こんにちは、公認会計士のロディです。
「高卒 会計士」
というワードで検索されている方が多いみたいですね。
確かに、一般的に『高卒』と『大卒』では年収や待遇に差があります。
では公認会計士の場合はどうでしょう?
元BIG4(大手監査法人)リクルーターの僕が、現実をお話ししましょう。
[ 目次 ]
1.高卒の公認会計士は不利?就職できない?【現実を話します】
2.待遇は大卒も高卒も変わりません。理由は?
① 有資格者であることが重要
② 成り手が少ない
③ 現にそうだから
3.高卒会計士が転職した時の年収の変動
4.高卒で公認会計士を目指すことのデメリットは1つ
① 万が一撤退する場合、リスクとなる
② リスクへの対応策
5.高卒で会計士になるには?【方法はシンプル】
① 情報を集める
② 慎重に判断する
③ 即行動する
6.公認会計士は、高卒で就職するなら超オススメの資格です。
高卒の公認会計士は不利?就職できない?【現実を話します】
結論から言えば
なぜそう言い切れるのか? 理由は次のとおりです。
待遇は大卒も高卒も変わりません。理由は?
理由は3つです。
- 『有資格者』であることが重要
- 成り手が少ないから
- 現にそうだから(理由になってないませんが。)
もう少し細かく説明しますね。
有資格者であることが重要
ご存知のとおり、公認会計士という資格は『会計』の最高峰国家資格です。
公認会計士資格を保有することで、関与できる仕事は次の2種類です。
- 公認会計士じゃなくてもできる仕事
- 公認会計士じゃないとできない仕事(法律上の規制)
このうち、2つ目が重要です。
公認会計士にしかできない仕事なので『独占業務』と呼ばれたりします。
普通の会社員の場合、基本的には法律などに縛られることのない(ある種、誰にでもできる)仕事をしています。
一方、公認会計士の独占業務である『会計監査』は、公認会計士じゃないとやってはいけないと法律上規定されています。
このような仕事の性質上、『公認会計士かどうか』という点が1番重視されます。
会計士じゃないと仕事ができないわけですから、組織(監査法人)としては、何よりもまず公認会計士を雇わなければ、利益を生み出せないのです。
そこに高卒かどうかは関係ありません。
成り手が少ない
2022年現在、公認会計士の数は圧倒的に不足しています。
2009年頃に起きた会計士の就職難によって、「会計士=就職難」というイメージが今でも尾を引いています。
現状は真逆なんですけどね。
成り手が少ないので、人手不足になるのは当然です。
そして、成り手が足りていないので、高卒だからどうとか言っている場合ではないのです。
近年は監査アシスタントとして事務の人を雇うことで対応していますが、会計士ではないので当然限界はあります。
現にそうだから
公認会計士試験に合格すると、合格者の多くの人は大手監査法人に就職します。
一方、合格者は1,100人くらい。
ほぼ全員ですね。
そして、大手監査法人は内定者の給与を「一律●●万円/月」と決め、内定者説明会で公言します。
ここで「高卒は●●万円/月です」なんて言われませんから、高卒であろうと大卒であろうと年収は変わらないという事です。

採用に関わった僕が、断言します。
高卒会計士が転職した時の年収の変動
では、転職時の年収はどうなるでしょうか?
結論:転職時の年収も、学歴はほぼ関係ありません。
次に理由です。
僕は2020年に転職をしています。
その際、同時期に転職してきた同期が高卒でした。
前の会社での勤務期間や経験値も僕とほぼ同じです。
そして、年収も同じでした。

ただし、たとえば東大・京大卒の人は仕事のできる人が多いので、結果的に頭の良い人が出世して年収に差がつく、という事はありますよ。
ちなみにですが、公認会計士になると大体10年くらいで年収1,000万の大台に乗ります。
>>関連記事:公認会計士の年収とコスパ【詳細に検証してみた】
高卒10年目で年収1,000万に到達する方法って、公認会計士くらいでは?と思います。
高卒で公認会計士を目指すことのデメリットは1つ
ここまでで、高卒で会計士になっても周りと差はないよ、というお話しをしました。
でも、高卒で会計士を目指すことにはデメリットが1つあります。
『高卒の会計士』のデメリットではなく、
『高卒で会計士を目指すこと』のデメリットです。
万が一撤退する場合、リスクとなる
最後まで諦めず、公認会計士試験に合格してしまえば、そこから先は本当に人生が変わります。
しかし、やむを得ず受験を断念し、公認会計士を諦めることになる可能性もあります。
何らかの事情で会計士試験から撤退した場合、形として残るものはありません。(簿記検定くらいです。)
履歴書には数年の空白期間ができてしまいます。
この点が、リスクとなります。
一般的に空白期間があると、書類選考で落とされる確率が上がります。

