会計士がコンサルに転職する前に、少し考えた方が良いこと【実体験】

こんにちは、公認会計士のロディです。

コンサルへの転職を考え中の会計士の方へ。
この記事からは、次の情報が得られます。

  • 会計士の転職先としての、コンサルの種類の解説
  • コンサルのメリット・デメリット
  • コンサルに転職する際の注意点
  • 求人動向

ちなみに、僕自身も30代でコンサル業界に転職しています。
年収も200万UPしたので、わりと成功でした。

成功の秘訣等もありますので、長いですが是非ご参考ください。

 

 

会計士がコンサルに転職する前に、少し考えた方が良いこと

僕は、元々コンサル志望の会計士です。
監査法人で4年間働き、会計士資格を取得した後、すぐに転職をしました。

しかし、コンサル業界は非常に広く、転職活動では様々な学びがありました。
そこで今回は、僕がコンサルに転職して学んだ情報を お話したいと思います。

転職未経験の方は特に、読んでいただくと参考になるかと思います。

 

コンサルと言っても、種類は沢山

一言に『コンサル』と言っても、種類は沢山あります。
会計士が転職する場合の『コンサル』には、次のような種類があります。

コンサルの種類

1.FAS(フィナンシャル・アドバイザリー・サービス)
2.会計税務アドバイザー
3.再生コンサル
4.戦略コンサル

初めて転職される方にとっては、どれもイメージが沸きづらいですよね。
それぞれ、具体的なイメージをご説明します。

 

FAS(フィナンシャルアドバイザー)

FASは、次の3つのサービスに分類されます。

FASの種類

  • 財務DD
  • バリュエーション
  • 不正対応(ややマイナー)

 

 財務DD

財務DDとは、財務デューデリジェンスの略です。企業がM&A(買収)をする際に、投資対象企業のF/Sを見て企業価値を評価し投資の意思決定を行いますが、そもそもF/Sを正しい形(買い手側の会計方針に合わせた形)に補正必要があります。この補正作業を、財務DDといいます。(厳密には、F/Sが正しいかどうかの『確認作業』のみを財務DDと呼びますが、それだけで契約が完結することは有り得ず、実務では補正までを1セットの契約とします。)
通常は企業会計基準ベースで補正するので、監査法人時代の会計知識をそのまま活かすことができます。
また、場合によっては企業会計上のあるべき処理よりも、実態としてあるべき処理をするケースもあり、状況に応じた判断が必要となります。
その点で、監査経験を活かしつつも新たな知識を習得でき、監査法人出身の会計士が最もとっつきやすいコンサル分野です。

 

 バリュエーション

バリュエーションとは、財務DDの次のフェースで実施される『企業価値評価』を指します。正しく補正されたF/Sをもとに企業価値を算定する業務を、バリュエーションと呼びます。バリュエーションには、①コストアプローチ、②マーケットアプローチ、③インカムアプローチという3種の評価手法があります(会計士試験で学習したアレです)。多くの場合はこれら複数の手法で評価し、平均値を算出します。これらの手法は古くから用いられている手法で、研究もし尽されているため、トレンドによって手法が変化する事はまずありません。なので、決まった公式に当てはめていく作業がメインとなります。理系の会計士がやや得意なコンサル分野です。
また、基本的に財務DDの延長線上にある仕事なので、財務DDとバリュエーションをセットで請け負うことが多いです。

 

 不正対応

不正対応とは、不正の予防および対応というコンサル分野です。『フォレンジック』とも呼ばれます。こちらも会計監査と親和性の高い分野であり、監査法人内において同様の部署を有している法人もあります。不正の『予防』よりも『対応』の方が業務量は多いです。なぜなら、日本企業は不正の予防にあまり力を入れておらず、実際に不正が発生した時に初めて重い腰を上げるためです。不正対応は、引き受けるとすぐに繁忙期になるのが特徴です。また、業務内容がややネガティブであるため、監査と同様にクライアントから感謝される機会は少ないです。

 

なお、FASの中に「再生系コンサル」を含めて表現するケースもありますが、これはあくまで広義の意味でのFASです。
狭義には再生系コンサルを含みません。(業務内容が一部被るので、含める事があるのです。)

 

会計税務アドバイザー

 

会計税務アドバイザーは、その名のとおり、企業会計や税法に基づいたコンサルティングサービスです。
その具体的な業務内容は多種多様であり、やや大きな括りとなります。

たとえば会計税務アドバイザーの仕事には、次のような業務があります。

 会計税務アドバイザーの仕事

  • 会計システム導入支援
  • 内部統制構築支援
  • プロジェクトファイナンスにおける税務アドバイス
  • 連結会計コンサルティング

 

