こんにちは、公認会計士のロディです。

公認会計士に興味がある方や、これから目指そうかな?という方にとって、「公認会計士の年収」は知っておきたい情報ですよね。

そこで本記事では、公認会計士の平均年収や初任給、そして生涯年収を一挙公開します。

また、僕自身(会計士歴:5年)の給料明細も公開していますので、かなり参考になるかと思います。
>>該当部分(給与明細)へジャンプ

 

一方で、これから公認会計士資格を取得しようか検討中の方にとっては、「費用面」も気になるところでしょう。(あまりにも取得費用が高いと、そもそも目指すこと自体が困難になりますからね…。)

そこで、年収と費用を比較し、実際のところ会計士資格がどのくらい「お得」なのか、という観点でも考察しています。

 

なお、本記事はやや長文です。サクッと流し見したい人は、下記の目次からどうぞ。

 本記事の想定読者

  • これから公認会計士を目指すか、検討している人
  • 公認会計士という資格に興味があり、リアルな年収を知りたい人

 

 

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公認会計士の年収推移

さて、まずは「公認会計士の年収」のお話です。

僕自身の年収や、僕の先輩・後輩の年収も踏まえた、リアルな年収を公開していきますね。

 

 先に少しだけ補足

  • 公認会計士の場合、「公認会計士として何年間働いたのか」によって年収が決まります。そのため、前職の有無は年収に関係しません。(※ 転職後は関係します。)
  • また、ほとんどの公認会計士は「監査法人」という組織で働くことになりますので、本章での年収はすべて「監査法人」で働くことを前提としています。

 

それでは、公認会計士の年収推移を見てみましょう~。

 公認会計士の年収推移

  • 1~2年 年収500万~650万
  • 3~4年 年収650万~750万
  • 5~8年 年収750万~900万
  • 9~12年 年収900万~1100万
  • 13~16年 年収1100万~1200万
  • 17年以降 年収1200万~3000万

※ 上記は、スムーズに昇格した場合を想定しています。

なお、上記を簡単にグラフ化したものが以下です。

cpa-annual-income

1年目から年収500万、、、相当なエリートと言えますね。

そして、10年目を目安に年収1,000万を超えます。大卒ですぐ公認会計士になった人は、32歳で年収1,000万を超える計算です。

また 厚労省の調べによれば、公認会計士の平均年収は1,042万円となっています。

平均年収一覧

全ての職業のうち、弁護士よりも年収が高く、大学教授と同じくらい稼げます。年収が高いので、自然と地位・名誉も付いてきます。

では次に、年別に年収を見てみましょう。

 

1~2年目の年収:500万~650万

入社1年目~2年目の公認会計士は、500万~650万程度の年収になります。

基本給は月30万円程度でして、これにボーナス(賞与)+残業代を含めると、年収500万以上になりますね。

 

1年目からバリバリ残業をしているチームは少ないですが、仕事自体はたくさんありますので、残業代を稼ぎたい人は手を上げればドンドン降ってきます。

ちなみに、BIG4(大手監査法人)は4社(EY・KPMG・トーマツ・PwC)ありますが、いずれもほぼ同じ水準です。基本給にバラつきがあっても、ボーナスで調整されるため、年収ベースではほぼ同じです。

 

月給30万円というと、大卒上場企業勤務の1年目の月給が20万円程度なので、その1.5倍もらえる計算ですね。また大卒社会人1年目の「年収」は226万円だそうなので、それと比べると2倍以上という計算になりますね。(引用:マイナビ

僕も1年目から年収500万円以上もらえましたので、たとえば趣味のカメラや洋服に、1年目から惜しみなくお金を使うことができました。

また、飲み会などでは8,000円くらいまでなら軽く払えるようになりました。(大学生時代は、4,000円を超えると「高い」と感じました…。)

当時一人暮らしをしていた頃の家賃は、9万円でした。社会人1年目の家賃としては、高い方だと思いますが、金銭的にさほど痛くはありません。

 

3~4年目の年収:650万~750万

3年目~4年目になると、監査チームの現場監督(主査)を任されるようになり、自然と残業も増え始め、年収もドンドン上がります。

僕は監査法人を4年で退職していますが、その頃の年収が720万円でした。(残業は月に平均30~40時間ほどです。繁閑でバラつきはありますが。)

この辺りまでは社内の評価があまり(給料に)関係ないので、同期の会計士もほぼ全員同じくらい貰っていたと思います。

 