空白期間がマイナスに働くこともあれば、プラスに変える方もいます。
リスクへの対応策
このリスクへの対応策は、2つあります。
- 会計士試験に適性があるか、事前に確認する(事前対応)
- 撤退前に、税理士科目や簿記資格を取得する(事後対応)
余談ですが、受験生時代に僕自身も実践しました。
僕の場合は、合格時に次のようなスペックでした。
- 大卒無職&職歴なし
- 空白期間3年
- アラサー
アラサーでこのスペックは、中々ヤバいですよね。
このスペックで更に会計士資格も取れなかったら、人生終わりに向かいます。
そのため、早い段階で簿記1級を取り、適性を確認。 → その後、会計士受験中に税理士科目も取りました。

でも当時は自分に自信がなかったので、十分すぎるほどリスクヘッジしました。
会計士試験の適性があるかどうかは、簿記検定を受けて確かめることが1番オススメです。
会計士試験と勉強範囲が丸被りなので。
2~3ヶ月は費やしますが、2~3年費やして撤退するよりよっぽど効率的です。
ちなみに、僕は簿記1級を受験してから会計士を目指しました。
>>関連記事:ネットスクール簿記1級講座の評判・口コミは?【会計士が解説】
高卒で会計士になるには?【方法はシンプル】
ネットで調べてみると、『高卒では就職が難しい』とか記載しているサイトがいくつかありますね。
>>関連記事:公認会計士の就職事情|受かっても無職?心配は要りません。
事実、僕には高卒の同期が多くいますし、そんな事言っていられるほど会計士は多くありません。
なので、もし不安に感じている方がいれば、取り越し苦労なのでご安心を。
さて、「高卒で会計士になるには、どうすれば良いの?」という疑問が多いので、その方法論をお話します。
高卒で会計士になるためのステップ
- 1.情報を集める
- 2.慎重に判断する
- 3.即行動する
1.情報を集める
まずは、とくかく情報を集めましょう。
私自身も公認会計士なので、当ブログでたくさんリアルな情報を提供していますし、今の時代はネットでも調べれば情報がある程度分かります。
会計士になるための予備校のパンフレットには、「会計士の仕事感」「勉強の具体的なスケジュール」といった、リアルな情報がぎっしり詰まっています。
クレアールなら無料で資料請求ができるので、まずはコレを眺めてみると良いでしょう。
>>クレアールなら、無料で資料請求が可能です。
2.慎重に判断する
どのくらい難しいのか、どのくらい時間がかかるのか、収入はどのくらいなのか、といった情報が集まったら、ここでしっかりと情報を整理し吟味しましょう。
特に「勉強時間」に関してですが、インターネット上には嘘の情報が多かったりします。しっかりと正しい情報を集めて吟味しましょう。
>>関連記事:会計士試験に4000時間で受かるのは無理です。本当の勉強時間は?
このとき、「なんか儲かりそうだ!」と思っても、すぐに講座などを申し込むのではなく、じっくりと吟味することが大切です。
先述したとおり、会計士は確かに儲かるしコスパの良い資格ですが、勉強時間が多く必要になります。
「自分に本当にできるのか?」ということも踏まえて、悩みまくりましょう。「早く行動したい」と感じるかもしれませんが、「なんとなく」で勉強を始めてしまうと、いずれスタミナ切れを起こしますよ。
3.即行動する
収集した情報を整理し、検討した上で「よし、会計士を目指すぞ!」と心に決めたら、即行動しましょう。
私もそうでしたが、会計士を目指そうと決めた時は、凄まじいモチベーションがみなぎってきました。
この燃えるようなやる気を利用し、絶好のスタートダッシュを決めるべきです。
公認会計士は、高卒で就職するなら超オススメの資格です。
以上、公認会計士の世界では、高卒も大卒も平等だよというお話でした。
僕の素直な感想ですが、「公認会計士」という資格は、高卒で就職するなら超オススメの資格だと思います。
高卒で会計士を取得するメリット
- 受験資格に制限がない
- たった10年で年収1,000万に到達できる
- 受験費用がほとんどかからない
- 地位・名誉が手に入る
会計士は、コスパ最強の資格だと思います。
医者や弁護士だと、大金が必要だったり、就職難だったりしますからね。その点、会計士はお金もかからず、転職も楽勝です。
高卒で就職しても、年収・給料は大卒の会計士と差がなく、変わりません。合格すれば、誰でもBIG4という超大手企業に入れます。
(なお、個人的には税理士よりも会計士の方がオススメです。)
必要なのは、やる気だけです。
まずは情報収集から始めましょう。
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