FASに比べると、『税務アドバイス』も同時に必要となるのが特徴です。
そのため、会計税務アドバイザリーを提供するコンサルティング会社は、通常 公認会計士だけでなく税理士も数多く保有しています。

公認会計士としての経験を用いることができ、加えて税務スキルも向上させることができますので、こちらも公認会計士に人気のコンサルティング分野です。
ただし、業務内容はやや職人的になります。つまり、『会計基準の趣旨から判断して実質を見出す』というクリエイティブさが若干損なわれ、『税法のここに書いてあるからこのように処理する』という機械的な仕事が増えます。

考える事の面白さよりも、粛々と作業を進める事に面白味を感じる方にとってはオススメかもしれません。

 

再生コンサル

企業再生・事業再生を指します。

ざっくり言ってしまうと『地方の傾いている組織を立て直す』という仕事です。
監査とは対極にある職務内容とも言え、特に若手の会計士に人気の分野ではあります。多くの場合、金融機関から『債権者の財務状況を改善して欲しい』という依頼で、契約がスタートします。そのため、クライアント・金融機関・その他債権者等、登場人物が非常に多く、泥臭い仕事もやや増えるでしょう。

中小のコンサル会社の場合、自社でできることに限界があるケースもあります。その場合、『自力での再生は困難→M&Aで買収してもらう』という選択を行うケースが増え、あまり『やりがい』を感じない事もあります。そのため、『やりがい』を重視するのであれば大手ファームへ転職すべきでしょう。

 

戦略コンサル

戦略コンサルは、いわゆる事業コンサルです。

例えば、経営コンサルタントと呼ばれる職業がこちらに該当します。
一般的にコンサルと言うと戦略コンサルを思い浮かべる方が多いですが、公認会計士の転職先としてはあまりメジャーではありません。

仕事の内容としては、企業の事業戦略を分析し、収益性を高める事業戦略を提案するというものになります。
非常に魅力的な業務内容ですが、監査法人での経験はほぼ役に立たないと思って良いでしょう。

あくまで「会計」は戦略遂行のための1つのツールとして位置づけ、常に勉強が必要になります。

 

転職者の人気は、FAS>会計税務>再生>戦略

会計士が転職先として選ぶ『コンサル』は、人気順に 『 FAS > 会計税務 > 再生 > 事業コンサル 』です。
ここでは、それぞれをもう少し細かく、どんな人におすすめか?という視点で説明します。

1.FAS

会計監査の経験を最も活かすことのできる分野であり、また会計士を求めている企業も多いです。
良い点は、会計士としてのオーソドックスなコンサル経験を積むことができることです。財務DD・バリュエーションと言った経験は、例えばその後に別のコンサルティング会社や企業に転職した際にも活用する事のできるスキルです。今後のキャリアの間口を狭めたくない方にとっては、一番良い選択肢でしょう。

2.会計税務アドバイザー

いわゆる『コンサルタント』というイメージよりも、やや『業務請負人』といったイメージの方が正しいかと思います。仕事はクライアント先に常駐するケースもありますが、自分の会社で作業をし納品時にクライアント先へ出向く、というケースの方が多いでしょう。また税務のスキルを学ぶことができるので、会計監査+税務というコンサルを経験することができます。この分野は組織の強みが色濃く出る分野なので、『会計税務ならコレ』という分野はありません。組織ごとに提供するサービスは全く異なります。(そのため、説明がやや抽象的になってしまいます。)
受託した業務を粛々と進めたいという方にオススメの選択肢です。

3.再生コンサル

若手に人気のある職種ですが、実は欠点がいくつかあります。
まず出張が非常に多いです。再生コンサルのクライアントは、業績の傾いている地方の中小企業がメインです。地方の中小企業の場合、業務をシステム化できていないケースが多く、またフェイスtoフェイスでの業務を好む傾向があり、地方のクライアント先で仕事をするケースが多いです。
また、報酬が安いです。監査法人や事業会社に所属していると、プロジェクトの報酬はあまり給与に関係ありませんが、コンサルティング会社の場合は給与にも影響します。影響を与えるのは基本給であったりボーナスであったり様々ですが、組織としてもあまりお金にならないサービスですから、当然従業員に対する給与も安くなります。
一方で、『やりがい』は非常にあります。相談をしてくるクライアントは、本気で助けを求めている経営者です。自分の仕事・助言によって、1人の経営者・1つの組織が救われることがあります。コンサルが成功した場合、監査では絶対に味わうことの出来ない『感動』が得られます。『地方の企業を助けたい』『困っている人の役に立ちたい』という人にはオススメの選択肢です。

