こんにちは、公認会計士のロディです。

公認会計士として独立し、2年目に入りました。

  • 「公認会計士」ってたまに耳にするけど、どんな職業なんだろう?
  • 「公認会計士」になってみて、得したことはある?

そんな疑問が多いかと思いますので、お話します。

特に『生の声が聞きたい』という方もおられると思いますので、私の体験談・なってみた感想も交えて、リアルをお伝えします。

これから公認会計士を目指すかもしれないという方には、オススメの内容だと思います。

 

 

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公認会計士とは?

公認会計士とは、3大国家資格(公認会計士、医師、弁護士)の1つであり、職業の1つです。

公認会計士の目的は、「投資家を守ること」です。日本の資本市場は「株式投資」によって大きく発展しましたが、その根本を支える存在として位置するのが「公認会計士」です。

公認会計士は、「資本市場のドクター」とも言われ、会社の健康状態を診断します。公認会計士によって「問題がない」と診断された会社は、お墨付きをもらうことで、より多くの投資家から資金を調達できるのです。

文字通り「会計のプロ」である公認会計士は、会社の活動を数値化する能力に長けており、あらゆる事象をすべて数値化します。

なお、数字を扱うためか「理系」の資格であると思われる方も多いですが、実は「文系」の資格です。

筆者自身は理系出身の公認会計士ですが、受験生時代に覚える量がとても多く、とても苦労したのを覚えています。

 

公認会計士の仕事内容

公認会計士の仕事内容には、次のようなものがあります。

 公認会計士の仕事内容

  • 会計監査
  • ② 会計コンサル
  • ③ 経理事務
  • ④ 経営コンサル
  • ⑤ 税務申告
  • ⑥ 税務コンサル

このうち、公認会計士のメインとなる仕事内容が「会計監査」です。

 

「会計監査」は、公認会計士の独占業務であり、公認会計士資格を有した人でなければ関与することができません。

公認会計士は、「会計監査」で得た経験・知識をベースにし、「会計コンサル」「経理事務」「経営コンサル」など、幅広いフィールドで活躍することができます。

また、公認会計士になると、税理士としても登録することができます。

税理士登録をすることで、「税務申告」「税務コンサル」等、さらに活躍のフィールドを広げることができます。

公認会計士の仕事内容と、1日の働き方【現役の公認会計士が解説】

 

公認会計士の年収は、どのくらい?

公認会計士は、非常に希少価値の高い職業です。

3大難関国家資格というだけあり、合格者は年に1,100名前後、合格率は約10%と難しい試験です。

そのため、年収はとても高く、20代で年収1,000万を達成することも可能な資格です。

公認会計士の年収はどのくらい?【給料明細をお見せします。】

筆者自身も、公認会計士として5年の経験を積んだところで、年収は900万円ほどになりました。

 

公認会計士業界は慢性的に人手が不足していることもあり、転職を重ねるほど年収が上がりやすい、ちょっと変わった業界です。

また「会計監査」という経験は、公認会計士でしか得られない貴重な経験であり、転職市場では高く評価されます。

一度、公認会計士資格を取得してしまえば、(転職しても)資格を失うことはないため、生涯年収の安定する職業と言えます。

 

公認会計士になるには、何をすれば良い?

公認会計士になるには、次の3段階のステップが必要です。

 公認会計士になるためのステップ3つ

  • ① 公認会計士試験(短答式試験+論文式試験)に合格する
  • ② 実務経験を2年間積む
  • ③ 補習所に通い、修了考査に合格する

以上のステップを経ることで、公認会計士の免許を取得することができます。

 

なお、一般的には①短答式試験+論文式試験に合格した時点で、「公認会計士」として認知されます。
公認会計士として登録はしていないものの、この時点で実質的には公認会計士と同様の仕事ができるからです。

 

① 公認会計士試験(短答式試験+論文式試験)に合格する

公認会計士試験は、短答式試験(1次試験)と、論文式試験(2次試験)の2段階で構成されます。

短答式試験は年に2度(12月と5月)に実施され、論文式試験は年に1度(8月)に実施されます。

難易度は非常に高く、合格率は短答式試験が約10%、論文式試験が約35%、(短答式試験2回を加味すると)年間の合格率は10%という難関試験です。

公認会計士の難易度を解説|なぜ「難しい」と言われるの?