この頃になると、収入面での心配はゼロになりました。家賃も13万円ほどのマンションに引っ越し、食事はほとんど外食でしたが、それでも貯金はだいぶ貯まりました。

 

一般的な社会人3~4年目の方の平均年収が、約373万円とのことなので、この時点でも一般の方の約2倍稼げることになりますね。

また、年収700万~800万の人の割合は、全サラリーマンの上位4%に当たるそうです。

会計士として仕事をしている身としては、そんなに凄いことをしている実感はありませんが、「最難関試験」を突破したことの恩恵はすごく受けています。

 

5~8年目の年収:750万~900万

次に、5~8年目の年収です。監査法人内では「中堅」とか「シニアスタッフ」と呼ばれるようになる世代ですね。

この時点で年収1,000万を超えることはありませんが、残業時間によっては年収900万円まで上げることができます。

ただし、残業時間も多くなります。

8年目まではあまり社内の評価を気にすることなく、昇格していくことができます。そのため、ある意味誰でも年収900万円まではストレートで進むことができます。

(悪い言い方をすれば)どんなに仕事が出来ない人でも、働いていれば年収900万です。これは美味しいですね。

 

【公開】会計士歴5年の、僕の給料明細

ロディの年収(監査法人時代)

僕は、4年半で監査法人を辞め、コンサルティングファームに転職しました。

そのコンサルで半年ほど働いたとき(つまり、ちょうど会計士歴5年のとき)の月収は、約76万円でした。

76万円 × 12ヶ月 = 912万円/年間 ですね。
実は監査法人から別の会社に転職をすることで、たった5年目で年収900万に到達するよ、というお話です。

監査法人自体もお給料はとっても高いのですが、何よりも「監査法人での経験」は非常に価値があります。その経験が転職市場で高く評価されるため、転職というステップアップで年収をグッと上げることができるのです。

たとえば大学を卒業して監査法人に入所した場合、27歳で年収900万になる感じです。普通ではありえないですよね。

もちろん、僕が特別仕事ができたわけでもないですし、経歴が良いわけでもありません。これが公認会計士のリアルな年収の実情です。

目指してみたくなった方は、予備校のパンフレットを無料で手に入れると良いですよ。勉強スケジュールの感覚を、もっとリアルに知ることができます。
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9~12年目の年収:900万~1100万

この時点で、年収1,000万の大台に乗ります。

ただし、同時にマネージャー(管理職)に昇格する必要があります。

大手監査法人でマネージャーになれるのは、全体の10%くらいです。
(あくまで割合の話であり、そもそもマネージャーに上がりたくないという方もいます。)

監査法人内でのキャリアとしては、ここが1つの分岐点になります。

マネージャーになると、当然できる仕事の幅も増え、経験値も上げることができ、そして年収も上がっていきます。

一方、マネージャーに上がれなくても年収1,000万を(残業代で)稼ぐことは可能ですが、その後が伸び悩んでしまいます。まぁ、収入面では文句なしですが。

 

13~16年目の年収:1100万~1200万

この世代は、マネージャーの更に上の職階となる「シニアマネージャー」と呼ばれる役職になります。(ストレートに昇格した場合。)

ここまでくると、年収は 評価が高ければ1,300万を超える可能性が出てきます。比較的規模の小さい上場企業の部長クラスですね。

年齢的には、30代中盤~40代になります。

一般的な30代~40代サラリーマンの平均年収が約550万ですので、この時点でも一般人の2倍以上の給料を稼げます。

生活は豊かになり、不動産投資などを始める人も多いですね。

 

またこの頃になると、たとえば「書籍の執筆」や「リクルートでの面接官」「セミナー講師」などを任されるようになります。

そのため、年収の増加とともに会計士としての仕事の幅も、さらに増やしていく事ができますね。

なお、この上には「パートナー」という役職が待っており、監査法人内での一つの「ゴール」とも呼べるポジションになります。門は狭く、出世争いが最も激しい時期になります。

 

17年目以降の年収:1200万~3000万

17年目以降では、「パートナー」という役職に就くことができます。

年収はグッと増額され、BIG4の役員クラスになると年収3,000万まで膨れ上がります。

もはやこの辺りになると、年収どうこうという段階ではなくなります。

年収よりも別の「使命感」や「地位」のために働く公認会計士が多いです。

ちなみに「パートナー」というのは外資系企業の役職名でして、日本企業でいうところの部長~役員の間くらいの役職になります。

パートナーになると、会社からの接待の機会も増え、しばしば高級店に出入りされている様子も目にします。(うらやましい)