4.戦略コンサル

事業再生は、敷居が高いため意外と人気のない業種です。
全てのコンサルの中で一番激務なのが戦略系コンサルです。会計士は会計のプロフェッショナルではあるものの、事業戦略のプロフェッショナルではないため、1から勉強をしなければなりません。そのため業務にかける時間は非常に多くなりますし、元々が激務の業界です。加えてライバルが非常に優秀であり、組織内でも常に出世争いとなることは想像に容易いでしょう。一方で、再生コンサル同様に『やりがい』が非常に得られます。クライアントは、基本的に大企業(またはその子会社)がターゲットになります。大企業の商売の仕組みが理解できるので、大きくスキルアップでき、またその企業の収益性を高めることに成功できると、『何物にも代えがたい喜び』が得られます。こちらは大組織を相手に『やりがいを感じたい』という人にオススメです。ちなみに、給与水準は非常に高いです。

 

コンサルのメリット・デメリット

コンサルにも色々ありましたが、ここではコンサル全体としての『メリット』『デメリット』をお話します。

 

デメリット

先にデメリットからご紹介。

  • 忙しくなる可能性がある
  • プライベートの予定を立てづらい

かんたんに説明します。

 

 忙しくなる可能性がある

コンサルティング会社は、監査法人ほどではありませんが、基本的に忙しいです。
なぜなら、コンサル案件は基本的に収益性が高く、『来た案件は基本的に受ける』というスタンスのファームが多いからです。

もちろんその分基本給は高いですし、残業代も相当貰えます。
『やりがい』『面白さ』を感じながらの業務なので、多少忙しくても、監査法人時代のようなストレスを感じることは稀です。(これも実体験。)
また、コンサルであっても、ファームによっては残業がほとんどないという組織もあり、たとえば筆者の知人のコンサルファームは月10~20時間程度です。

 プライベートの予定を立てづらい

コンサルの仕事は、多くの場合『プロジェクト単位』で組成されます。
また、急に契約しスタートするプロジェクトもありますから、急にバタバタと忙しくなる事があります。
そのため、いつ忙しくなるか分からず、プライベートの予定が立てづらいというデメリットがあります。
これはコンサル唯一の弱点と言えるでしょう。
ただし、こちらもコンサル会社によっては業務量をセーブする所もありますから、ケースバイケースです。

 

メリット

メリットは2つです。

  • やりがいがある
  • 年収がほぼ確実に上がる

こちらも、かんたんに説明します。

 

 やりがいがある・面白い

第一に、総じてやりがいがあります。筆者もコンサルに転職しましたので、これは断言できます。
監査法人での仕事は、多かれ少なかれ『クライアントから嫌な顔をされる』ことがあります。これは業務の特性上、仕方がないです。
一方、コンサルティング業務は、いずれの業態においても『クライアントから感謝される』仕事です。クライアントから頼られ、今までの経験・知識を提供してあげることで、クライアントに喜ばれます。
このことから、監査法人での業務の何十倍も面白さを感じることができます。
監査法人時代、前のめりで仕事ができましたか? コンサルでは、『あぁ、これが本当に面白い仕事なんだ』と思える程、前のめりで仕事ができますよ。

 年収がほぼ確実に上がる

中には年収維持というコンサルティングファームもあるのかもしれませんが、ほぼ確実に、監査法人/事業会社よりも年収が増加します。
なぜなら、『コンサル』は直接クライアントの収益性を向上させる業務だからです。(一方、『監査』や『経理』は収益獲得に直接関係しないため、給与が伸び悩みます。)
ちなみに筆者の場合は、会計士歴5年目で転職し、年収が700万⇒900万に増加しました。
『やりがい』『高収入』が同時に手に入るので、個人的にコンサルはかなりオススメです。

 

このように、コンサル職は非常に魅力的なので、求人はすぐになくなります。
今すぐ転職する気がなくても、転職エージェントに登録し、自分の好きな求人をストックしておく必要はあります。
登録を面倒くさがっていると、選択肢はどんどん減ってしまいますからね。
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コンサル業界の求人動向

コンサル業界の転職市場は、景気に左右されます。
なぜなら、景気が良い時はコンサルタントを雇う余裕があるからです。

たとえば景気が悪い時は、M&Aという投資戦略を行う企業が減ります。すると必然的に、M&Aコンサルを雇う企業も減ります。
また、従来は外部委託していた会計税務コンサルも、できる限り内部で行おうというマインドになります。
再生系は逆に伸びる傾向にありますが、元々利益率が低く、さほど会計士を必要とするコンサルティングファームは増加しないでしょう。