 

公認会計士試験の「試験科目」は、次のとおりです。

 公認会計士試験の「試験科目」

(短答式試験)

  • 財務会計論
  • 管理会計論
  • 監査論
  • 企業法

(論文式試験)

  • 会計学
  • 監査論
  • 企業法
  • 租税法
  • 選択科目(経営学、経済学、民法、統計学)

短答式試験はマークシート方式のテストであり、論文式試験は記述式のテストです。

いずれも、計算・理論ともに高度なレベルで問われます。

 

合格までの平均勉強期間は2~3年平均勉強時間は5,500~6,800時間です。

つまり、1日あたり6~8時間の勉強を、2~3年間継続することでようやく合格できる資格試験です。

筆者も公認会計士ですが、一番ピークの時期は、半年間毎日(休まず)1日10時間勉強していました。

公認会計士合格までの勉強時間は7000時間でした【失敗した話】

一般に、公認会計士試験は「頭が良くないと合格できない」というイメージもあるそうですが、実際は努力が反映されるタイプの試験です。

そのため、近年は受験者数が増加しています。

 

② 実務経験を2年間積む

論文式試験に合格すると、すぐに就職活動が始まり、3ヶ月後には「監査法人」という組織で働くことになります。
>>Q&A:年齢に不安があります。合格しても就職できるか不安です。

公認会計士として登録するためには、まず「監査実務」を2年間経験する必要があります。(これを、「実務要件」と呼びます。)

監査法人以外にも就職する道はありますが、「監査実務」を経験するには、監査法人に就職するのがベストです。

普通に2年間働いていれば、実務要件は誰でもクリアできます。(ここで落とされることは、まずありません。)

 

③ 補習所に通い、修了考査に合格する

「補習所」とは、論文式試験の合格者が通う「勉強会」のような場所のことです。

論文式試験に合格すると、日本公認会計士協会の「準会員」として認められ、同時に「補習所」に通う権利が得られます。

補習所の目的は、「公認会計士になるための必要な技能を習得させること」です。

短答式試験や論文式試験よりも、より実務的な内容を学習できるため、これを実務(監査)で役立てることができます。(寝てる人も多いですが…。)

 

また補習所では、(大学のように)一定数の「単位」を取得する義務があり、義務付けられた単位数を取得しなければ、その後の「修了考査」を受験することができません。

補習所は平日の夜に開催され、週1~2日のペースで行われます。

監査法人に勤務する方は、補習所を優先してもらえるので、仕事を定時で上がることができます。

補習所へは、通常3年間通うことになりますが、これを2年に短縮することも可能です。

補習所って何? 実際に通ってみた感想をお話します。

 

「修了考査」とは、公認会計士になるための最終試験(3次試験)をいいます。

短答式試験、論文式試験とは異なり、合格率は約70%と非常に易しく、ここで落とされる人は僅かです。

試験は年に一度あり、落ちても翌年(何度でも)チャレンジすることができますので、「論文式試験に合格したのに、公認会計士になれない」という事はまずありません。

修了考査、思っていたよりも簡単でした【勉強法解説】

 

修了考査に合格すると、晴れて公認会計士登録ができます。

勉強をスタートしてから、最短4年で公認会計士登録ができる計算ですね。

 

「公認会計士」と「税理士」の違い

よく、「公認会計士と税理って、何が違うの?」という質問を受けます。

 よくあるご質問

  • 公認会計士と税理士の仕事は、どう違うのか?
  • 公認会計士と税理士は、どちらの方が儲かるのか?
  • 公認会計士と税理士は、どちらの方が簡単?

