強時間は経営学の2倍程度です。
こちらも、選択する受験生は非常に少ないです。

3.ズバリ、記憶力の試験です。

管理会計論と経営学の計算で少し数学的思考力が必要とされますが、全体を通じて圧倒的な「記憶力」が試される試験です。

ロディ
もちろん単純な丸暗記ではなく、理解ありきの暗記が中心ですよ。

2次試験(論文式試験)では、言葉の定義や、基準の背景を問われます。
これらは一言一句間違わずに暗記しなければならないので、ここが大変ですね。

4.例えば、どんなものを暗記するの?

例をお示しします。

例題:「包括利益」の定義

包括利益とは、特定期間における純資産の変動額のうち、報告主体の所有者である株主、子会社の少数株主、及び将来それらになり得るオプションの所有者との直接的な取引によらない部分をいう。

受験生は全員、この文章を一言一句覚えます。
そして、こんな感じの訳の分からない文章を、大体300~400程度暗記しました。(もっとかも)

ロディ
もはや気が狂いそうでした。
毎日、書いたり、読み上げたり。
とにかく詰め込みました。

もちろん、このような定義・趣旨の暗記以外にも、知識としての暗記、計算方法の暗記等、暗記すべき内容は多岐に渡ります。

5.結論

結論、記憶力が良い人に向いています。

圧倒的に、「記憶力」の試験なので。

じゃぁ記憶力に自信がない人は、無理なのか?
と不安な方へ、メッセージです。

6.記憶力に自信がない人へ

公認会計士試験は、間違いなく「文系」の資格試験です。
記憶力がモノを言うことは、間違いありません。

一方で、筆者はバリバリの理系です。
地理や歴史など、記憶力が要求される勉強は大の苦手です。
ちなみに学歴も良くありません。

でも、僕は2度目の受験で公認会計士試験に合格しています。
2度目で受かるのは、割と早い方です。
個人的見解ですが、本人のやる気次第で合格できる試験である、と思ってます。

僕のように、会計の知識がなく、文系でもなく、学歴のない人でも合格できるのが、公認会計士試験の良いところです。

「誰でもチャンスがあるよ」というメッセージとして、受験資格などの制限がなく、誰でも受験できるのが特徴です。

なお、勉強時間は沢山必要なので、心しておきましょう。

会計士試験に4000時間で受かるのは無理です。本当の勉強時間は?

2019/02/27

7.まとめ

まとめです。

  • 公認会計士試験は、圧倒的に「記憶力」が試される
  • 理系でも短期合格はできる(筆者が立証済み)

以上です。

資格試験への参入を検討している時は、勉強内容が気になりますよね。
今回は具体的に何を勉強しているのか、少し触れてみました。

もし「もっと具体的に知りたい!」という要望があれば、より具体的にお示ししたいと思います。

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