【年収比較】公認会計士vs税理士 どっちがおすすめ?【2020】

こんにちは、公認会計士のロディです。

会計士と税理士って、似たイメージを持たれる方も多いですよね。
では、年収はどうでしょうか?

様々なWebサイトで会計士や税理士の年収が公開されていますが、
正直、現実と乖離した情報が多いです。
(おそらく、会計士・税理士ではない人が想像で書いてます。)

本記事では、実際の年収はいくらなのか、現状のリアルな情報を提供したうえで比較します。

ちなみに、私自身は現役の公認会計士ですので、公認会計士の正確な年収について提供することができます。
一方で、私は税理士ではありません。

そこで、今回は公正を期すべく知人の税理士にも協力をしてもらい、正確な情報を提供し比較したいと思います。

 

[ 目次 ]

1.公認会計士になるには?税理士になるには?
  ① 公認会計士になるための流れ
  ② 税理士になるための流れ
  ③ 違いは「就職後も試験があるかどうか」
2.公認会計士と税理士の、「仕事内容」の違い
  ① 扱う分野・フィールドの違い
  ② クライアントとの「距離」の違い
  ③ 独立後の働き方の違い
3.公認会計士と税理士の、「年収」の違い
4.公認会計士と税理士の、「受験資格」の違い

5.公認会計士と税理士の、「勉強内容」の違い
  ① 試験科目は?
  ② 合格率は?
  ③ 勉強時間は?
  ④ 難易度は?
  ⑤ 独学での合格は可能?
6.まとめ

 

 

公認会計士になるには?税理士になるには?

公認会計士、税理士、それぞれになるためのステップは少し異なります。

 

公認会計士になるための流れ

公認会計士になるには、次のステップを踏みます。

 公認会計士になるための流れ

① 短答式試験に合格
② 論文式試験に合格
③ 監査実務に「2年間」従事する
④ 補習所に「3年間」通う
⑤ 修了考査に合格する

ポイントは、「論文式試験に合格すると、仕事を始めることができる」という点です。

「公認会計士」として登録し、名刺に資格を書けるようになるには、⑤の修了考査に合格する必要があります。

しかし、実際は論文式試験の合格後から「公認会計士」とほぼ同様の仕事をすることになりますので、この時点で(名刺には書けないものの)公認会計士と呼ばれるようになります。

勉強スタートから論文式試験の合格までには、平均2~3年かかります。

また、③監査実務の経験と、④補習所への通学は、時系列としては同時に進行します。(つまり、働きながら補習所に通います。)

そのため、就職後から修了考査に合格するまでには、通常3年かかります。

よって、勉強スタートから「公認会計士」として名刺に書けるようになるには、合計で5~6年かかります。

なお、詳細な流れについては、次の記事で細かく解説しました。

公認会計士になるには?

公認会計士になるには?【なり方を、初心者向けにシンプル解説】

2019/04/01

 

税理士になるための流れ

税理士になるには、次のステップを踏みます。

 税理士になるための流れ

① 試験科目のうち、5科目に合格
② 税務実務に「2年間」従事する

税理士試験に合格するためには、平均で3~5年が必要になります。

よって、税理士の勉強をスタートしてから、「税理士」として名刺に書けるようになるには、平均で5~7年ほどかかります。

 

違いは「就職後も試験があるかどうか」

公認会計士、税理士になるための流れの「違い」は、「就職後も試験があるかどうか」です。

税理士の場合は、試験に合格した後、「2年間」仕事をすれば登録ができます。

しかし公認会計士の場合は、試験に合格した後、仕事をしながら「3年間」補習所に通い、修了考査に合格する必要があります。

 「補習所」って何?

ロディ
補習所というのは、実務を知るための「塾」のようなもので、「大学のゼミ」をイメージして頂くと良いです。(1つの大きな教室で、300~400人くらいの合格者が、2時間半の講義を受けます。)

 

3年間で所定の単位を取得する必要があり、通学のほかeラーニングでも授業を受けることが可能です。

基本的には出席しているだけで単位が貰え、途中に何度かある「考査」という小テストのようなものもパスする必要があります。(難易度は非常に簡単です。)

そのほか、公認会計士の横のつながりが形成できますので、かなり有益な場です。

【公認会計士】補習所って何?実際に通ってきたので、お話します。

2019/04/16

 

 「修了考査」って何?