実際に僕と同じチームにいたパートナーは、貯金が1億円以上と噂されている人もいました。(かなり下世話ですが、会計士は噂好きの人が多く、、、。)

こんな感じで、監査法人内では上限年収3000万円ほどになります。一般企業だと、副社長クラスでないと達成は難しそうですね。
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公認会計士が転職した時の年収の変動

次に、公認会計士の転職についてです。

一般的には、「転職すると年収は下がる」と言われていますが、公認会計士の場合はどうでしょうか。

実は結論として、年収はほとんど変動しません。(僕の場合はむしろ大きく増えました。)

理由は2つです。

 会計士の転職時の年収が、下がらない理由

  • 転職時の年収は、前職の給与水準を参考にするため
  • 公認会計士の数が、圧倒的に不足しているため(売り手市場)

 

1つは、転職先での報酬交渉において、前職の年収を参考にするからです。

いきなり生活水準を落とさせることは難しいので、企業側も大きく給料を下げることは難しいわけです。

2つ目は、公認会計士の数が不足していることが理由です。

公認会計士試験の合格者は、年に1,000人程度です。

市場に公認会計士の数が足りていないので、当然売り手市場となり、給料を高く払っても欲しいという企業が増えます。

ちなみに僕のケースですが、監査法人からコンサルティング会社に転職したところ、むしろ年収が上がりました。

 僕のケース

  • 監査法人経験: 4年半
  • 辞めた時点での年収: 720万
  • 転職後1年目の年収: 912万

もちろん、人によっては下がる人もいます。

たとえば小さな会計事務所に転職すると、年収が下がる傾向にあります。

会計事務所では主に税務を扱いますが、監査法人では税務について学ぶことが少ないため、この点で年収ダウンに繋がります。

また、単純に組織の規模の小ささも関係します。

コンサルティング会社や一般事業会社の経理に転職する場合は、多くの場合、年収は下がりづらく、むしろ上がるケースもあります。

公認会計士の転職先は「引く手あまた」なので、年収の高い転職先をかんたんに選べます。
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公認会計士の職場は、福利厚生がほぼ無い。

補足的ですが、注意点です。

実は、監査法人では福利厚生がほとんどありません。

たとえば家賃補助等は無いのが通常ですので、全て自分で負担しなければなりません。

一方で、たとえば優良上場企業などであれば、家賃補助が出る会社もあります。

なので、単純に年収だけで比較することはできませんので、要注意です。

収入面は以上です。
次に、公認会計士になるためにかかるコストを見ていきましょう。

 

公認会計士になるためにかかる費用

これから公認会計士を目指す上で、検討すべき「コスト」とは何でしょうか?

実際に、僕が公認会計士になるまでにかかったコストは、以下の通りです。

  • 受験に専念した時間(3年間)
  • 予備校代(3年分)
  • 市販の教材購入費
  • 文房具(ペンを大量に消費)
  • 受験料

以上です。
一番大きなコストは、3年という時間でした。

なお、その他コピー代やルーズリーフ代もありますが、金額僅少のため今回の検証からは除外します。

では、それぞれ具体的に見ていきましょう。

 

① 受験に専念した時間

ここでは、「時間」をコスト(お金)に換算します。

本記事では、受験勉強をしていた期間に、会社で働いていたら得られたであろう所得をコストであると考えます。

僕が受験勉強をしていた期間は、3年と3ヶ月でした。
当初は2年と3ヶ月で受かる予定でしたが、1度落ちたため、もう1年勉強しました。

これは割と一般的なケースです。
※特に公表されたデータではありませんが、受験生同士の共通認識として、3年はかかるよねという認識が一般的です。
>>関連記事:会計士試験に4000時間で受かるのは無理です。本当の勉強時間は?

