こんにちは、公認会計士のロディです。

こんな話、聞いたことありますか?

  • 公認会計士の仕事はAIに奪われてなくなるよ。
  • 公認会計士はもうオワコンだよ。

でも、大丈夫です。100% なくなりません。

今回は、AI問題です。
「公認会計士」が10年後になくなる職業ランキングの上位に入ったりしてますね。

結論は、「なくならない」です。(20年後、30年後は分かりませんが)
以下より理由をご説明しますね。

 本記事の想定読者

  • 会計士資格に興味があって、情報収集している方
  • 会計士資格の勉強中で、AI問題について不安な方

 

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公認会計士の仕事がなくなる?回答:絶対なくなりません。

ちなみに、僕はBIG4出身の公認会計士です。

BIG4では割と最先端なことをやっており、AIも導入しようと息巻いております。

自分で自分の仕事が奪われる状況を作るはずがないので、この状況を見ても奪われないよという根拠になるのですが、結果論的な感じなので、なぜなくならないのか、理由をお話ししたいと思います。

 

そもそも、公認会計士はどんな仕事をしているの?

「AIによって公認会計士の仕事がなくなる」と言っている方のほとんどが、そもそも公認会計士の仕事内容を知らないように思います。

ここで、公認会計士の仕事内容について、ざっくりご説明です。

会計についてご存知でない方は、ちょっと分かりづらいかもしれませんが、ここの解説をしなければ進まないので、どうか読んでください。(1分で読めます。)

ざっくり解説

公認会計士の仕事は、数字の誤りをチェックする仕事です。
チェックの仕方としては、次の2通り。

  • ①  確定数値 →外部証憑との照合により検証
  • ②  見積もり数値 →見積もりの合理性を検証

①は、例えば「家賃」など。
本社の家賃として1億円が計上されていれば、1億円と一致する「請求書」や「契約書」が必ず発行されているはずなので、その資料と照合させることでチェックします。

②は少し難しいですが、例えば「引当金」と呼ばれるものです。
企業は、将来に損失が発生する事が分かり切っている場合、予めその損失を「今現在の」数字に含めておかなければなりません。

でも、損失が発生すること自体は分かっていても、金額が確定していない場合もありますよね。(例えば今貸しているお金が返ってこないと予想される場合でも、いくらかは返ってくるはずなので、返ってこない部分を見積もる必要がある。)このような場合、会社が合理的に算定した見積もり金額が、本当に合理的であるか検証することになります。

お疲れさまでした。
本当はまだ色々とあるのですが、最もコアとなる部分を記載しました。

基本的に、この2種類の仕事が「AIに奪われる」と言われています。

結論としては「奪われない」のですが、理由を1つ1つご説明します。

 

理由① 確定数値の検証は、自動化不可能

確定数値は、検証の仕方が比較的かんたんです。

ここでも「家賃」を例に、実際に公認会計士が実施している作業をご説明します。

①  家賃として計上されている金額を確認(1億円)

②  家賃に関する「請求書」「契約書」「出金記録」をクライアントから入手

③  請求書・契約書・出金記録に記載されている金額が、全て1億円と一致していることを確認

誰でもできそうな作業ですよね。

ロディ
ロディ
実際この作業は誰にでもできるので、アシスタントに実施させるケースが多いです。

 

ここでAIに手続きを実施させるとしたら、どのステップの作業が奪われるでしょうか?

答えは、③の作業です。(と、言われています。)

しかしよく考えてみると、この作業はAI以前の問題です。

つまり、AIというよりも、自動的に一致を確認するシステムを構築して対応すべき、という話です。(例えば、スキャナーで読み取り→数値部分を金額と照合、等)

しかし、このような仕組みは現在、どこにもありません。

なぜなら、請求書・契約書・出金記録のフォーマットは、企業によって異なるからです。(フォーマットによって「金額」が記載されている部分は異なります。)