ロディ
修了考査というのは、公認会計士登録するための「最終試験」です。一応「試験」ではありますが、「確認テスト」としての位置づけであり、合格率は70%と非常に簡単な試験です。

 

「公認会計士試験」というと、通常は「短答式試験」「論文式試験」の2つを指します。

「修了考査」も一応試験ではありますが、難易度が非常に易しいため、あまり重要視されません。

勉強期間は2~4週間程度でして、職場から「試験休み」も貰えますので、ふつうに勉強をしていれば誰でも合格できます。

【公認会計士】修了考査がヌルゲーすぎた件【勉強法解説】

2019/09/19

 

「授業を受けるのが面倒…」と感じる時も確かにありましたが、「辛さ」とかはさほど感じませんでした。

そのため、公認会計士、税理士になるための「流れ」としては、さほど大きな違いはないと感じています。

 

公認会計士と税理士の、「仕事内容」の違い

公認会計士と税理士の、「仕事内容」の違い

次に、公認会計士と税理士の「仕事内容」の違いです。

公認会計士と税理士は、そもそも異なる資格ですから、「専門とする分野やフィールド」が異なります。

また、両者はやや「立場」が異なるため、「クライアントとの距離感」も変わります。

そして、独立後の働き方も異なります。

 

扱う分野・フィールドの違い

公認会計士と税理士の仕事内容、扱う分野、そしてお客さん(クライアント)は、次のとおりです。

  公認会計士 税理士
主な仕事内容 会計監査 税務相談、税務申告
扱う分野 会計 税務
主なクライアント 大企業 大企業、中小企業、個人

公認会計士の仕事は、企業の「決算書」(成績表)が正しいかどうか、チェックする仕事です。(これを、会計監査といいます。)

大企業は「決算書」を公認会計士にチェックしてもらう義務がありますので、公認会計士のメイン顧客は、「大企業」になります。

公認会計士の仕事内容は少し分かりづらいと思いますので、「公認会計士の仕事内容と、1日の働き方」の記事のほうで詳細にまとめています。

一方、税理士の仕事は、「企業」や「個人」の税金計算です。

企業なら、法人税・事業税、個人なら所得税など、会社の規模に関わらず、国民全員が「税金」に関わります。

そのため、税理士のクライアントは、すべての会社・個人になります。

 

ロディ
公認会計士の主たるフィールドは限定的であり、税理士のフィールドは非常に広い、という点が大まかな違いです。

 

また「会計」と「税務」という領域は、似ている部分もありますが、分野としては大きく異なります。

こちらは、「勉強内容」の章で詳しくご説明します。

 

 独占業務とは?

公認会計士と税理士には、それぞれ「独占業務」と呼ばれる業務があります。

独占業務とは、文字通り「独占している業務」であり、「公認会計士でなければできない業務」「税理士でなければできない業務」をいいます。

 

上記でも軽く触れましたが、それぞれの独占業務は次のとおりです。

独占業務

  • 公認会計士の独占業務:会計監査
  • 税理士の独占業務:税務相談、確定申告の代行

 

このような独占業務があるため、公認会計士や税理士は安定して仕事を得ることができます。

 

クライアントとの「距離」の違い

公認会計士と税理士の仕事内容は上述のとおりですが、僕が仕事をしていて最も感じるのが、クライアントとの距離の違いです。

  • 公認会計士:クライアントを監査する
  • 税理士  :クライアントの税務資料を作る、相談を受ける

 

公認会計士の「監査」という仕事は、クライアントを「監視」「調査」する仕事です。

一方で税理士の「税務相談」「税務申告」という仕事は、クライアントに「教える」「手助けする」仕事です。

つまり、公認会計士はクライアントからやや離れた位置におり、(悪い言い方をすれば)クライアントから煙たがれ安い存在です。

一方、税理士はクライアントに寄り添った位置にいるため、クライアントから感謝されやすい存在です。

 