 

詳しい内容は、次の記事をご参照ください。

公認会計士と税理士の違いとは|2つの資格を取得したので比較します

以下、かんたんに解説します。

 

公認会計士と税理士の仕事は、どう違うのか?

公認会計士の仕事が「会社のお金の診断」であるのに対して、税理士の仕事は「会社や個人の税務相談」です。

大きく違うのは、「立場」です。

公認会計士は、第三者として、会社の決算書を「監査」します。監査なので、クライアントからは恐れられたり、嫌われたりすることも多くあります。

一方で、税理士は、クライアントの税務相談に乗ってあげたり、税務書類を作ってあげたりします。クライアントに寄り添った仕事ですので、「感謝される」という機会が多くあります。

 

また、「クライアントの層」も異なります。

公認会計士のクライアントは、「大企業」が中心です。
一方で、税理士のクライアントは、「会社および個人」です。

税理士の方がお客さんは多く、「個人」を相手に仕事をすることができますので、独立後に安定して稼ぎやすいのが特徴です。

 

公認会計士と税理士は、どちらの方が年収が高い?

厚生労働省の調査によれば、公認会計士及び税理士の平均年収は1,042万円/年です。(参考:厚労省HP

また私の印象では、公認会計士の方が平均年収は高いと感じます。

(もちろん、所属する企業や業種、関与するサービスによって大きく異なるのですが。)

その理由は、税理士は公認会計士よりも1年目のベース給与が低く、大きく昇給させるには時間がかかるからです。

公認会計士の場合、(試験に合格すれば)BIG4に就職することがほぼ確定していますから、初めから高給を約束されています。

税理士の場合、小さな会計事務所など給与水準の低い組織で働くケースが多いため、どうしても平均年収は低くなります。

ただし先述のとおり、これはあくまで平均値の話です。

税理士であっても特殊な税務領域(資産税、相続税、国際税務など)に強みを発揮する方は、かなり高い水準の給与を得ています。

ロディ
ロディ
私も税理士と一緒に仕事をしていましたが、皆さんかなり高い報酬を貰っていました。

 

結局のところ「何をしたいか」で給与水準は大きく変わります。

 

公認会計士と税理士は、どちらの方が転職先の選択肢は多い?

これは圧倒的に、公認会計士だと思います。

公認会計士の転職先は、監査法人を初め、コンサル・税務・経理など幅広く選択があります。

公認会計士は税理士の資格も取得することができるため、税理士としてのサービスにも就くことができるのがポイントです。

一方で、税理士の就職先は「税務」に限定されるケースが多いです。

ロディ
ロディ
会計事務所・税理士法人・コンサル会社、このあたりが税理士のメインとなる就職先です。

 

明確に「この分野で活躍したい」という目的がないのであれば、広く将来性の高い「公認会計士」をオススメします。

 

公認会計士と税理士は、どちらの方が簡単に取れる?

ぞれぞれの「平均勉強期間」は次のとおりです。

 公認会計士と税理士の平均勉強期間

  • 公認会計士:2~3年
  • 税理士:3~5年

税理士に合格するための勉強時間【ネット情報を信用したらダメ】

 

公認会計士試験は、「全科目を同時に受験」しなければなりませんが、苦手科目を他の科目でカバーできるという大きなメリットがあります。

一方、税理士試験は公認会計士試験よりも易しいものの、1科目ずつ合格点をとらなければならないため、1つでも合格点に満たないと、翌年もまた受験しなければならないというデメリットがあります。

筆者の肌感覚としては、公認会計士のほうが楽だと感じます。

 

公認会計士について、よくある質問

公認会計士という職業は、なかなか皆さんに馴染みがないですよね。

よく、次のようなご質問を受けます。

 公認会計士について、よくある質問

↑気になるものをタップすると、該当箇所に飛びます。

 

受験資格など、条件はある?