世界に無数に存在する企業のフォーマットに、それぞれ合わせた読み取り方法を仕組み化する必要があり、それはコスト的に不可能です。

だから、現時点でそのようなシステムはありません。

ロディ
ロディ
つまり、様々な証憑(たとえば請求書・領収書・納品書など)に合わせてデータを読み取る事が不可能なので、AIに奪われることは有り得ないよ、という事です。

 

ちなみに、ここ4~5年の間で、大手監査法人は監査アシスタントを大量採用しています。
以前は③の作業も全て会計士が実施していたため、実質的に公認会計士の作業は監査アシスタントに奪われたことにもなりますが、激務度合いに影響はありませんでした。

 

理由② 見積もり数値の検証は、可視化できない

見積もり数値の検証は、少し面倒です。

ここでは、「貸しているお金が返ってこないかもしれないという将来の損失」に対する引当金を例にご説明します。

①  引当金として計上されている金額を確認

②  引当金の計上金額の計算根拠資料をクライアントから入手

③  計算根拠として、「過去3年間の貸し倒れ実績」が提供される

④  根拠として「過去3年間の貸し倒れ実績」を用いることが合理的であるか、公認会計士が判断する

この手続きで、AIに奪われると言われている作業は ④ です。

ロディ
ロディ
こちらは確かに「判断」が必要なので、AIにお願いできるのであれば、楽になりそうですね。
そもそも、将来の事を完璧に予測する事は不可能です。
ただ、その予測が「合理的」であれば、公認会計士は問題ないものとして認めます。

そして、「合理的かどうか」という判断としては、過去の実績に依拠する事がほとんどです。(客観的で分かりやすく、「過去」という事実に基づくため。ただし、経営環境が過去から変わっていないことを確認する必要はある。)

このように、割とざっくり合理性を判断しているのが現状です。

でも例えば、ビッグデータを利用したAIを用いれば、自社の過去情報だけでなく、様々な同業他社の実績等から、より緻密な判断ができるかもしれません。

よって、AIに作業をお願いする事は十分に考えられます。

ただし、AIに全てをお願いする事はできません。
なぜなら、AIが「合理的である」と判断した結果が、本当に合理的であるかどうかを人間がチェックしなければならないためです。

そして、現状AIには可読性に問題があるとされています。

 可読性とは?

可読性とは、AIがある結論を導き出すにあたり、その仮定を第三者が読めるかどうかをいいます。

ここでいう可読性とは、単にプログラミング言語が読めるかどうか、という意味ではなく、「AIプログラムそのものが結論形成過程をアウトプットしてくれるか」という意味で用いています。

(参考:AI研究における「ブラックボックス問題」とは何か

つまり、AIが導いた結論を、公認会計士がチェックできないという問題です。

公認会計士は、監査の終わりに「監査報告書」という書面(数字は全部正しかったよ、という報告書)を提出しますが、公認会計士がこのAIが導いた結論の過程を理解できない以上、監査報告書が出せません。

ここに、AIを監査に利用する最大の問題点があります。(学者によっては、そもそもAIに可読性は不要である主張する方もおられるようです。)

ロディ
ロディ
まとめると、AIの結論形成過程を閲覧できず、もしできたとしても最後は公認会計士が判断するので、この作業も奪われないという事です。

 

まとめ:公認会計士の仕事は、なくなりません。

以上、公認会計士の仕事がAIに奪われることはないよということを、かなり踏み込んでご説明しました。

 結論

公認会計士の仕事は、AIに消されません。

 

AIの導入を思案しているのは主に(大手監査法人の)上層部ですが、彼ら自身がAIを理解していないため、導入はまだまだ先になりそうです。(2020年現在)

経理でのAI導入も聞いたことがありませんし、僕の主観では、少なくともAIが導入されるのは10年以上先かと思います。

 

ほかに公認会計士の仕事内容や、具体的な受験スケジュール感について知りたい方は、予備校のパンフレットを入手すると良いですよ。

実際に現場で働いている公認会計士の声や、合格体験記などが閲覧できますので、自分の将来をリアルにイメージできます。
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