ロディ
もちろん、これはごく一部の仕事のお話です。公認会計士になっても「コンサル」といった仕事はできますので、「嫌われるのが仕事」という訳ではありません。

 

独立後の働き方の違い

独立後の主な業務は、次のとおりです。

 独立後の働き方

  • 公認会計士:監査、M&Aコンサル、IPO支援、経営コンサル
  • 税理士  :税務相談、税務申告、経営コンサル

 

公認会計士の場合、監査法人で培った「監査」「IPO支援」のスキル、そして付随して「M&A」のスキルを用いたコンサルに従事することが多いです。

また、小さな会社の経営コンサルを手掛ける若手会計士も多いです。

なおIPOとは、「株式上場」のことを言います。自社を上場させたいベンチャー企業に対し、会計面でサポートする仕事であり、特に若手の公認会計士が好きなフィールドです。

 

一方、税理士の場合は、会計事務所や税理士法人での業務と大きく変わることがなく、引き続き「税務相談」「税務申告」を行うことになります。(ただし、クライアントの規模は小さくなり、個人のお客さんが増えます。)

税理士は、前職(会社員)での仕事内容が 独立後もそのまま生きるため、独立する方の割合が非常に多いです。

 

また、(少し細かい話ですが)仕事の「単価」面でも、公認会計士と税理士とで少し異なります。

 仕事の単価の違い

  • 公認会計士:単価は高いが、単発の仕事が多い
  • 税理士  :単価は安いが、継続的な仕事が多い

公認会計士は、「コンサル」がメインになります。

M&AやIPOのコンサルは、プロジェクトが終了すると契約も終わりますので、「単発」の仕事です。しかし、単価は大きいです。

一方、税理士は、「税務申告」がメインになります。

確定申告は企業・個人ともに毎年するものですから、毎期継続して、契約を締結できるケースがほとんどです。ただし、単価は安いです。

 

 公認会計士の場合、税理士として働くケースが多い

公認会計士の場合、独立後は「単発」の仕事が多くなりますから、生活が安定しなくなるリスクがあります。

しかし、(後述しますが)公認会計士の場合、「税理士」として登録することができます。(逆に、税理士が公認会計士になる事はできません。)

そのため、公認会計士として単発での高額契約をこなしながら、税理士として安定した仕事をこなすという、「良いとこ取り」ができます。

 

公認会計士と税理士の、「年収」の違い

公認会計士と税理士の「平均年収」は、次のとおりです。

 

 

公認会計士と税理士の、「受験資格」の違い

 

公認会計士と税理士の、「勉強内容」の違い

 

  ① 試験科目は?
  ② 合格率は?
  ③ 勉強時間は?
  ④ 難易度は?
  ⑤ 独学での合格は可能?

まとめ

 

 

 