 

また、日本公認会計士協会の公表データによれば、公認会計士試験の合格者平均年齢は、25.0歳です。
(参考:平成30年公認会計士試験の合格発表について

つまり、22歳から勉強をスタートし、25歳で合格するというのが標準的なケースになります。(便宜上、これを前提として話を進めます。)

ではここで、この間に会社で働いていたら得られたであろう所得を計算ます。

ここでは、国税庁の公表データを用います。
(参考:国税庁による民間給与実態統計調査結果

便宜的に男女の平均年収を用いて、年収増加率を20歳~29歳での一次関数で算出します。

\一般会社員の年収推移

これによれば、22歳~25歳の3年間で得られたであろう所得は、876万円と算出されます。

つまり、3年間仕事をせず勉強に専念することで、876万円を稼ぎ損ねているということになります。

 

② 予備校代

こちらは予備校によって多少の差がありますが、2年コースで平均60万円程度です。

更に、2年コースでは合格できず、翌年の受験で合格するケースが一般的ですので、もう1年分のコースを受講する必要があります。
こちらは、平均30万円です。

よって予備校代の平均は、合計90万円と算出されます。

 

③ 市販の教材購入費

僕は市販の教材も少し購入しました。

  • 短答式試験対策の問題集 8冊
  • 企業法の一問一答問題集 1冊
  • 企業法の論文問題集 1冊
  • 財務会計論(計算)の論文式問題集 7冊
  • ポケット六法 2冊
  • 法令基準集 5冊

こんな感じです。
ざっくり、合計7万円ほどですね。
>>関連記事:【公認会計士】市販教材はこれだけで十分です【厳選6選】

 

④ 文房具

単価が安いので無視しても良さそうですが、念のため検証してみました。

過渡期になると、毎週1本のペースで黒のボールペンを消費しています。

使うのは、黒のボールペンと蛍光ペンです。
平均して2週間に1度ペンを消費すると仮定します。
ペンは1本100円とします。

3年間×26週間×100円=7,200円

ここではざっくり、合計1万円とします。

 

⑤ 受験料

受験料は、1回19,500円です。
2度受験することを前提としますので、受験費用は約4万円です。

 

公認会計士になるためにかかるコスト合計

いよいよ、費用の合計です。

  • 受験に専念した時間 876万円
  • 予備校代 90万円
  • 市販の教材購入費 7万円
  • 文房具 1万円
  • 受験費用 4万円
  • 合計:978万円

約1,000万円です。

かなりの金額ですね。
僕も公認会計士ですが、自分で計算してみて少し驚きました。

 

公認会計士と一般サラリーマンの生涯年収を比較

以上で、収入と支出が分かりました。

ここからは、収入から支出を差し引き、実際にいくら儲かるのか(純額)をお示しし、一般サラリーマンの生涯年収と比較してみたいと思います。

 

一度整理しましょう。

会計士試験の受験に専念すると、一般の人と1,000万円もの所得の差を付けられてしまう

ということが分かりました。
ここまでは、会計士が1,000万円のマイナスです。

しかし!

合格後に大きく巻き返すことができるのが、公認会計士の凄いところです。

合格後(ここでは25歳を想定)からの収入の推移を比較してみましょう。

一般会社員と公認会計士の年収比較

スタートの時点で、一般会社員と大きく差を付けています。

なお、公認会計士の年収は、52歳で頭打ちになると仮定しています。
(一般会社員と異なり、下がることはありません。)

次に、25歳以降の生涯年収を計算します。
なお、67歳まで働くと仮定します。

25歳~67歳までの間で得られる所得は、次の通りです。
(年金は考慮しません。)

  • 一般会社員 1億8965万円
  • 公認会計士 5億3150万円

公認会計士は、一般会社員の2.8倍稼ぐ事ができるという結果です。

そしてここから、公認会計士の初期コスト(978万円)を差し引きます。

  • 一般会社員の生涯年収: 1億8965万円
  • 公認会計士の生涯年収: 5億2,172万円

以上のとおり、生涯年収には約2.75倍もの差があることが分かりました。

大人3人分の給料を、たった1人で稼げます。凄すぎですね。

また、初期コスト(978万円)は3年で回収できます。

お得だと思いませんか?

僕は超お得だと気付いたので、公認会計士になりました。
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公認会計士の年収まとめ

結論です。

  • 年収は一般人の2~3倍
  • 公認会計士受験にかかるコスト(時間)は、無視して良いレベル
  • 合格後、3年でコストを回収できる
  • 「公認会計士」という地位・名誉もついてくる

以上です。

公認会計士という資格は、弁護士・医師ほどの知名度がないのですが、コスパは最高だと思います。

 

公認会計士を取得するための勉強スタイルやスケジュール感をリアルに知りたい方は、スクールのパンフレットを入手すると良いですよ。

具体的なスケジュールや、合格体験記を読むことができるので、「これなら自分でも取れそうだな」と実感される方も多いです。
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