受験資格など、制限はありません。

学歴による制限や、その他の資格要件などもありません。

公認会計士試験の受験資格はある?【試験制度について詳細解説】

 

学歴に不安があるんだけど、目指しても大丈夫かな?

問題ありません。

筆者は偏差値40の大学を出ていますが、3年で公認会計士試験に合格しました。

公認会計士に「学歴」は関係ない話。【誰でも成功者になれます。】

 

「AIに消される」「将来なくなる」という噂を耳にするけど…?

公認会計士の仕事は、なくなりません。(少なくとも、この先20年は。)

公認会計士は、決算書にお墨付き(証明書)を付ける仕事ですので、それに対する「責任」が生じます。

AIが責任を負うことはできず、このような業務の性質上、公認会計士がなくなることはありません。

公認会計士の仕事がなくなる?AIに消される?|現役会計士が解説

 

年齢に不安があります。合格しても就職できるか不安です。

2022年現在、公認会計士の就職市場は、売り手市場(就活生に有利な状況)です。

例えば、筆者は27歳職歴なしで合格しましたが、BIG4(四大監査法人)全てから内定を獲得しました。

 就職の目安

  • 職歴なしの場合:30代前半までなら就職できます。
  • 職歴ありの場合:40代前半までなら就職できます。

私自身、BIG4(四大監査法人)でリクルーター&面接官をしており、就職状況の良さは身に染みて感じています。

公認会計士を目指すべき年齢は?何歳まで就職できる?|会計士が解説

 

独学だと、どのくらいで合格できる?

独学の場合、予備校に通った場合と比べて、2~3倍の勉強時間が必要になります。

  • 予備校に通った場合:2~3年
  • 独学で目指した場合:4~9年

公認会計士試験は、受験生の99%が予備校などのスクールに通っています。

独学はオススメしません。

公認会計士試験に独学で受かる事は無理?【会計士が合格のコツを解説】

 

「公認会計士に向いている人」って、どんな人?

公認会計士試験に合格する方の特徴は、「コツコツと努力できる人」です。

公認会計士試験は長丁場の試験ですので、毎日コツコツ、一歩一歩進む努力のできる方に向いています。

また、「公認会計士」という職業に向いている人の特徴は、「コンサルティングに興味のある方」や「コミュニケーションが好きな方」です。

事務作業が多そうなイメージの公認会計士ですが、実はクライアントと会話する機会がとても多くあります。

【適性診断】公認会計士に向いている人は、こんな人。【実体験アリ】

とはいえ、現時点でコミュニケーションが得意である必要はありません。

筆者自身もそうでしたが、元々コミュニケーションが苦手な方でも、1年も働けば得意になります。

 

「公認会計士」と「会計士」って何が違うの?

どちらも同じ意味になります。

「公認会計士」を省略して、「会計士」と言うことが多いですね。

 

公認会計士を目指すメリットとは。

公認会計士になって得たメリットは、次のとおりです。

 公認会計士になって得たメリット

  • 安定収入
  • 一流のビジネスモデルを知ることができる
  • 地位・名誉が手に入る
  • モテる
  • 自由に働ける(独立)

公認会計士になると、収入が安定し、いわゆる「高所得者」になります。

また、社会的信用力があるため、社会的な地位・名誉も手に入ります。

副次的ですが、モテるようにもなります。

しかし、私が公認会計士になって一番良かったのは、「自由に働ける」ことです。

職業の選択肢がとても広がるので、いつでも人生を変えることができるのは、かなり大きなメリットだと感じます。(今は独立しています。)

公認会計士になって得た、6つのメリット。【モテる?高収入?】

 

「たった2~3年の勉強」でこれらのメリットが手に入るので、かなりお得な資格ですよね。

試験制度や、具体的な勉強スケジュールなどを知りたい方は、予備校のパンフレットを手に取ると良いです。

「合格者の体験記」や、「実際に働いている公認会計士の感想」が記載されているので、未来をリアルに想像できますよ。
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