2.会計士の年収

実は、以前に大手監査法人の年収推移を記事にしています。

公認会計士の年収はどのくらい?【私の給料明細を見せます。】

そこで、ここでは結論だけ記載します。

  • 1~2年目:年収500万~650万

  • 3~4年目:年収650万~750万

  • 5~8年目:年収750万~900万

  • 9~12年目:年収900万~1100万

  • 13~16年目:年収1100万~1200万

早ければ入社10年目で1,000万の大台に乗る、という結論ですね。

17年目以降もどんどん給与が増えますが、ここでは省略します。

3.税理士の年収

次に、税理士の年収です。

3-1.税理士事務所

税理士法人に比べると、規模が小さく、給与水準も比較すると低くなります。

まず、結論です。

  • 1~3年目:年収400~500万

  • 4~6年目:年収500~650万

  • 7~9年目:年収650~750万

  • 10~12年目:年収750~800万

  • 13~16年目:年収800~900万

このような推移が現状です。

こちらは、税理士事務所の規模によって若干異なります。
例えば小規模な税理士事務所の場合、年収800万で頭打ちになるケースも多いようです。

一方で、中堅クラスの税理士事務所になると、15~16年目で1,000万の大台に乗るケースもあります。

規模によって幅があるため、平均値として算出しました。

3-2.税理士法人

次に、税理士法人です。

こちらも結論から。

  • 1~2年目:年収450万~550万

  • 3~4年目:年収550万~650万

  • 5~8年目:年収650万~900万

  • 9~12年目:年収900万~1100万

  • 13~16年目:年収1100万~1200万

推移はこのようになります。

税理士事務所と比較すると、各段に給与水準が高くなりますね。
給与水準が高くなることには、1つ理由があります。

それは、BIG4の存在です。

BIG4

Deloitte、KPMG、EY、PwCという4つの大きな国際会計事務所を指します。
いずれにも日本法人があり、4つの大きな税理士法人が日本にもある、ということになります。

BIG4の強みは、例えば国際税務に強い点が挙げられます。
小規模な事務所になると、どうしても国際的な領域に踏み込めません。

一方で、BIG4であれば海外ファームとの提携により、最先端の国際税務を扱うことができ、この点で報酬単価も跳ね上がります。(例の1つです。)

税理士法人というくくりの中で、BIG4は大きなシェアを占めるため、BIG4全体の給与水準を引き上げている、とも考えられます。

4.比較

本記事のメインです。

税理士の働き方として、本記事では「税理士事務所」と「税理士法人」の2つを取り上げています。

会計士の働き方は、一般的に大手監査法人勤務となりますので、比較を2パターン用意しました。

①会計士vs税理士(税理士事務所)

②会計士vs税理士(税理士法人)

では、見ていきましょう。

①会計士vs税理士(税理士事務所)

比較したグラフは、以下の通りです。

序盤は会計士と税理士で100万円ほどの年収の差がありますが、16年目には300万円まで差が広がっていますね。

会計士の場合はこの後もどんどん年収が上がり続けるため、将来性が高いとも言えます。

一方で税理士事務所勤務の税理士の場合、やはり勤務先の規模が小さくなるため、年収の伸びもあまりなく、年収が頭打ちになるのも早いです。

考えてみれば、組織の規模があまりにも違うので、年収もこれだけ違って当然ですよね。

②会計士vs税理士(税理士法人)

こちらも、グラフで比較しています。

途中から会計士のグラフが見えなくなっていますが、これは税理士の年収と一致しているためです。

つまり、税理士法人勤務の税理士の場合、会計士と給与面であまり差がありません。
※厳密には、マネージャーに昇格する辺りまでは年収が100万程度異なるので、生涯年収としては800万ほど会計士のほうが有利です。

同じ税理士でも、勤務先によって年収は相当異なるようです。

5.税理士法人への就職は難しい?

さて、上記の比較を見て、こんな風に思った方もいるかもしれません。

「税理士の方が資格も簡単に取れそうだし、年収が同じなら税理士になった方が得じゃないか?」

でも、実はそれが一筋縄ではいきません。

理由は2つです。

①就職が難しい

②英語力が必要

会計士の場合、30代前半までずっと無職でも、BIG4に入所することができます。(2019年3月現在)

一方で、税理士の場合は20代までに全科目合格をしなければ、難しいようです。(もちろん個人差はあります。)

また、税理士法人では英語力が必要とされるケースが多く、この点でも難易度が上がります。

少し本記事の趣旨とはずれますが、補足情報として追加しておきます。

6.まとめ

まとめです。

  • 基本的に、会計士の方が税理士よりも稼げる
    (年収100~300万の差が生まれる)
  • 税理士法人勤務の税理士は、会計士と同じくらい稼げる
    (就職難易度は会計士の方がはるかに楽)

単純に年収だけを見るのであれば、私は断然会計士をオススメします。

税理士試験も、難関資格です。
将来就職できるか、不安を抱えながら勉強するのは大変です。

色々なリスクを検討し、一番向いている資格を目指すのが最良ですね。

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