こんにちは、公認会計士のロディです。
大手監査法人の労働環境について、興味がおありでしょうか。
本記事を読むことで、以下の知識が得られます。
もくじ
ちなみに、私は大手監査法人出身の公認会計士です。
約5年間、BIG4の一つに所属し会計監査に従事していました。
本記事では、私の5年間の体験をそのままお話しします。
リアルな情報なので、きっと、働くイメージが湧きますよ。
なお、大手監査法人の年収については、「公認会計士の年収はどのくらい?【私の給料明細を見せます。】」で詳細にお話ししています。併せてご参考ください。
※念のため補足ですが、大手監査法人(BIG4)とは以下の監査法人を指します。
・新日本有限責任監査法人
・有限責任監査法人トーマツ
・有限責任あずさ監査法人
・あらた有限責任監査法人
大手監査法人(BIG4)のオフィスの環境
まず、オフィスの環境です。
基本的に、東京本社を前提としてお話しします。
BIG4すべてに共通する話
結論から言うと、BIG4の東京本社オフィスは、どれもとっっっても綺麗です!
私は2013年に就活をした際にBIG4全てのオフィスを見学しており、また最近では2018年に新日本有限責任監査法人が、2019年に有限責任監査法人トーマツがそれぞれ事務所を移転していますね。(どちらも大型新築テナントビルです。)
仕事柄たくさんの上場企業にお邪魔する機会がありますが、大手監査法人レベルのオフィスは見たことがありません。
それほど、BIG4のオフィスは綺麗です。
そして、基本的にデスクはフリースペースとなっており、決まった席が無いため、事務所勤務の日はいつもどこに座っても良いです。
仕事は基本的にノートPCで行うため、それさえあればどこでも仕事ができるのです。
※なお、通常は本社で仕事をすることは少なく、クライアントで作業をする事の方が多いです。
私の所属していた監査法人の話
次に、私の所属していた監査法人のお話しになります。
私のいた監査法人ではフリースペースにも種類があり、10人くらいが座れる長机もあれば、1人専用の席もありました。
私が好きだったのは、この1人専用の席です。
窓側を向いた配置になっている席で、後ろの背もたれは2メートルくらいあり、左右にも2メートルくらいの防御壁があります。
集中スペースと呼ばれており、誰にも邪魔されずに作業に集中することができます。
更に、窓から見える絶景を楽しみながら仕事ができるので、最高の気分でした。
(ちょうど、この項の一番上にある写真のような景色です。)
会議室はほとんどがガラス張りで、圧迫感がなく、新人でもストレス無く仕事ができました。
大袈裟でもなく、すべてが海外ドラマのようなオフィスでしたね。
大手監査法人(BIG4)の風通し
次に、従業員同士の風通しです。
能力のある人にとっては風通しが良い?
まず大前提として、年功序列は無いに等しいです。
これは他の監査法人に所属する同期も同じ事を言っているので、間違いないでしょう。
代わりに、能力のある人が評価されます。
評価されるポイントはいくつかありますが、能力のある人にとっては発言が通りやすいので、非常に風通しが良く感じると思います。
仕事柄とても責任の求められる職業なので、みんな仲良く~という雰囲気ではないです。
小さいチームの方が風通しが良い?
また風通しの良さは、所属するチームによるところも大きいです。
基本的に監査法人には優しく温和な方が多いですが、一方で厳しい人もいます。
特に、大規模なクライアントを担当しているチームは、体育会系のチームになる傾向が強いです。
これは当然と言えば当然ですが、大きなチームをまとめるためには、統率力が必要だからです。
逆に、小さなチームになると仕事も属人的になりやすく、個人の力がチームに貢献する割合が大きくなるため、重宝されやすく風通しも良いです。
ごく稀にヤバい上司がいますので、小さいチームでそんな上司に当たると働きづらいかと思います。(閉鎖された環境のため)
私の体験談になりますが、私は小さいチームでヤバい上司に当たったことがあります。
これはパワハラだなと感じ、人事評価者にその旨を相談したところ、一か月後にそのチームを外してもらえました。
BIG4は、こうしたハラスメントに対しては非常に敏感で、素早い対応をしてくれます。
パワハラ・セクハラについては非常にモラルが高いと感じました。
その他、担当したいクライアントの希望は、非常に通りやすいです。
私の場合は上場準備会社を担当したいと話したところ、翌年には上場準備会社の主査(現場マネージャーのようなポジションです)に指名されました。
大手監査法人(BIG4)にはどんな人が多い?