で、2019年現在はどうかというと、会計士の転職市場は、やや売り手市場です。
ただし、近年会計士の数が足りてきており、買い手市場に転じてきています。(監査法人の定期採用を見ても、明らかですよね。)

転職をしたい気持ちがあるなら、早めに活動を始めた方が良いでしょう。
こうしている間にも、どんどん転職しづらくなっていますからね。

良い求人は、特にすぐなくなります。
今すぐ転職する気がなくても、求人情報はストックしておくべきです。
優良な会計士向け求人が集まるエージェントは、次のサイトです。
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コンサルに転職する際に失敗しやすいポイント

まず転職の『一般論』として、転職時には次のような準備を行います。

  • スキルの棚卸
  • 12項目の自己分析
  • 業界研究
  • 企業研究

会計士はこのような『一般的に転職で必要な事』を知らない人が多いので、まずこれらの基礎は知っておくべきです。(ここでは解説を割愛します。エージェントに聞けば教えてくれますからね。)

次に、コンサルへの転職時に失敗しやすいポイントを紹介します。

ポイントは3つです。

  • 『やりがい』だけで選んではいけない
  • コンサルの種類を見誤らないように注意
  • 中堅コンサルに転職の際は要注意

 

『やりがい』だけで選んではいけない

コンサルは、確かに『やりがい』No.1の転職先です。
しかし、当然それ以外にも選ぶべきポイントはあるはず。例えば『今の職場の人間関係にストレスを感じる』のであれば、『職場の人間関係』も転職の軸になりますよね。
監査法人出身の人は特に『やりがい』だけを重視しがちですが、本当にそれは求めているものなのか? しっかりと考える事で、コンサルの中でもより良い選択肢が見つかるはずです。

コンサルの種類を見誤らないように注意

初めに述べたとおり、会計士のコンサル業界は色々あります。
業界によってやれる事は違いますし、組織の規模によってもやれる事は違います。
また、同じFASのバリュエーションでも、組織によって得意とする業種・分野が異なったりもします。
この辺りは一人で情報収集するのには限界があるため、実際に求人票を入手し、詳細を確認しましょう。

中堅コンサルに転職の際は要注意

色々経験できますよ』という謳い文句、よく耳にしませんか?
中小のコンサルでよく『売り』にしています。が、少し注意しましょう。
『色々経験できる』というのは、裏を返せば『毎回違う仕事をする』ということです。
つまり、大手コンサルに比較すると、1つの仕事に慣れるために時間がかかります。
多くを手広く経験し、引き出しとなるスキルを増やしたければ中小コンサル、1つの特化したスキルを早く手に入れたければ大手コンサル、という選択がオススメです。

 

転職を成功させる方法は、たった1つ。

コンサルは、(特に監査法人出身の会計士からは)非常に人気の業界です。
ちょっとだけ活動してみようかな? という気になった人も多いでしょう。

ここで、『コンサルへの転職を成功させる方法』を1つだけ。

それは、今すぐ転職エージェントに登録することです。

理由は2つです。

第一に、企業とのやり取りを代行してもらえるからです。
『アポイント』『組織風土の調査』『年収交渉』これらを1人で進めるのは、不可能に近いです。
特に『年収交渉』は、エージェントを使った場合50~100万ほど上げられるケースがあります。
純粋に、エージェントを使わないと機会損失が生まれます。

第二に、先延ばしにすると、いつまでも前に進めない可能性があるからです。
特に『今何らかのストレスを抱えている』場合、更に悪化してしまうと、もはや登録する気力さえなくなってしまいます。
エージェントに登録し、気になる条件を伝えておけば、あとは毎日自動的に求人をメールで送ってもらえます。
これらの求人をストックしておくだけでも、『転職という選択肢』ができて、気力がなくなる前に転職という手が打てます。

転職エージェントの利用は、オール無料です。
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信用力の高いエージェントなので、書類選考率がほぼ100%というメリットもあります。
>>関連記事:『マイナビ会計士』の評判と口コミを一挙ご紹介【実体験もあり】

ちなみに、登録は3分で完了します。
転職に興味をもった今が、一番転職に成功しやすいタイミングです。

『会計士の市場価値』は、想像を遥かに超えています。
今よりも条件の良い求人は多くありますから、他の人に取られる前に、ストックしておくべきですよ。

 

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