人としては、優しく接しやすい人が多いです。
BIG4によって少し色が違いますが、優しい人が多い点は共通しているように感じます。
ただし注意で、監査法人には噂好きな人が非常に多いです。
たとえば、「〇〇さんがこの前怒られてたよ」とか、「△△さんと××さんの関係、怪しくない?」といった、ゴシップ系ですね。。笑
なぜ噂好きな人が多いかというと、理由はその働き方にあります。
基本的に個人個人が複数のチームに所属しているため、例えば毎週別のチームで仕事をする、なんて状況もよくあります。
そして新しいチームで仕事をする時に、最も話しやすい話題が、他チームの噂話なのです。
「いつもはどんなチームで仕事してるの?」
「いつも誰と仕事することが多い?」
このワードは本当にしょっちゅう聞きます。
聞き手は他意なく聞いているはずなのですが、自然と噂話になってしまうのです。
ここまでで、少し長くなったのでまとめます。
・チームごとに風通しの良さは変わる。
・個人個人としては優しい人が多い。
・でも噂話に要注意。
大手監査法人(BIG4)が激務というのは本当?
一般的に、監査法人での仕事量は多いです。
と言っても、コンサルティングファームほどではありませんが。
ある程度時間を抑えることも可能
実は、ある程度自分で調整ができます。
正直なところ、私はあまり多く残業したくないタイプの人間です。
そのため、私は担当クライアントの希望が通りやすいことを利用し、残業の少なそうなチームに所属し、スケジュールを埋めていました。
これにより、ある程度残業時間は抑えられました。
また、主査をできる年次(一般的に3年目から)になると、より自らのスケジュールを調整しやすくなります。
チームのスケジュールを決めるのも、主査の仕事ですからね。
例えば、1日の仕事量が多くならないように、多めに日程を確保したりできます。(個人的にあまり推奨はしませんが)
でも繁忙期はやっぱり大変
監査という仕事は季節労働です。
なのでどうしても、仕事の忙しい時期があります。
私の場合も、大体4月~5月中旬にかけては、毎日夜11時まで仕事をしていましたし、土日も仕事をしていました。
3月決算以外の変則決算期を担当している場合には、繁忙期が増えます。
会計士の給料が高いのは、この苦労を乗り越えてこそ、と思います。
働き方改革の影響は?
実はここ数年で、働き方改革による影響が出ています。
各監査法人で、例えば平日9時以降は仕事をしてはいけないといったルールができたり、平日9時以降はPCを強制シャットダウンされる、といった施策が取られています。(繁忙期は例外かと思いますが。)
でも、作業量を減らして良いわけではないですよね。
なので、働き方改革によって仕事の仕方に変化は生まれましたが、作業量は変わらないというのが現状です。
なお、近年その負荷に対する見合いとして、給与を増額させる方向にあるようですね。
昨年入社された新人の方に給与を聞きましたが、私が入社した時よりも基本給(月給)が2万円以上高くなっていてビックリしました。
まとめ
長くなりましたので、簡潔にまとめます。
①オフィスは超綺麗で働きやすい。
②大きいチームは縦社会の傾向。
③人は優しい人が多い。
④仕事量はある程度調整可能だが、繁忙期は忙しい。
⑤忙しい分、給与は上昇傾向と見込まれる。
高給取りである事の引き換えとして、繁忙期はやっぱり忙しいです。
でも、『公認会計士』として大成するには、多少の苦労は必要ですよね。
そして、普通ではできない「経験」ができるのも、監査法人の魅力の一つです。
監査法人での仕事内容については、また次の機会に、記事にしようと思います。